初恋

あんず

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告白。

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ミナの所に向かおうと席を立った時

女子に肩を掴まれた。

触らないで欲しい。

この手はミナじゃない。



同じクラスの女の子。

名前は……知らない。




俺の興味のある女の子は

『なっちゃん』だけだ。

他は興味ない。




「何?」


「あのっ
楠木くんと話ししたいんだけど
そのっ
ここじゃない所で……」


何の話しでもどうせ直ぐ終わる。
ココでいいじゃん?て思ったけど

言わない。



「少しなら。」

俺はミナのコトを考えながら
女子の後について行った。




コの字型の校舎の中庭。

昼休みは生徒たちのおしゃべりの場となっているが

明日から夏休みの今日は誰もいない。





女の子が3人。
……何で3人?




「あの…楠木くん。

好きです。

付き合って下さい。」

同じクラスの女子が言った。


そしたら

「「私もっ」」


彼女たちは真っ赤な顔をしていた。





俺もミナを見る時はあんなかな?

自分が言われているのに

どこか冷めた目で彼女たちを見ていた。



「あのっ……」


可哀想なくらいだ。










「「クス~っ」」

「ヨシ?」

二階の廊下から

翔先輩と吉岡が手を振ってきた。

ミナも一緒にいる。



俺が見上げると

「義弥、遅いよ」

ミナがこれでもかってくらいの笑顔で声を
降らせた。


俺はつられて笑顔になる。

「今行く」





彼女たちは

不思議そうに俺を見ていた。





「楠木くんの笑った顔……」

「「「初めて見た」」」






そうだっけ?





「義弥」

ミナがまた呼ぶ。




「ありがとう。嬉しかったよ?

でも俺、スゴく大切なヒトいるから。

そのヒト以外愛せないから。

ごめんね。」




俺はミナ達のもとに向かった。









「帰ろう    ヨシ?」

「うん」


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