渇愛

質問タイムone。

「姫の留学が決まってんなら仕方ないよなぁ？

こんな時期に事件に巻き込まれたんだから少しは淋しい思いもしなくちゃだな。」


「ミキちゃん準備進んでるの？

いつだったっけ？」



「えっと９月が新学期だけどその前にプレスクール入る予定かな。」




凪さんと空センパイはミキちゃんの留学を
知っていたようだ……。

イクも知ってるのかな…………？

















「姫～聞いてもいいか？」


「ん？
僕で分かることならいいよ、凪くん。」



「えっと     ごちそうさまでした！

で…………支払いどうすればいい？」



そうだお金。

陸空センパイのお父さんて有名なホテルで働いてるって聞いた事がある…
そんな所の焼肉っていくらするんだろう？

お金……そんなに持ってない……





イクもいつもあんなに豪華な食事をしてるのかな？

なんか

住む世界が

違うのかな

…………


イクが遠くに感じた















「えっ？いらないよ？」


「「「「「「なんで？」」」」」」




いらないって？

一体いくらかかったのかミキちゃんはわかってるのかな？

それとも義弥さんが払うのかな？








ミキちゃんはノブの胡座の上にちょこんと座って恥ずかしそうにノブと何か話している。



ミキちゃんはノブを見て優しく微笑んだ。




二人を見てると本当にミキちゃんとイクは
叔父と甥の関係なのかも…………




ワケの分からない色んな感情がグルグルと
オレの中で渦を巻いていた。








「あのね今日はみんなに来てもらいたかったからお金はいらないよ？

美味しく食べてもらえたならそれで嬉しいよ。」



「いいのか？」

凪さんがもう一度聞いた。


「うん。」

ミキちゃんはニッコリ笑った。

その言葉を聞いて

「ごちそうさま。」

「ミキちゃん美味しかった。ありがと。」

「姫ごちそうさま。」

「姫、いつもありがとうな。」

「ミキちゃん……ありがとう。」

みんなでお礼を言った。





「美月、ありがとう。」


最後にノブが呟いた……