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第1章
第9話 封印の守護者 ②
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へ? 誰に何を言われたか知らないけど、どゆこと!?
階段があった対面の壁に縦線が入り、音もなく横にスライドするように開いて、その奥には青く光る目が二つ浮いていた。
『なんだよ! 何が出てくるんだ!』
コツコツとゆっくりとだが青い目がこちらに向かって近付いてくる。
「しゅ、しゅ、守護者ですの! とぉ~っても強いのです! あわわわ――まだ力が出ないので逃げられないのです!」
手のひらに俺を乗せて右往左往のイル。
イルが魔王で出てくるのが守護者か……、魔王を封印して外に出させないようにしているのが守護者、と言うことなら、イルを守るためには倒さなきゃってこと?
目以外見えなかった守護者とやらが、開いたところから部屋に入ってくる時、何か透明な膜を通りすぎたように見えた。
ん? もしかして上の扉をくぐるための神器をこの青いラインが入った真っ白な鎧を装備して、青白く輝くこれぞ聖剣って剣を持った奴が持っているって事か?
それなら……いただいちゃうしかないよね、イルを外に出すって決めたのだから。
『イル、階段のところまで下がって! 俺がなんとか神器を手に入れてみるから!』
「ほへ? 危ないですの! 守護者には勝てませんの!」
大丈夫! やってみるから俺を下ろして階段まで下がってて!
あわあわしているだけで、俺を離そうとしないから、無理矢理飛び降りることにした。
そして飛び降りながら鑑定だ!
――――――――――――――――――
封印の守護者 聖なる鎧
封印の守護者 聖なる盾
封印の守護者 聖なる兜
封印の守護者 聖なる剣
――――――――――――――――――
なんだよそれ! 聖なる装備品が集まって勝手に動いているのか! ってことはリビングアーマーかよ!
『きゃは♪ きゃははは♪ きゃははははは♪ リ、リビングアーマー! 遥か昔にヘーパイストスが打ち、勇者が装備した聖なる神器がリビングアーマーって、も、もうだめぇぇー! お腹痛いぃぃぃ!』
ロリっ子! 笑っていても良いが邪魔するなよ! こいつが持つ神器がここから出るのに必要だから!
ロリっ子が笑い声と共に動きが止まったリビングアーマーに素早く近付く。
中身がなくて、倒せなくても神器だけは触れば収納できるはずだ。
まだ止まっている、手を、いや触手を伸ばして振りかぶり、鞭を前に振るうようにリビングアーマーに当てる。
咄嗟に動き、盾で塞がれたが狙いどおりだ! 収納!
伸ばした触手はペチンと盾でガードされたが、弾き飛ばされそうにったがそのまま引っ付き、収納してやった。
『うそん! 神が造りし聖なる盾を収納しちゃったよ!』
「はわわわ! 盾が無くなりましたの!」
よし次は剣だ! できれば鎧からいただきたいけど、絶対剣で邪魔されるはず。
それに――どわっ!
ブオンと足が目の前に迫ってきた――が床にペタンと潰れるように避け、元に戻る勢いも利用してリビングアーマーの背後にダッシュで回り込み、また鞭のように触手を振るう。
サク。
――ぐあっ! 収の――体が切られた! 間に合わなかった、背後に回ったはずが一瞬の内に向きを変え、伸ばした触手を切り飛ばされたぞ!
「ユウリ!」
『へえ、やるね。守護者の盾を奪っただけじゃなく……これは僕の予想より当たりかも』
チッ! ロリっ子それ以上言うなよ!
連続で繰り出される剣を掻い潜り、前に後ろにあらゆる方向に避けながら、もう十本以上触手を切られている。
最初に切られた時は、一気に死んだかと思った。
でもHPが3しか無いのに触手を切り飛ばされても減っていなかったんだ。
それに――。
「が、頑張るですよユウリ! 負けるなです!」
『任せて、外に出るって言ったからには一緒に出るから!』
(東雲友里君、召喚前の場でも一人だけ動けていたし、下位の精神耐性では押さえきれない精神の強さを持ってるなってと思ったけど……僕を救ったこの子ならもしかすると)
階段の一段目に立ち、俺とリビングアーマーが戦うところを見守るイル。
「あーまた切られたのです! も、もう逃げてです! 切られて小さくなってるですよ! 無くなっちゃうです!」
そう、十センチはあった俺の体は既に半分以下の大きさになっている。
だが諦めない、小さいから狙いが雑なリビングアーマーでは決定打さえ……来た……どんどん……意識が……薄く…………。
「いやぁぁぁー!」
この体で最後に見たものは階段で叫ぶイルと、迫り来る剣だった。
階段があった対面の壁に縦線が入り、音もなく横にスライドするように開いて、その奥には青く光る目が二つ浮いていた。
『なんだよ! 何が出てくるんだ!』
コツコツとゆっくりとだが青い目がこちらに向かって近付いてくる。
「しゅ、しゅ、守護者ですの! とぉ~っても強いのです! あわわわ――まだ力が出ないので逃げられないのです!」
手のひらに俺を乗せて右往左往のイル。
イルが魔王で出てくるのが守護者か……、魔王を封印して外に出させないようにしているのが守護者、と言うことなら、イルを守るためには倒さなきゃってこと?
目以外見えなかった守護者とやらが、開いたところから部屋に入ってくる時、何か透明な膜を通りすぎたように見えた。
ん? もしかして上の扉をくぐるための神器をこの青いラインが入った真っ白な鎧を装備して、青白く輝くこれぞ聖剣って剣を持った奴が持っているって事か?
それなら……いただいちゃうしかないよね、イルを外に出すって決めたのだから。
『イル、階段のところまで下がって! 俺がなんとか神器を手に入れてみるから!』
「ほへ? 危ないですの! 守護者には勝てませんの!」
大丈夫! やってみるから俺を下ろして階段まで下がってて!
あわあわしているだけで、俺を離そうとしないから、無理矢理飛び降りることにした。
そして飛び降りながら鑑定だ!
――――――――――――――――――
封印の守護者 聖なる鎧
封印の守護者 聖なる盾
封印の守護者 聖なる兜
封印の守護者 聖なる剣
――――――――――――――――――
なんだよそれ! 聖なる装備品が集まって勝手に動いているのか! ってことはリビングアーマーかよ!
『きゃは♪ きゃははは♪ きゃははははは♪ リ、リビングアーマー! 遥か昔にヘーパイストスが打ち、勇者が装備した聖なる神器がリビングアーマーって、も、もうだめぇぇー! お腹痛いぃぃぃ!』
ロリっ子! 笑っていても良いが邪魔するなよ! こいつが持つ神器がここから出るのに必要だから!
ロリっ子が笑い声と共に動きが止まったリビングアーマーに素早く近付く。
中身がなくて、倒せなくても神器だけは触れば収納できるはずだ。
まだ止まっている、手を、いや触手を伸ばして振りかぶり、鞭を前に振るうようにリビングアーマーに当てる。
咄嗟に動き、盾で塞がれたが狙いどおりだ! 収納!
伸ばした触手はペチンと盾でガードされたが、弾き飛ばされそうにったがそのまま引っ付き、収納してやった。
『うそん! 神が造りし聖なる盾を収納しちゃったよ!』
「はわわわ! 盾が無くなりましたの!」
よし次は剣だ! できれば鎧からいただきたいけど、絶対剣で邪魔されるはず。
それに――どわっ!
ブオンと足が目の前に迫ってきた――が床にペタンと潰れるように避け、元に戻る勢いも利用してリビングアーマーの背後にダッシュで回り込み、また鞭のように触手を振るう。
サク。
――ぐあっ! 収の――体が切られた! 間に合わなかった、背後に回ったはずが一瞬の内に向きを変え、伸ばした触手を切り飛ばされたぞ!
「ユウリ!」
『へえ、やるね。守護者の盾を奪っただけじゃなく……これは僕の予想より当たりかも』
チッ! ロリっ子それ以上言うなよ!
連続で繰り出される剣を掻い潜り、前に後ろにあらゆる方向に避けながら、もう十本以上触手を切られている。
最初に切られた時は、一気に死んだかと思った。
でもHPが3しか無いのに触手を切り飛ばされても減っていなかったんだ。
それに――。
「が、頑張るですよユウリ! 負けるなです!」
『任せて、外に出るって言ったからには一緒に出るから!』
(東雲友里君、召喚前の場でも一人だけ動けていたし、下位の精神耐性では押さえきれない精神の強さを持ってるなってと思ったけど……僕を救ったこの子ならもしかすると)
階段の一段目に立ち、俺とリビングアーマーが戦うところを見守るイル。
「あーまた切られたのです! も、もう逃げてです! 切られて小さくなってるですよ! 無くなっちゃうです!」
そう、十センチはあった俺の体は既に半分以下の大きさになっている。
だが諦めない、小さいから狙いが雑なリビングアーマーでは決定打さえ……来た……どんどん……意識が……薄く…………。
「いやぁぁぁー!」
この体で最後に見たものは階段で叫ぶイルと、迫り来る剣だった。
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