熊と人と 兎にも角にも俺の番がエロ可愛い

栗鼠

文字の大きさ
26 / 59

ボリスside 春の最中①

しおりを挟む


リオを抱きしめながらひと眠りして起きたら、ごっそり持っていかれてた魔力が全回復してた。
…すげぇ高速充填だな?なんだ?膝の古傷の違和感も消えてる。
唯一と番うって…こう言うことなのか?


…流石に愚息も満足した様で大人しくしているな?……髭がだいぶ伸びてる。風呂に入った時にリオが「おひげ」って言うから…剃ってない。

ガラが悪いんだよ俺が髭伸ばすと。それじゃなくても厳ついのに…髭はなし。
でもリオがもしゃもしゃって触ったから…明後日仕事行く前に剃ればいいだろ。…本当なら深夜だったが発情期が終わったから朝になれば出勤出来たんだが最長で休む事にした。

ずる休みじゃない…当然の権利だ。獣人にとって雌の発情期は重要なんだ。その上、初めての発情期だ…なるべく不安は取り除きたい。

リオが自分の腸の音で目を覚ました。
……まだ朝の6時。

「おなか ごぼごぼ いってる」
「痛いか?」
「いたくない …あったかい」
「わかるか?爪の先まで俺の魔力でキラキラしてる。」
「ん。」
「もう少し目を閉じていろ。」
「ん。」

リオは頭はスッキリしてるみたいだが、身体はまだ動かない。こんな番を置いて仕事なんかに行けない。元々の体力がないから眠りも浅いし細切れにしか眠れない、だから回復にも時間がかかる。

……寝てても手で俺がいる事を確かめるみたいに探すから…家の中だが…スリングに入れる。

それにしても…あの2人は当たりだな。
給料の見直しをしないといけない。
山羊はトラブルの対応が早い。羊は飯が美味いし、庭の管理と言うか草木に好かれている。あの雑然としていた庭が素朴ないい感じの庭になった。

「とても素敵なお庭です。柔らかくて自然で。
私はほんの少しお手伝いしただけです。」

毛玉用にサロンを片付けた時、産後なのにコンサバトリーも手入れしてくれた。
小道で囲われた小さなガゼボの外側に草木が植えられた、そんなに大きくコンサバトリーだ。
…水を与えてもシオシオくったりしてたんだ。

「あらあらステキ。お待たせしました。」

とか言って大胆に枝を落としてたかと思ったら息をふきかえした。 

「少し水が多かっただけです。私、片付けは出来るんですけど掃除は苦手で、この排水溝掃除していただけますか?水捌けが良くなれば、もう大丈夫。株分したら次の冬にはお部屋に飾れますよ」と明け透けに言ってくるところもわかりやすくていい。
待ってました!って勢いで蕾をつけて…咲いたのは、濃いピンクだったはずの……白い花。

「愛されていると自信があるのね?幸せな事。」
羊もリオと同じような事を言った。

…腹が減った。

俺は燃費が悪い。食っても食っても腹が減る。それを見越してなのかフードケースにはいつも手軽に食えるサンドイッチが入っているし、朝からきちんとした飯が出てくる。

朝から焼きたてのデニッシュとか、フライパンで焼いて作る平たいパンに燻製肉とポーチドエッグとか…キッシュとか。

あ。駄目だ。…何か食う。
フードケースの中に有るのは…キャベツのサンドイッチ。初めて見た時には、マジか流石草食!って思ったんだが…コレが美味いんだ。塩揉みしたキャベツに粒マスタードが絶妙なバランスで……美味っ。

ん?リオもお茶飲む?ひと口食う?…お茶ね。

日中はかなり暖かくなったから、後回しにしていた書類やりながらサロンで過ごした。
庭で雑草見つけるとポンポン跳ねながら食いに行って美味しいって…もぐもぐしてる毛玉見ながら。

……だから給与の見直しだ。
もちろん夜にリオの寝た後で山羊と話し合いだ。

「本当に助かってる。お前達の働きにあの報酬は見合わない。」

「まだ手探りの最中なので見直しは結構です。」

……間髪入れずに断られた…真面目だな?
それならもう少し適当でいいんだが?って言ったら…そう言う訳にはいかないらしい。山羊のプライドに障るんだろうな?かなりの完璧主義だもんな?

「1年。このままでお願いします。」

「結構丸投げで大変だろ?俺としては使用人の人数増やす気はないから無理してないかが重要なんだ。親が酪農やってたから家畜の羊は知ってる。毛玉は雑草食ってるが…大丈夫なのか?寝るところは家の中だけども。」

「仔山羊や仔羊はあんな感じです。毒性のない草ならなんでも食べます。…獣体の時は睡眠時間が3時間ほどなので…ベーベーベーベー鳴いて…煩いのに自由にさせていただき感謝しております。」

あぁ…あれは親でも煩く感じるんだ…。

「………お願いを聞いて頂けるなら番様の情報をください。人族の資料は持っておりますが…あの失敗を繰り返したくありません。差し障りの無い程度で構いません。」

…今までもその時その時で情報は共有していたんだが。

「誕生日は11月18日だ。本人は10月23日だと言っていたが、医務官に鑑定してもらったから、16なのは間違ない。
カレンダーを見て『毎月28日間?あれ?ニシムクサムライでおぼえたはずなのに』って言ってたから、リオが居た所と暦の数え方が違うのかもしれない。エルフや精霊は季節暦を使うだろ?それなら10月23日で間違いはない。」

「本当に成人はしていたんですね。」

まぁ…うん。見た目幼いよな?身体も小さいしな。

「懐妊の可能性は?私が見た所、変化は見当たりませんが熊の嗅覚ならわかりませんか?」

「孕んでないよ、その時は言う。山羊の目を信じろ俺は信頼してるぞ?後は?何が知りたい?」

「ご実家は…」

「…わからない。出会った時の状況から考えると転移の誤発動で飛ばされたんだ。リオは自分がどこにいたのか覚えてない。
可能性として西領かと思ったが、それにしては
当たり前の事を知らなさ過ぎるし、俺が今まで気づかなかったなんてオカシイだろ?」

「…国を越えての転移の誤作動……負担が大きそうですね…納得しました。唯一だとおっしゃっていたので何処ぞから攫ったのだと…思っておりました。」

「俺が見つけたなら攫ったよ…くだらねぇ躾をされる前に。」

「…でしょうね。」

「人族の考える事は…わからねぇ。ただ、あの外見だ。エルフを弄んでいる様な錯覚が堪らなかったんじゃないか?」

「…愚かですね。」

「…リオの寝言を聞いた事があるだろ…夢の中で誰かと話してるよな。…口調が違うだろ?」

「はい」

「あれはリオの自己防衛だと思うんだ。リオは真面目だから色々思い出したい。でも思い出すと辛い記憶も思い出す…本人は辛いって思ってないけどな?わからねぇけど…身につけた生活に役立つ知識だけを選り分けてるんじゃねぇかな?」

「……そうですね。」

「何処までいっても憶測の域を越えない。ただ…自己肯定感はゼロに等しい。かなり生活を制限されて私心を抑える訓練をしてきた。
大した事は…俺も知らないだろ?……俺は今のリオが笑ってりゃいい。」

「はい。決して口外は致しません。貴重な情報をありがとうございます。宜しくお願いいたします。」

「こちらこそ。宜しく頼む。」

ベッドルームに戻って眠るリオを見るたら、話し合いの最中に起きない様に睡眠をかけたはずなのに…俺の匂いのついたケットを丸めて抱きしめてた。

……妊娠か。発情期はきたが、まだまだ受け入れられる身体じゃねぇよ。

産まれた時から雄の欲望を満足させる為だけに作り上げられた身体。幼児趣味だったんだろ?薬で成長を止めたよな?…リオも無意識に成長しちゃいけないって拒んでる。まぁ…わかる事は背が伸びたりとかはないって事。

それでもだいぶ解けて…強張ったところは減ってきた。本当に笑ってたら …それでいい。


…2日間、微睡みの中で幸せそうにしているリオと穏やかに過ごした。


仕事に行く身支度を整えたら「おひげ ない」って手を伸ばしてきて…触る?

そしたら リオが手の甲で顎を撫であげ て
そのまま 首 胸元に……ちょっ!

「いってらっしゃい」

……くっっ!行きたくねぇ!

胸元の手を上から握りしめて触れるだけの口づけをして…。

「行ってきます!」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男同士で番だなんてあってたまるかよ

だいたい石田
BL
石堂徹は、大学の授業中に居眠りをしていた。目覚めたら見知らぬ場所で、隣に寝ていた男にキスをされる。茫然とする徹に男は告げる。「お前は俺の番だ。」と。 ――男同士で番だなんてあってたまるかよ!!! ※R描写がメインのお話となります。 この作品は、ムーンライト、ピクシブにて別HNにて投稿しています。 毎日21時に更新されます。8話で完結します。 2019年12月18日追記 カテゴリを「恋愛」から「BL」に変更いたしました。 カテゴリを間違えてすみませんでした。 ご指摘ありがとうございました。

オメガ転生。

BL
残業三昧でヘトヘトになりながらの帰宅途中。乗り合わせたバスがまさかのトンネル内の火災事故に遭ってしまう。 そして………… 気がつけば、男児の姿に… 双子の妹は、まさかの悪役令嬢?それって一家破滅フラグだよね! 破滅回避の奮闘劇の幕開けだ!!

ドジで惨殺されそうな悪役の僕、平穏と領地を守ろうとしたら暴虐だったはずの領主様に迫られている気がする……僕がいらないなら詰め寄らないでくれ!

迷路を跳ぶ狐
BL
いつもドジで、今日もお仕えする領主様に怒鳴られていた僕。自分が、ゲームの世界に悪役として転生していることに気づいた。このままだと、この領地は惨事が起こる。けれど、選択肢を間違えば、領地は助かっても王国が潰れる。そんな未来が怖くて動き出した僕だけど、すでに領地も王城も策略だらけ。その上、冷酷だったはずの領主様は、やけに僕との距離が近くて……僕は平穏が欲しいだけなのに! 僕のこと、いらないんじゃなかったの!? 惨劇が怖いので先に城を守りましょう!

隣人、イケメン俳優につき

タタミ
BL
イラストレーターの清永一太はある日、隣部屋の怒鳴り合いに気付く。清永が隣部屋を訪ねると、そこでは人気俳優の杉崎久遠が男に暴行されていて──?

【完結】ここで会ったが、十年目。

N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化) 我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。 (追記5/14 : お互いぶん回してますね。) Special thanks illustration by おのつく 様 X(旧Twitter) @__oc_t ※ご都合主義です。あしからず。 ※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。 ※◎は視点が変わります。

刺されて始まる恋もある

神山おが屑
BL
ストーカーに困るイケメン大学生城田雪人に恋人のフリを頼まれた大学生黒川月兎、そんな雪人とデートの振りして食事に行っていたらストーカーに刺されて病院送り罪悪感からか毎日お見舞いに来る雪人、罪悪感からか毎日大学でも心配してくる雪人、罪悪感からかやたら世話をしてくる雪人、まるで本当の恋人のような距離感に戸惑う月兎そんなふたりの刺されて始まる恋の話。

目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。 彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。 ……あ。 音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。 しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。 やばい、どうしよう。

公爵家の五男坊はあきらめない

三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。 生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。 冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。 負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。 「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」 都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。 知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。 生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。 あきらめたら待つのは死のみ。

処理中です...