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第一章
第19話 お墓を掃除しちまうぞ
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「チッ、全て倒されたか。おい、あの小僧は黒髪から銀髪になったよな······魔法か? だがあんな姿が変わる魔法は聞いたことが無いが······今回の作戦は失敗だ。全て報告だな、行くぞ」
「ああ、でもあの数のグールだぞ? Bランクパーティーでなんとかさばける魔物の群れをソロで······ならあの小僧はAランク、いや、無傷で倒せるとなるとSランクというのか? あんな洗礼受けたてくらいの小僧がSランク? そんな情報は聞いた事もないって」
「おい、無駄口はそこまでにしな。行くぞ、領主様に報告しなければ」
(ふ~ん。ケントに教え······まあいっか、黙っておいた方が楽しそうだしね~)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ふい~、クロセル収納ありがとうな。お陰で戦いやすかったぜ」
『どういたしまして。それよりソラーレが落ちてますので踏まないように。では開放を終わりますね』
あっ、しまったな、どんな感じになってるか見てみたかったがまあ良いか。銀髪なのは髪の毛が滅茶苦茶伸びてたから見れたけど、目の色がなぁ青って言ってたし、その内見てみるか。
「おう。ソラーレ、ごめんな。次からは戦う前に言うからよ、ちゃんとくっついておけよ」
俺は足元でプルプルしているソラーレを拾い上げ、肩に乗せると扉の向こうからじっと見てくる司祭のおっさんに近づき声をかける。
「お待たせ、流石お墓だよな、グールが出るなんてよ。村じゃゴブリンしか見かけなかったが、やっぱりデカいお墓があると出てくる魔物も違うな」
「い、いえ、このリチウムでもグールが出たのは始めてです。少し街からは離れてますが、そこにグールの巣があると言われてますので、そこから迷い込んだとしか」
「おお、そんな森があんのか。でもEランクに森の依頼って無かったよな? まあ早いとこランク上げてしまえば良いか」
「しかし、流石クルト司祭の育てた子ですね。魔物も全て倒されましたし、幸いお参りに来ていた方もいない様子ですから。では、掃除をお願いできますか?」
「おう。任せときな」
俺は持ってきた掃除用具の中から箒を手に取り真ん中の通りから落ち葉なんかを集めていく。
「ねえケント、いっそのことこの木を全部切っちゃえば良いんじゃない? ここって街の外壁の外よね? こんな林を残しておくから魔物が来るんじゃないの?」
「おう。そうかもしんねえがよ、街中にあるよりこんな木に囲まれてる方が死んだ奴らも気分が良いからじゃねえか? ってか広いな、風魔法の練習もかねてやってみっか」
「ああ、あれね、村で何本か木を倒しちゃった奴。ホワールウインドでなぜウインドカッターが混ざるのか分かんないけど、あれはつむじ風のイメージよ、落ち葉を巻き込んでクルクル回ってる感じにね」
ああ、あれはクルクル回る落ち葉を細かくできるようにできたら、魔物相手の攻撃に使えっかなと思ってやっちまったものだ。
一つ前に教えてもらったウインドカッターも混ぜてしまったんだよな。
「それはまだ教えてないけど中位風魔法のトルネードに近い魔法ね。そこに雷魔法を混ぜられたならサイクロンになるわね。まあ、気を付けてやんなさい」
(ケントって本当に馬鹿よね、魔法の創造って滅茶苦茶危険なのに、なんでヤバそうになってもそこから加減して維持したり消したりできるのよ。私でもそれができるようになるまで相当な年月頑張ったのよ。まったく。努力だっけ、スキルの力なのかケントの持って生まれた物かは分かんないけど······まあ、いっか)
アンラの言ってた通りに今回は砕かないで集める感じにするか。
だいたい五メートルくらいあれば一度に沢山の集められそうだしな。
「うっし! ホワーなんだったか······ホワールだ、ホワールウインド! デカいの!」
ちょっと集めた落ち葉のところにクルクル回るホワールウインドを出して大きくするために気合い入れていく、もう魔力じゃなくて気合いで良いよな。
気合い入れて、思っていたくらいにデカくなったところで集めてあった落ち葉なんかは風に絡め取られて舞い上がり、五メートルほどのホワールウインドの中でぐるぐる渦巻いてる。
「よし成功だ。んじゃ、お墓中を回っぞ! おら!」
箒でホワールウインドを押して移動させる。初めは動かなかったが箒にも風魔法っぽいの纏わせたら押せるようになった。
「いけんじゃねえか? おらっ! おらおらおらおら!」
俺は箒でホワールウインドを押しながらお墓を走り回る。
(なんなのよ! 確かに魔力は使ってるけど押す力は腕力じゃない! そんな魔法使いなんていないわよ! そもそも出してしまった魔法の動きは、放つ前に決めちゃうものなのよ! それをどや顔しながら教えて上げようとしたのに!)
良い感じに一時間くらい走り回って落ち葉は集め終わった。
よし、これは燃やして······。
「なあクロセル。この落ち葉持って帰れねえかな? こんだけあると燃やすの時間かかるだろ? それより村に持って帰って畑に撒いてもらえば良いんじゃねえかと思ってな」
『可能です。では収納しておきます。ちなみに墓石の汚れやコケなども一度に収納しておけますが、どうしますか?』
「マジかよ! なら頼むぞ、俺はその後に墓石を水拭きすりゃ良いだけだからな」
『では。収納!』
「おお! 良いじゃねえか! うっし! 水拭き開始だ!」
「ああ、でもあの数のグールだぞ? Bランクパーティーでなんとかさばける魔物の群れをソロで······ならあの小僧はAランク、いや、無傷で倒せるとなるとSランクというのか? あんな洗礼受けたてくらいの小僧がSランク? そんな情報は聞いた事もないって」
「おい、無駄口はそこまでにしな。行くぞ、領主様に報告しなければ」
(ふ~ん。ケントに教え······まあいっか、黙っておいた方が楽しそうだしね~)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ふい~、クロセル収納ありがとうな。お陰で戦いやすかったぜ」
『どういたしまして。それよりソラーレが落ちてますので踏まないように。では開放を終わりますね』
あっ、しまったな、どんな感じになってるか見てみたかったがまあ良いか。銀髪なのは髪の毛が滅茶苦茶伸びてたから見れたけど、目の色がなぁ青って言ってたし、その内見てみるか。
「おう。ソラーレ、ごめんな。次からは戦う前に言うからよ、ちゃんとくっついておけよ」
俺は足元でプルプルしているソラーレを拾い上げ、肩に乗せると扉の向こうからじっと見てくる司祭のおっさんに近づき声をかける。
「お待たせ、流石お墓だよな、グールが出るなんてよ。村じゃゴブリンしか見かけなかったが、やっぱりデカいお墓があると出てくる魔物も違うな」
「い、いえ、このリチウムでもグールが出たのは始めてです。少し街からは離れてますが、そこにグールの巣があると言われてますので、そこから迷い込んだとしか」
「おお、そんな森があんのか。でもEランクに森の依頼って無かったよな? まあ早いとこランク上げてしまえば良いか」
「しかし、流石クルト司祭の育てた子ですね。魔物も全て倒されましたし、幸いお参りに来ていた方もいない様子ですから。では、掃除をお願いできますか?」
「おう。任せときな」
俺は持ってきた掃除用具の中から箒を手に取り真ん中の通りから落ち葉なんかを集めていく。
「ねえケント、いっそのことこの木を全部切っちゃえば良いんじゃない? ここって街の外壁の外よね? こんな林を残しておくから魔物が来るんじゃないの?」
「おう。そうかもしんねえがよ、街中にあるよりこんな木に囲まれてる方が死んだ奴らも気分が良いからじゃねえか? ってか広いな、風魔法の練習もかねてやってみっか」
「ああ、あれね、村で何本か木を倒しちゃった奴。ホワールウインドでなぜウインドカッターが混ざるのか分かんないけど、あれはつむじ風のイメージよ、落ち葉を巻き込んでクルクル回ってる感じにね」
ああ、あれはクルクル回る落ち葉を細かくできるようにできたら、魔物相手の攻撃に使えっかなと思ってやっちまったものだ。
一つ前に教えてもらったウインドカッターも混ぜてしまったんだよな。
「それはまだ教えてないけど中位風魔法のトルネードに近い魔法ね。そこに雷魔法を混ぜられたならサイクロンになるわね。まあ、気を付けてやんなさい」
(ケントって本当に馬鹿よね、魔法の創造って滅茶苦茶危険なのに、なんでヤバそうになってもそこから加減して維持したり消したりできるのよ。私でもそれができるようになるまで相当な年月頑張ったのよ。まったく。努力だっけ、スキルの力なのかケントの持って生まれた物かは分かんないけど······まあ、いっか)
アンラの言ってた通りに今回は砕かないで集める感じにするか。
だいたい五メートルくらいあれば一度に沢山の集められそうだしな。
「うっし! ホワーなんだったか······ホワールだ、ホワールウインド! デカいの!」
ちょっと集めた落ち葉のところにクルクル回るホワールウインドを出して大きくするために気合い入れていく、もう魔力じゃなくて気合いで良いよな。
気合い入れて、思っていたくらいにデカくなったところで集めてあった落ち葉なんかは風に絡め取られて舞い上がり、五メートルほどのホワールウインドの中でぐるぐる渦巻いてる。
「よし成功だ。んじゃ、お墓中を回っぞ! おら!」
箒でホワールウインドを押して移動させる。初めは動かなかったが箒にも風魔法っぽいの纏わせたら押せるようになった。
「いけんじゃねえか? おらっ! おらおらおらおら!」
俺は箒でホワールウインドを押しながらお墓を走り回る。
(なんなのよ! 確かに魔力は使ってるけど押す力は腕力じゃない! そんな魔法使いなんていないわよ! そもそも出してしまった魔法の動きは、放つ前に決めちゃうものなのよ! それをどや顔しながら教えて上げようとしたのに!)
良い感じに一時間くらい走り回って落ち葉は集め終わった。
よし、これは燃やして······。
「なあクロセル。この落ち葉持って帰れねえかな? こんだけあると燃やすの時間かかるだろ? それより村に持って帰って畑に撒いてもらえば良いんじゃねえかと思ってな」
『可能です。では収納しておきます。ちなみに墓石の汚れやコケなども一度に収納しておけますが、どうしますか?』
「マジかよ! なら頼むぞ、俺はその後に墓石を水拭きすりゃ良いだけだからな」
『では。収納!』
「おお! 良いじゃねえか! うっし! 水拭き開始だ!」
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