俺は神剣に選ばれ最強になる! 封印されてたツンデレ悪魔を引き連れ修行旅~ところで外れスキルの『努力』ってどういう事だよ!~【俺と悪魔】

いな@

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第一章

第106話 山頂の街

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「千匹だと! 副団長すぐに兵をリチウムに送る手配を! コバルトはリチウム戻り、冒険者に緊急依頼だ!」

「分かった! すぐに出立準備を済ませる、ケント達も参加してくれ!」

 シーンとなった執務室だが、少し間を置いて王様が叫ぶように副団長と公爵様に命じ、部屋を走り出ていきそうだったから、止めておく。

「待ってくれ! 魔物は倒してきたって言ったろ! だから倒しに行かなくても大丈夫だっての! 買い取りして欲しいって言っただろうが!」

 俺は走り出ようとしていた二人に向かって大きな声を出す。

 それを聞いて二人はつんのめるようにたたらを踏んで、なんとか止まり、顔だけこちらを向いた。

「聞き間違いじゃなければ……千匹を倒したのか? ケントにアンラ、それからクローセだったか、お前達だけで?」

「おう、このフルフルにも手伝ってもらったし、セシウム王国のアイツらに捕まっていたドリアードも魔物が逃げねえように手伝ってもらったがな」

 またアンラの酒を飲む音だけが部屋に響き、扉に向かって傾いていた体をゆっくりと戻して向きを変え俺を見てくる公爵様に副団長。
 ソファーから立ち上が扉を指差していた王様は、伸ばしていた手を落としてももに当たり、パサッと音を立てた。

「ったく、ちゃんと聞いてくれよな、慌てすぎだぜ。でよ、王都の冒険者ギルドで引き取ってくれんのか?」

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「ぬふふふふふ♪ そっかぁ~ケントにはいつも樽で買ってもらってたから瓶入りのは見てなかったしね~、そうだ、王都の酒屋を全部まわりましょうよ」

 執務室にあった酒と同じ物をありったけ買い込んだ店からご機嫌に出るアンラと俺だが、いくらなんでも全部まわるなんて事はしねえ。

 とりあえず王様に返す分は俺がお預り、お城に帰る事にする。

 あの後魔物は城で買い取ってもらえる事になり、収納魔法の付いた鞄に移してきたんだが、入りきらず、一番多いゴブリンは引き取れないと言われ、魔石だけ引き取ってもらった。

 まあ、ソラーレのご飯になるから構わねえか。

「樽も結構買っただろ? また違う街で良いのがあれば買えば良いんだよ、ってか早く馬車に戻らねえと馬が可哀想なんだからな、早く行くぞ」

 王城戻り、ダンジョン前に戻っていた副団長に王様に返す酒を渡し、フルフルに乗って馬車を置いた場所に戻って来た。

「一晩放っておいて悪かったな、お前の飯が終わって少ししたら峠を上るからな」

 魔物の調査依頼は公爵様に完了のサインをもらったから、山頂の街で報酬をもらうつもりだ。

 それに手紙を届ける依頼の事もあるから早いとこ行かねえと駄目からな。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「身分証を見せて下さい」

 背の高い木と石で造られた壁に囲まれている、峠の山頂にある街に到着した。

「おう、俺のはこれで、アンラ、お前も出せよ」

「はいは~い、私のこれね~」

 御者台に二人とも座っていたからギルドカードの確認はすぐに終わり、荷台を見られたが、空の木箱が並んでいるだけだから、時間はかからずすぐに審査も終わり街に入ることができた。

「よし、通って良いぞ」

「お疲れ様、冒険者ギルドはどこにあるんだ?」

 ギルドの場所を聞き、馬車を進める。

 この街のギルドは街の真ん中と、二つの門近くに出張所があるらしい。

 とりあえず俺達は街の真ん中を目指し、大通りを進んだ。

 街に入った途端、アンラは手に持っていた酒を収納して、キョロキョロとまわりを見始める。

 ってか俺にも見えてるんだが、モヤモヤの数がめちゃくちゃ多い。

「なぁアンラ、多くねえか?」

「そうね、峠の途中ってほとんど見なかったんだけど、ここに集まってるのかも? お城よりマシだけどね」

「そうだよな、なんか集まりやすい条件とかあんのか?」

『この山頂に魔力の湧いているところがあるようですね、集まるはずの魔物はドリアードによってあそこに集められてしまったので、近くには少数魔物の気配しかありませんし、この程度のレイスなら気にすることはないですよ』

 なるほどな、と思っていても、目の前をフヨフヨと通りすぎて行くんは目障りだっての。

 アンラはひょいひょいっと手を伸ばし、捕まえては握り潰して浄化してっけど、コイツらが見えない街の人からしたら、変な躍りでもしてんのかと思われてるだろうな。

 大通りを進む俺達に視線が集まってるしよ。

「アンラ、今は姿が見えてるんだろ? 変な目で見られてんぞ」

「ん~それは良いんだけどさぁ~、後で山頂に登ってみない? クロセルの言ってる湧いてるところ見てみたいじゃん」

 捕まえたモヤモヤを引っ張り伸ばして器用に結んだりもしてるな。

 あっ、ソイツも結ぶんか……。

「ま、まあ良いけどよ、ギルドの後、宿を取ってからだぞ」

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 そしてギルドにより、宿を決め、山頂に向かう馬車も通れない細い道を登っているんだが、ギルドからずっとつけてくる奴らがいる。

 姿こそ見えねえように少し離れたところにいるんだが、気配は俺達と同じ速度でついてきてるんだよな。

 荒れた道を進み、所々にゴブリンかオークの気配も感じながら、道の先に階段が見えてきた。

「ねえねえ、いつまで放っとくの? 眠らせちゃおうか?」

「それが楽なんだけどよ、さすがに魔物もポツポツいる山ん中に寝かせて置いとく訳にはいかねえだろ? まあ、手を出してきてらその時は頼むよ」

「は~い」

(ちぇ~、せっかく魔力の出てくるところをケントと二人で見に来たのに邪魔するんだから……どうせなら早く襲いかかって来なさいよねまったく)

 階段を登りきり、頂上に辿り着くと、そこは平らに均されて、木が整えられて展望台のようになっていた。

 それの中央には俺の背ほどもある岩が円形に立ち並んでいて、何かを奉っているような雰囲気がある。

「へ~、あの真ん中から湧いているわね、景色も良いけどよこれは……」

「……すげえな、モヤモヤも、出てきてる魔力がデカいせいか近寄れないのかこの山頂にはいないぞ」

 来る途中はあんなにいたモヤモヤはいなかった。
 後ろから来ていた奴らが近付いて、下り階段だから見えないが、すぐそこに来ているみたいだ。

「ねえ……」

「……おう」

 中央の石柱の囲いの中に入った時、奴らは階段に隠していた体を現し、俺達に向かって突っ込んできた。
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