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第一章
第80話 宝物庫へ
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俺は一人ずつ抱きかかえて寝台に運び、ミラーノが『アイテールに運んで欲しいって言われました~』と寝室に戻ってきて、タオルでエイアの体を拭いてくれている。
リュールとアンジェラもだが、小さな声で『憧れのお姫様抱っこ······』と力の入らない声で顔を赤く染め、運び終えたのだが、マルガリータは動けるよな?
「お姫様······抱っこ······♡」
と寝転んだまま両手を伸ばしてきた。
「はぁ、裸が丸見えなんだぞ? まあ、やってやるが」
最後に残ったマルガリータを抱え、一応寝台に連れて行き、おろして俺は装備をしながらみんなに声をかける。
「みんな、明日の朝くらいまでは体が思うように動かないはずだ、俺は王様達の依頼でちょっとでかけてくるから待っててくれ」
そう言いうとなぜかマルガリータとミラーノは素早くみんなにシーツをかけ、着替え始めあっという間に冒険者の格好になってしまった。
あれ······着替えに見とれていたが、なぜ着替えてるんだ? まさか······。
「つ、付いていくぞ!」
マルガリータが喋れるようになったのだが、やっぱりそうか。まあ、この二人なら大丈夫だろう。
「分かった。危険だと思ったら直ぐに逃げると約束してくれ。エイア、リーン、セレーナ、リュール、アンジェラ。王様の依頼に行ってくる」
「「頑張ってね」」
三人にキスをして、リュールとアンジェラも『わ、私も』『キスをして下さい』とせがまれ、キスをして、俺はマルガリータとミラーノを連れて寝室を出た。
そこにはすでに王様も公爵様もおらず、メイドが二人待っているだけだった。
「待たせた。案内してくれるか?」
「はい。馬車へ行く前に宝物庫へ案内せよと聞いています。先にそちらへ向かいます」
なるほど、それは助かるな。千人を相手にするんだ、ガタつきがある武器では心許ない。
「助かる。なるべく急ぎたいんだ、頼めるか」
「はい。参りましょう」
俺とマルガリータ、ミラーノは、一人のメイドの後をついて客室を足早に出た。
何度か階段を下り、地下の兵士が守る部屋に到着すると、メイドが扉番の兵士と一言二言会話すると部屋に通され、さらに進んで二回扉を越えた所にある部屋に入ると、そこには沢山の武器がガラスの付いた棚に並べられていた。
「こちらにある武器なら好きな物を持っていって良いとの事です。聖女様と女勇者様の物も、今お持ちの物と交換するようにと聞いております」
「分かった。少しだけ待っていてもらえるか、すぐに選んでしまうよ」
「はい」
「二人も選んでくれるか? それとも俺が鑑定で見ても良いがどうする?」
「お、おう。選んで欲しいぞ。そういう目利きはまったく才能がないからな」
「私もお願いします~大きい剣が好きですよ~」
「分かった。マルガリータはダガーで、ミラーノは大剣だな、じゃあそうだな」
俺は端から順に見ていき、まずは大剣。他の大剣は壁に引っ掛けられるように保管されているが、大剣なのに二本一組の物で、石の台座に並べられている物があり、見てみると······。
「ミラーノ、この大剣だが片手で持てるか? 持てるなら大剣の中では飛び抜けて良い物だ。ミスリルが格段に多く使われていて、魔法を使う際も魔法威力を強化してくれるのと、魔力を回復補助もしてくれる優れた物だ。勿論強度も問題ないが、二本持ちで効果が出るんだよ」
「おお~。どれどれ~、剣先から柄頭までで私の身長近くありますね~、よいしょ~」
ミラーノは俺でも扱うには苦労しそうな大剣をひょい、ひょいと軽そうに持ち上げ、まわりに当たらないように、振って見せた。
「良いですね~。勇者の大剣より重くて振りやすいですよ~。私はこれにしま~す」
「ミラーノ良いなぁ······わ、私も頼むぞ」
「分かった次はダガーを見に行こう」
大剣が集められ置かれた場所から離れ、広い宝物庫を見てまわると進む先に短剣類が置かれている場所が見え、そこに進んでいたのだが、見覚えのある武器が目に入った。
「これは――っ! 師匠が使っていた刀! やはりあるところにはあるんだな。マルガリータ、すまないが、俺のを先に見ても良いか?」
「し、しかたねえな。早くしてくれよ」
「ああ。だが、マルガリータも片刃で良いならこの刀もありだと思うが」
「わっ、私の戦い方は、元々片刃の武器の戦い方なんだ。だからその刀ってのでもいけるかも知れねえな。どれか選んでもらえれば一度振ってみるぞ」
「分かった。そうだな」
刀も二本一組の物が何種類かあり、鑑定をしていくとその中でも赤い鞘の短刀の二本組が、ミラーノの大剣と同じ強化系が補助されていて、他の刀にも付いている切れ味強化と自動修復が付いている。
「これが良さそうだ。自動修復が良いな。完全に折れてしまったとしても、折れた破片と一緒に鞘に戻して魔力を流すと修復されるようだ。マルガリータ、どうだ、持ってみてくれ」
「お、おう。······ん? 思ったより重さがあるんだな、細いから軽い物と思ってたが······しっ!」
二本とも逆手で持ち、少し離れて振るが、逆手から順手に待ち変えたり戻して逆手にと何度か試しているようだ。
「くくくっ。これは良いな。これにしよう。アイテールはどれにするのだ?」
気に入ったようだな。二本とも鞘に戻して、背中側の腰に固定してしまった。ミラーノはそれを見て、後ろでブンブン振り回していたのだが、背中に背負うように装備し出した。
「そうだな、俺は······これかな」
ガラスの戸を開け、刀に手を伸ばした。
リュールとアンジェラもだが、小さな声で『憧れのお姫様抱っこ······』と力の入らない声で顔を赤く染め、運び終えたのだが、マルガリータは動けるよな?
「お姫様······抱っこ······♡」
と寝転んだまま両手を伸ばしてきた。
「はぁ、裸が丸見えなんだぞ? まあ、やってやるが」
最後に残ったマルガリータを抱え、一応寝台に連れて行き、おろして俺は装備をしながらみんなに声をかける。
「みんな、明日の朝くらいまでは体が思うように動かないはずだ、俺は王様達の依頼でちょっとでかけてくるから待っててくれ」
そう言いうとなぜかマルガリータとミラーノは素早くみんなにシーツをかけ、着替え始めあっという間に冒険者の格好になってしまった。
あれ······着替えに見とれていたが、なぜ着替えてるんだ? まさか······。
「つ、付いていくぞ!」
マルガリータが喋れるようになったのだが、やっぱりそうか。まあ、この二人なら大丈夫だろう。
「分かった。危険だと思ったら直ぐに逃げると約束してくれ。エイア、リーン、セレーナ、リュール、アンジェラ。王様の依頼に行ってくる」
「「頑張ってね」」
三人にキスをして、リュールとアンジェラも『わ、私も』『キスをして下さい』とせがまれ、キスをして、俺はマルガリータとミラーノを連れて寝室を出た。
そこにはすでに王様も公爵様もおらず、メイドが二人待っているだけだった。
「待たせた。案内してくれるか?」
「はい。馬車へ行く前に宝物庫へ案内せよと聞いています。先にそちらへ向かいます」
なるほど、それは助かるな。千人を相手にするんだ、ガタつきがある武器では心許ない。
「助かる。なるべく急ぎたいんだ、頼めるか」
「はい。参りましょう」
俺とマルガリータ、ミラーノは、一人のメイドの後をついて客室を足早に出た。
何度か階段を下り、地下の兵士が守る部屋に到着すると、メイドが扉番の兵士と一言二言会話すると部屋に通され、さらに進んで二回扉を越えた所にある部屋に入ると、そこには沢山の武器がガラスの付いた棚に並べられていた。
「こちらにある武器なら好きな物を持っていって良いとの事です。聖女様と女勇者様の物も、今お持ちの物と交換するようにと聞いております」
「分かった。少しだけ待っていてもらえるか、すぐに選んでしまうよ」
「はい」
「二人も選んでくれるか? それとも俺が鑑定で見ても良いがどうする?」
「お、おう。選んで欲しいぞ。そういう目利きはまったく才能がないからな」
「私もお願いします~大きい剣が好きですよ~」
「分かった。マルガリータはダガーで、ミラーノは大剣だな、じゃあそうだな」
俺は端から順に見ていき、まずは大剣。他の大剣は壁に引っ掛けられるように保管されているが、大剣なのに二本一組の物で、石の台座に並べられている物があり、見てみると······。
「ミラーノ、この大剣だが片手で持てるか? 持てるなら大剣の中では飛び抜けて良い物だ。ミスリルが格段に多く使われていて、魔法を使う際も魔法威力を強化してくれるのと、魔力を回復補助もしてくれる優れた物だ。勿論強度も問題ないが、二本持ちで効果が出るんだよ」
「おお~。どれどれ~、剣先から柄頭までで私の身長近くありますね~、よいしょ~」
ミラーノは俺でも扱うには苦労しそうな大剣をひょい、ひょいと軽そうに持ち上げ、まわりに当たらないように、振って見せた。
「良いですね~。勇者の大剣より重くて振りやすいですよ~。私はこれにしま~す」
「ミラーノ良いなぁ······わ、私も頼むぞ」
「分かった次はダガーを見に行こう」
大剣が集められ置かれた場所から離れ、広い宝物庫を見てまわると進む先に短剣類が置かれている場所が見え、そこに進んでいたのだが、見覚えのある武器が目に入った。
「これは――っ! 師匠が使っていた刀! やはりあるところにはあるんだな。マルガリータ、すまないが、俺のを先に見ても良いか?」
「し、しかたねえな。早くしてくれよ」
「ああ。だが、マルガリータも片刃で良いならこの刀もありだと思うが」
「わっ、私の戦い方は、元々片刃の武器の戦い方なんだ。だからその刀ってのでもいけるかも知れねえな。どれか選んでもらえれば一度振ってみるぞ」
「分かった。そうだな」
刀も二本一組の物が何種類かあり、鑑定をしていくとその中でも赤い鞘の短刀の二本組が、ミラーノの大剣と同じ強化系が補助されていて、他の刀にも付いている切れ味強化と自動修復が付いている。
「これが良さそうだ。自動修復が良いな。完全に折れてしまったとしても、折れた破片と一緒に鞘に戻して魔力を流すと修復されるようだ。マルガリータ、どうだ、持ってみてくれ」
「お、おう。······ん? 思ったより重さがあるんだな、細いから軽い物と思ってたが······しっ!」
二本とも逆手で持ち、少し離れて振るが、逆手から順手に待ち変えたり戻して逆手にと何度か試しているようだ。
「くくくっ。これは良いな。これにしよう。アイテールはどれにするのだ?」
気に入ったようだな。二本とも鞘に戻して、背中側の腰に固定してしまった。ミラーノはそれを見て、後ろでブンブン振り回していたのだが、背中に背負うように装備し出した。
「そうだな、俺は······これかな」
ガラスの戸を開け、刀に手を伸ばした。
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