君の手を掴みたい

あんず

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b-moon。

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ショウと呼ばれた男はソデに引っ込んだ。

そして直ぐに中性的なベースを下げた男と
肩を組んで出てきた。

ドラムスティックを振り上げると


「ショウ」

「ハヤ」

叫び声が上がった。


2人がステージの配置につく。


ショウがもう一度スティックを振り上げた。


嘘のように会場は静まり返る。






ギターを下げた男と華奢なヒトが

手を繋ぎステージに上がった。


男は

俺が今まで見てきた人間で一番と言えるくらいの

美人だった。

白のスキニーに黒い編み上げブーツ。

黒のタンクトップ。

色は白いがキレイな筋肉が見て取れる。

細い指に付けたゴツい指輪に
ジャラッと巻き付いたブレスレットにピアスも男の魅力を引き出している。

サラサラとした黒髪……

この世のモノかと疑うくらいの美人だ。






この男の左には『恋人繋ぎ』の華奢なヒト。





黒のショートパンツから白く細い脚が
惜しげも無く伸びている。

ゴツい黒の編み上げブーツがより脚を華奢に魅せる。


黒のタンクトップに白のノースリーブのロングシャツを羽織っている。

とにかく色白で華奢だ。

茶色い柔らかそうなウェーブの髪はポニーテールに纏められ、
黒いチョーカーが巻き付いた細い首が色っぽい。

丸い黒のサングラスは瞳を隠している。



目が離せない。




こんな気持ち

初めてだ……






キレイな男が口を開いた。

「b-moon     皆んな楽しんで」



男はスタンドマイクの前に立ち
ギターをかき鳴らす。

華奢なヒトはキーボードの前に座った。


途端に再び叫び声。


「イク」

「イク様」

「ミキ」

「ミキ姫」

「ショウ」

「ハヤ」


4人を求める会場の声。



演奏が始まる。







圧倒的。

イクがギターを弾きながら歌う声は

男の色香が全開のセクシーさ。

英語で歌う彼の声をしっかり聴きたいと思った。



ショウのドラムとハヤのベースの重低音が
腹の底を刺激する。

優しい口元でキーボードを弾くヒト。




乗りのいい曲が2曲続いたところで
ミキがグランドピアノに座った。





「ミキ姫~」

「ミキ」


男も女も魅力的なあのヒトを求める。






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