聖夜の贈り物

あんず

文字の大きさ
11 / 11

聖夜の贈り物。

しおりを挟む




バックバンドが退場して

ルナに促された青年たちがステージに上がり楽器を手にした。





「ルナ     &     4'S plusです!

もう少し楽しんでね!」






ルナの声で演奏が始まった。


綺麗な男の子がギターを弾きながらルナの声にハモらせる。


ルナと色違いの服を着た黒髪の美少女がルナと手を繋ぎパフォーマンスを繰り広げる。






初めてのステージだとは誰も思わなかっただろう……。


圧倒的な存在感が彼等にはあった。













30分程の演奏を終えて

全員でお辞儀をした。


そしてルナがマイクを持った。






「今日はルナのライブに遊びに来てくれて本当にありがとう。


少しでも楽しんでもらえたら僕らは幸せです。






この場を借りてこの会場にいる僕の大切なヒトにメッセージを伝えさせて下さい。」





「「「伝えて~」」」

「「いぃぞぉ」」


観客が答える。




「ありがとうみんな……」


ルナが俯いて震えてる……。

シノがそっとルナを後ろから抱き締めた。


「「「ルナ頑張れ!!」」」


観客がルナを押す……。




「僕には……19歳年上の姉さんがいます。

でも僕は彼女に会ったことはありません。




僕は母さんの命と引き換えに産まれました。

母さんは未婚だったから……僕は施設に行くところを今の父さんが引き取って育ててくれました。


父さんにもミナにも感謝してます。


そして姉さんのコトを正直に話してくれて本当に嬉しいです。










偶然……ホント偶然にシノが姉さんと知り合ったんだ。


シノが姉さんを見つけてくれたんだ……。








姉さん、貴女は決して一人じゃないです。




貴女には僕の他に……もう一人家族がいます。


腹違いの弟がいます。





だから…………安心して……今の家族と



幸せになってくだ…………さい…」





ルナは泣き崩れシノに抱えられた。






「ほんと皆んなありがとう!

また近いうちに遊びに来てね!!」



大歓声が上がりステージのライトが落とされた。














……今の何……


ルナは何を言ってるの?





誰の話し?













『決して名乗り合わない』




弁護士さんとの約束……。


だからルナは名乗らない。








ルナが16年忘れる事のなかった弟……。


嬉しくて


嬉しくて


神様は何て素敵な贈り物をくれたのだろう……






こんな幸せな

聖夜の贈り物は初めてで…………




今夜は

ゆっくりと『ルナ』を楽しもうと思った。





















ママ……

ルナを産んでくれて




ありがとう。
















しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

同居人の距離感がなんかおかしい

さくら優
BL
ひょんなことから会社の同期の家に居候することになった昂輝。でも待って!こいつなんか、距離感がおかしい!

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

人並みに嫉妬くらいします

米奏よぞら
BL
流されやすい攻め×激重受け 高校時代に学校一のモテ男から告白されて付き合ったはいいものの、交際四年目に彼の束縛の強さに我慢の限界がきてしまった主人公のお話です。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

敵国の将軍×見捨てられた王子

モカ
BL
敵国の将軍×見捨てられた王子

処理中です...