ぼくの好きなモノ

あんず

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発表。

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ぼくはT大学の推薦をもらい受験した。





ネットで合格発表は見られるけど
ぼくは我儘を言って
やよいさんに一緒に大学に来てもらった。


バイト先のコンビニ
病院
学校


以外でやよいさんに
会うのは初めてだった。




赤い車の助手席は
とても嬉しいはずなのに
緊張し過ぎて落ち着かなかった。







9時
合格発表のボードから覆われていた紙が外されて
番号が露わになる。



「おめでとう。頑張ったね。」とやよいさんは背伸びをして、ぼくの髪に指を絡め何度も何度も撫でてくれた。

長い睫毛の大きな瞳は潤んで今にも零れ落ちそうだった。








「報告に行かなくていいの?」とやよいさんが呟いた。

「お願いします。」と行き先を告げた。





助手席にぼくを乗せて
赤い車は滑り出した。





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