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第一章
第61話 美味そうな菓子
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向かいの部屋からプリムだけを連れ、メイドと兵士達についていく。
いくつもの曲がり角を折れて、徒競走ができそうなくらいの通路を歩き、やっとの事で突き当たりのデカい両開きの扉前に到着した。
扉の前に銀色の鎧を装備して、手には槍を持ち、腰には剣を装備した騎士って感じの二人が立っている。
俺達は止まり、メイドが一歩前に出ると騎士は見ずに扉に向かって声をかける。
「ケント殿、プリム殿をお連れしました」
『……入れ!』
扉の向こうから聞き覚えの無い、短く怒気をはらんだ声が聞こえてきた。
なんだ? なんか怒ってるみたいな声だな。
(なんだろうね~、でも一つ言えるのは、この扉の向こうにレイスがいるよ、さっきの蜘蛛くらいの奴が)
マジかよ! 王様とかいるんじゃねえのか? そんなとこにいるって駄目だろ!?
だが、アンラの言う通りだな……まだ完全には回復してないんで、封印せずに覚醒したままだから、気配を意識してみると感じられるし……。
とりあえず中は騒いでねえな、中に入ってヤバいかどうか、確かめてからだ。
(ほいほ~い、細かいレイスもいるし、残らず浄化はやっちゃうんでしょ?)
ああ、そのつもりだ。っと、扉が開くぞ。
返事をもらったメイドは、扉を守るように立っていた騎士の二人に向かって交互に目を向けて、小さく頷くメイド。
騎士の二人も小さく頷き、大扉側にカチャリと音を立て向きを変えて、手を添えると音もなく押し開かれる大扉。
通路を照らす魔法の光が暗く感じるほど、光が扉の隙間から漏れだし通路に漏れだした。
中はすげえ明るいんだな。
(そうね~、あっ、ほらほらあの偉そうに立ってる奴に取りついてるわよ、ん~、さっきの蜘蛛より少し上位になりそうね、形はまだ取ってないから何かまでは分かんないけど)
そのようだな、王様とギルマス……の服装を見ると今は公爵様みてえだ。
貴族っぽい服を着てっしよ、ちと言葉遣いは気を付けねえとな。
偉そうに立ってる奴の少し上を睨みながらメイドについて進み、開いた大扉から中に入った。
大きな丸いテーブルに座っているのは二人だが、空いてる席も二つある。
(あっ、お菓子があるわよ、分からないように一つもらっちゃおっと)
『アンラ! 少しはじっと――』
クロセルの止めようとした念話も間に合わず、アンラはメイドを追い抜き俺達が座るだろう席にあった、皿に入れられたお菓子を摘まんで口に放り込んでしまった。
あの馬鹿が……ん?
アンラはモグモグと口を動かしながら首を傾げている。
(ん~、なんでお菓子に毒なんか使ってるんだろ、砂糖と間違ったのかな? まあ美味しいから良いけどね~、もう一ついただきま~す♪ はぐっ)
今度は違う皿からお菓子を摘まんで口に放り込んだ。
は? 毒だと? いや、王様が食べたりするもんだ、お菓子に入れたら毒にならないんだな。
『お菓子に使うようなそんな毒はありません! アンラ、あなたは大丈夫なのですか!?』
次はぐるっとテーブルを回り込んで王様と公爵様の間に入り、二人の前の皿からお菓子を摘まんでいる。
(ん? はぐっ♪ 毒なんて効くわけないじゃん、私は悪魔よ? まあケント達は食べたら危ないかもね、それに王様とギルマスのにも入ってるから教えてあげてね)
マジかよ……。
「王様に公爵様、待たせたな、まず先に言っておきてえんだが、お菓子に毒が入ってるぜ、食べるんじゃねえぞ」
『ケント……言葉遣い……』
あっ! やっちまった!
俺の横で、俺を見上げながらアワアワとしてるプリム、俺が喋りだして驚き振り向いたメイド、それから背後でガチャリと鎧の音を立てる、大扉を閉めようとしていた騎士に、通路で待機してる兵士からも驚いたような気配が感じられた。
そして、立ってる奴は驚きの顔をしてから怒りがにじみ出るような顔に変わり、俺を睨んできた。
(ねえねえ、ソイツが毒を盛ったんじゃない? 食べさせれば分かるよ)
それ……よし、危なかったら毒消しの魔法頼むぜ。
『あなた達それはいくらなんでも怒られますよ!』
クロセルが怒るのも分かるけどよ、あまりにも慌てすぎだろコイツ。
「小僧キサマ! 何て事を言う! 王へお出しする食べ物に毒だと! そんな物入っている訳など無い! 無礼だぞ!」
つばを飛ばしながら俺を指差し怒鳴ってくるが、それよりモヤモヤが少し濃くなったのが気になる。
「だがよ、入ってる物はしかたねえじゃねえか、なあ?」
俺は王様と公爵様に話を持っていく。
二人は皿の上のお菓子に目を落とした後俺を見た。
「ケント……本当にか?」
「ああ、美味そうなのにもったいねえよな」
王様の問いに頷きながら止まってしまったメイドを追い抜きテーブルに到着して、お菓子を一つ摘まんだ。
「まだ言うか小僧! おい! お前達この小僧を捕らえて地下牢へ放り込んでおけ! すぐにだほごっ!」
狙いは偉そうに立ってる奴が叫んで口を開けた瞬間、お菓子を投げて口の中に放り込んでやった。
「ふがっ! おえっ、プッ! ペッ! 何をする! 毒入りの菓子を放り込むなど不敬罪だ! 死んでしまうだろが! クホッ! 口が痺れてきたろ! ど、毒消ひは確かここにっ………………あ」
おいおい、当たりかよ……まあ自分で白状した感じになったから作戦成功だな。
いくつもの曲がり角を折れて、徒競走ができそうなくらいの通路を歩き、やっとの事で突き当たりのデカい両開きの扉前に到着した。
扉の前に銀色の鎧を装備して、手には槍を持ち、腰には剣を装備した騎士って感じの二人が立っている。
俺達は止まり、メイドが一歩前に出ると騎士は見ずに扉に向かって声をかける。
「ケント殿、プリム殿をお連れしました」
『……入れ!』
扉の向こうから聞き覚えの無い、短く怒気をはらんだ声が聞こえてきた。
なんだ? なんか怒ってるみたいな声だな。
(なんだろうね~、でも一つ言えるのは、この扉の向こうにレイスがいるよ、さっきの蜘蛛くらいの奴が)
マジかよ! 王様とかいるんじゃねえのか? そんなとこにいるって駄目だろ!?
だが、アンラの言う通りだな……まだ完全には回復してないんで、封印せずに覚醒したままだから、気配を意識してみると感じられるし……。
とりあえず中は騒いでねえな、中に入ってヤバいかどうか、確かめてからだ。
(ほいほ~い、細かいレイスもいるし、残らず浄化はやっちゃうんでしょ?)
ああ、そのつもりだ。っと、扉が開くぞ。
返事をもらったメイドは、扉を守るように立っていた騎士の二人に向かって交互に目を向けて、小さく頷くメイド。
騎士の二人も小さく頷き、大扉側にカチャリと音を立て向きを変えて、手を添えると音もなく押し開かれる大扉。
通路を照らす魔法の光が暗く感じるほど、光が扉の隙間から漏れだし通路に漏れだした。
中はすげえ明るいんだな。
(そうね~、あっ、ほらほらあの偉そうに立ってる奴に取りついてるわよ、ん~、さっきの蜘蛛より少し上位になりそうね、形はまだ取ってないから何かまでは分かんないけど)
そのようだな、王様とギルマス……の服装を見ると今は公爵様みてえだ。
貴族っぽい服を着てっしよ、ちと言葉遣いは気を付けねえとな。
偉そうに立ってる奴の少し上を睨みながらメイドについて進み、開いた大扉から中に入った。
大きな丸いテーブルに座っているのは二人だが、空いてる席も二つある。
(あっ、お菓子があるわよ、分からないように一つもらっちゃおっと)
『アンラ! 少しはじっと――』
クロセルの止めようとした念話も間に合わず、アンラはメイドを追い抜き俺達が座るだろう席にあった、皿に入れられたお菓子を摘まんで口に放り込んでしまった。
あの馬鹿が……ん?
アンラはモグモグと口を動かしながら首を傾げている。
(ん~、なんでお菓子に毒なんか使ってるんだろ、砂糖と間違ったのかな? まあ美味しいから良いけどね~、もう一ついただきま~す♪ はぐっ)
今度は違う皿からお菓子を摘まんで口に放り込んだ。
は? 毒だと? いや、王様が食べたりするもんだ、お菓子に入れたら毒にならないんだな。
『お菓子に使うようなそんな毒はありません! アンラ、あなたは大丈夫なのですか!?』
次はぐるっとテーブルを回り込んで王様と公爵様の間に入り、二人の前の皿からお菓子を摘まんでいる。
(ん? はぐっ♪ 毒なんて効くわけないじゃん、私は悪魔よ? まあケント達は食べたら危ないかもね、それに王様とギルマスのにも入ってるから教えてあげてね)
マジかよ……。
「王様に公爵様、待たせたな、まず先に言っておきてえんだが、お菓子に毒が入ってるぜ、食べるんじゃねえぞ」
『ケント……言葉遣い……』
あっ! やっちまった!
俺の横で、俺を見上げながらアワアワとしてるプリム、俺が喋りだして驚き振り向いたメイド、それから背後でガチャリと鎧の音を立てる、大扉を閉めようとしていた騎士に、通路で待機してる兵士からも驚いたような気配が感じられた。
そして、立ってる奴は驚きの顔をしてから怒りがにじみ出るような顔に変わり、俺を睨んできた。
(ねえねえ、ソイツが毒を盛ったんじゃない? 食べさせれば分かるよ)
それ……よし、危なかったら毒消しの魔法頼むぜ。
『あなた達それはいくらなんでも怒られますよ!』
クロセルが怒るのも分かるけどよ、あまりにも慌てすぎだろコイツ。
「小僧キサマ! 何て事を言う! 王へお出しする食べ物に毒だと! そんな物入っている訳など無い! 無礼だぞ!」
つばを飛ばしながら俺を指差し怒鳴ってくるが、それよりモヤモヤが少し濃くなったのが気になる。
「だがよ、入ってる物はしかたねえじゃねえか、なあ?」
俺は王様と公爵様に話を持っていく。
二人は皿の上のお菓子に目を落とした後俺を見た。
「ケント……本当にか?」
「ああ、美味そうなのにもったいねえよな」
王様の問いに頷きながら止まってしまったメイドを追い抜きテーブルに到着して、お菓子を一つ摘まんだ。
「まだ言うか小僧! おい! お前達この小僧を捕らえて地下牢へ放り込んでおけ! すぐにだほごっ!」
狙いは偉そうに立ってる奴が叫んで口を開けた瞬間、お菓子を投げて口の中に放り込んでやった。
「ふがっ! おえっ、プッ! ペッ! 何をする! 毒入りの菓子を放り込むなど不敬罪だ! 死んでしまうだろが! クホッ! 口が痺れてきたろ! ど、毒消ひは確かここにっ………………あ」
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