君色

あんず

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いちごミルク。

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「姫、インターホン鳴った……」


階段を降りていくと信夫が声をかけてきた。

でも何か……固まった?




もう一度“ピンポン”




「はぁい」




僕は扉を開けた。





「こんばんは。

ホテルMITSUKI.ダイニング櫻の青山です。

お夕食の準備に参りました。」



「青山さん、清水さんこんばんは。

いつもありがとうございます。

今日は和室の方にお願いできますか?」



「美月様、準備始めてよろしいですか?」



「うん。お願いします。

父さんとミナ君のはいつもみたいにして冷蔵庫に入れてもらっていいですか?」



「了解です。では、失礼します。」




横を見ると今度はくうちゃんが固まっている。


青山さんたちは『焼き肉』の準備をしにリビングから続き間の和室に向かった……。



「親父?!」



リビングから大きな声がした。


固まってたくうちゃんと信夫の手を引いて
リビングに入った。




「陸くんどうしたの?」

「姫……親父……がいる。」

「ん?」


青山さんが申し訳なさそうに僕を見た。


「美月様、あのウチの愚息がお世話になっております。」

そう言って頭を深々と下げた……。


「陸くんとくうちゃんて青山さんの息子さん?」


「はい……。仲良くしていただいて……
スミマセン。」

青山さんは中々頭を上げない…。


「青山さん、頭を上げて下さい。

僕、くうちゃんと陸くんにスゴく良くしてもらってます。

こちらこそ、ありがとうございます。」


僕はペコリと頭を下げた。



「あぁ   美月様、頭を上げて下さい。
私にそんな事されてはいけません。」




「じゃあ青山さん、清水さん

僕、お腹空いちゃいました。

準備お願いします。」



僕はくうちゃんの手を引き

「くうちゃん、いちごミルク飲もう?」



「くう?」

「「「そら?」」」

「空センパイ?」


皆んなが一斉にくうちゃんを見た。






くうちゃんは真っ赤になった……。

「ミキちゃん……キッチン行こ……」

ものすごく小さい声で呟いた。







シンとなったリビング。



「皆んなどうしたの?」








「姫、焼き肉って陸の父さんのトコの?」


「うん。凪くん、嫌いだった?」


「イヤ。むしろ好きかも。」


「じゃっ良かった。 

 青山さんの焼き肉美味しいよねぇ?」


「うん……。」








僕はくうちゃんとミキサーを取り出した。


「くうちゃん、グラス出して?」

「うん。いつもの?」

「ん。」


僕はフローズンストロベリー、ミルク、ハチミツをミキサーにかけた。



ダイニングテーブルについて
いちごの絵が書かれたグラスに
いちごミルクを注いだ。





「くうちゃん飲もっ。」




二人でストローを咥えて
ピンク色のいちごミルクを飲んだ。






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