俺は神剣に選ばれ最強になる! 封印されてたツンデレ悪魔を引き連れ修行旅~ところで外れスキルの『努力』ってどういう事だよ!~【俺と悪魔】

いな@

文字の大きさ
116 / 149
第一章

第116話 護送隊と森の中

しおりを挟む
「なっ! で、ではあなた方がケント殿とアンラ嬢? です……か?」

 剣を抜こうと身構えていた二人は驚いてそんなことを聞いてくる。

 アンラは収納から五センチほど厚みのある木の板と芋を出して、俺のリュックから解体用のナイフを取り出し、皮を剥いて適当な大きさに切っていつの間にか焚き火にかけた鍋に水と一緒に入れていた。

 ま、まあ良いけどよ。

「そうだぞ、それに、人攫いもしてたランタンだし、捕まって王都に送られっとは思ってたからな」

「な、なるほ――」

「ケントー、オークの干し肉と~腸詰めをくれない? 後、塩とかもね~」

 言葉を遮りながらそんな事を……目の前にいる男達の事は完全に終わったことのように、葉物野菜も適当な大きさに切って、俺の方を向き、手を出してくる。

 遮られ、口をパクパクしている男達は一旦放っておいてクロセルに頼むと、言われた物を。

『はぁ~、アンラはまったく、緊張感がないですね。森の中にこちらに向かってくる者達がいると言うのに』

 なんて言いながらも出してくれたから、干し肉手渡し、残りは持ちきれそうにないから手渡しじゃなく、板の端に出しておいてやる。

「……マジかぁ」

 気配は探るようにしていたが気配はなく、ちと集中して遠くまで気配を探ると、五十……いや、もっとだ。

「なあ、あんたらの仲間って森の、この方向にもいるんか? たぶん五十人から七十ってところか」

「なっ! ……い、いや、それはない。まさかランタン伯爵を取り返しに? だがそんな事をしても、罪の証拠は早馬で王都に向かって、今頃は峠を超えているはずだ」

 森の中に誰かいると聞いて、バッとそちらを向く二人。
 自分達でも探っている素振りを見せるが感じられていないようだ。

 それより先に報せを走らせてると……だとすれば、身柄だけ取り返せても、身分はもうランタン本人がお城に行かなくても取り消しとかになるだろうな。

「じゃあ迎え撃つか。あんたらも、準備しておいた方がいいぞ、魔物じゃなくて、人だからただ突っ込んで来るだけじゃねえだろう」

 アンラに眠りヒュプノスをかけてもらうとしても、耐性の魔道具を持っている者も結構いるだろうしな。

「ほ、本当なのか? 夜の森をそんな大人数で移動していると、魔物が気付いて寄ってくるぞ? それに私にはそのような気配は感じられなかった」

「いや。この方向だ、距離は……一キロくらいだな。ここに来るのは早くて数時間、深夜にはならねえだろう。そうだ、迎え撃たなくても今から夜通し馬車を走らせれば追い付けないだろうな。どうすんだ?」

 森の一方向を指差し、向かってくる方向を教えて、戦わなくても良い方法も教えてやった。

「それが本当なら確かに……七十人か、私には方向を示されてもまったく気配は感じられないが、あの馬車狙いの盗賊団を捕まえた実績のあるケント殿がそう言ってるとなれば……」

「隊長。うちの斥候なら方向が分かればその距離なら感じられるはずです」

「うむ、すぐに確かめよ、どう動くかは、それからだ。一応出立の準備も進めよ、急げ!」

 隊長さんだったんか。
 二人とも構えていた体勢をやっと戻して、手も剣から外し、隊長さんは一緒に来ていた人に命令をして走らせた。

 まあ、そんなに焦らなくても時間はまだある。
 夜のため、馬車の速度は出ないが、相手は森の中を来るくらいだ。
 馬には乗ってないし、追いかけるために何時間も走ってられねえだろうしな。

「そうだ、捕まえておくからよ、馬車を寄越してくれっか? 七十人も連れて歩けねえからよ」

 そんな事を言っている間に、走り去った男はもう一人小柄な男を連れて戻ってきた。

「隊長! ケント殿の言う通りの方向から気配を感じ、やはりこちらに向かっている動きがあるそうです!」

「くっ、分かった。ご苦労だったな、だがもう少し働いてもらうぞ、すぐに夜営準備を止め、出立の準備を急げ! それから五人の、いや、十人はランタンへ戻り、七十人を詰め込める馬車を用意して、ここに戻るように手配しろ! 足の早い馬を使え!」

「「はっ!はっ!」」

 ちゃんと気配を感じられたようだな。
 また隊長から命令を受け、走り戻る男達に続いて、隊長も準備をするため戻ると言い走り去った。

「沸いてきたよ~。ねえ、この夜営地に出てきてから眠らせれば良いよね? 早く煮えないかなぁ~」

「くくっ。そうだな、煮えるまで、俺にも眠りヒュプノスを教えてくれねえか? いつもアンラに任せてばかりなのも気が引けるしよ」

 たまに鍋を木の匙で、底に焦げ付かないようにまぜながら、アンラに指導してもらう。

 まあ、相手がいないんで効いてるんかどうか分かんねえのがあれだが、試すのは気配の主が来てからって事にするか。

 ランタンを護送する準備が整ったようで、全員が馬車や馬に乗り込み、焚き火を篝火にして灯りを取り、先頭が進み出した。

 その時隊長が馬に乗り、近くに来て挨拶をして来た。

 ザッと馬から飛び降り、軽く頭を下げる。

「ケント殿、この度は近付く者達の事を教えていただきありがとうございます。気付くのが遅ければ、最悪こちらは全滅、そしてランタンを連れ去られるところでした」

「良いって、そんなのは当たり前の事だろ? 良い方法があるなら知らせた方が良いに決まってるからよ。この先は見通しも良い道で、最後はちと登らねえといけねえが、事故らねえようにな」

 隊長さんが隊列に戻り、街道に出て静かになった夜営地。
 俺達はスープとパンを食べながら、近付いてくるのを待つことにした。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました

まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。 その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。 理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。 ……笑えない。 人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。 だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!? 気づけば―― 記憶喪失の魔王の娘 迫害された獣人一家 古代魔法を使うエルフの美少女 天然ドジな女神 理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕! ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに…… 魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。 「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」 これは、追放された“地味なおっさん”が、 異種族たちとスローライフしながら、 世界を救ってしまう(予定)のお話である。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

処理中です...