うわさのRoll〜Remembering the days of Rape〜

冴木譲

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本編(前編)

148.落ち込むほど暇じゃないさ。

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 2005年3月7日

 またこの問題が起きてしまった。今日から未来も環も生理が始まった。絵里はいなくなり、玲美は金がかかる。比較的自由に抱ける女が見事にいなくなってしまった。

 トイレの個室で腰を振りながら考える。今この瞬間はなんとか詩乃が捕まったから満足だ。しかし、今週から期末テストが始まる。テスト期間とその直前は試験勉強を理由にいつも詩乃も相手をしてくれない。ということは試験が終わる3月15日頃までお預けということになる。そんなの死んでしまうではないか。

 なんだかいつもこんなことで悩んでいてやや情けないが、死活問題なのだから仕方ない。少なくとも明後日の教員合同研修は何が何でも詩乃に相手してもらうとして、そこから1週間、なんとか耐えるしかない。最悪、玲美に金を払うという手はあるが・・・これは最終手段だ。


 2005年3月12日

 教員合同研修の日は詩乃を抱きまくるつもりだったが、試験勉強を理由に結局断られた。おかげで今週はトイレで詩乃と1発やっただけ。溜まってるとかそういう次元じゃない。

 なので、アポ無しで詩乃の家に行くことにした。時刻は午前11時。家の前に到着し詩乃の部屋を見上げてみると、窓は閉まっているが、遮光カーテン越しにうっすらと人影は見える。おそらく、部屋にいるだろう。

 メールだと気づかれないかもしれないし、気づいた上で無視されるかもしれない。電話してみよう。一度コールしてみるも、出ない。懲りずにもう一度コールしてみると、着信に気付いたのか、諦めたのか、今度は出てくれた。


「・・・もしもし。」

「おっ詩乃、悪いな。勉強してた?」

「別に大丈夫だよ。どうしたの?」

「いま詩乃の家の前にいてさ。」

「・・・えっ?」


 カーテンが開き詩乃の姿が現れる。ものの数秒で目が合った。


「えっ、ちょっと、何してるの?」

「会いに来たんだよ。家入れて。」

「いきなり来られたら困るでしょう。」

「家に誰かいるの?」

「うん、いる。」

「そうか、ならチャイム鳴らして堂々とお邪魔しよう。」

「ちょっ、やめて、今そっち行くから。」


 詩乃は電話を切るとすぐさま踵を返し姿を消した。5分ほど待ったのち、玄関から姿を見せた詩乃はすぐさまこちらに駆け寄り、手を引く形で人気の無い小径へと誘導した。


「その様子だとほんとに家に家族いるんだな。」

「そうよ。それでなんの用なの?」

「ほんと、すっぴんでも綺麗な顔してるよな。」

「じろじろ見ないで。それで、何の用?」

「そりゃ会いたいから来たんだよ。」

「毎日学校で会ってるじゃない。」

「学校だとあんまり絡む時間もないだろ。」

「・・・私から言いたくもないけど、要するにエッチしたいんでしょ。」

「さすが賢いな~詩乃~!まさにそれよ。」

「はぁ・・・月曜日にしたでしょう。」

「今日、土曜日だぜ?何年前の話だって感じだろ。」

「たった5日程度でしょ!」

「5日も空くと数年分溜まるんだよ。」

「・・・そういうこと。前にも言ったけど、相手の気持ちを考えなさいよ。」

「試験期間中に押し掛けたのは悪いと思ってるよ。」

「そんなことじゃなくて・・・はぁ、もういいから。」

「詩乃、チャリ持ってるよな?」

「あるけど、何で?」

「持ってきて。俺が漕ぐから、2ケツで行こう。」

「えっ、出かけるの?」

「だって詩乃ん家、家族いるんだろ?」

「いるけど、わざわざどこ行くの?」

「ラブホに決まってんだろ。ここからチャリで30~40分くらいのところに安いホテルがあるんだよ。調べた。」

「・・・そこまでして、エッチするだけなんて嫌なんだけど。」

「どっか遊び行く?詩乃の勉強の邪魔になるかと思ったから遠慮したんだけど。」

「押し掛けてる時点で全く遠慮してないでしょ・・・。わかったから、待ってて。」


 再び待つこと約30分。自転車を手押しする格好の詩乃が現れた。


「放置されたままシカトされるかと思ったぜ。」

「ごめんね・・・ちょっと準備してたからさ。」

「あれ?メイクした?」

「軽くね・・・すっぴんで出歩けないでしょう。」

「よく言うぜ。そこらへんの女どもなんかばっちりメイクしてたって、詩乃ならすっぴんでも蹴散らせるだろ。」

「そんなことないって・・・。」

「謙遜するねぇ。ほら詩乃、後ろ乗って。」

「ん・・・。」

 2ケツで漕ぎ出す。男女で2ケツって高校時代の青春そのものだよなぁ、といつも思う。ホテルまでの道筋は頭に入れたつもりだが、この辺の地理はあまり詳しくない。まぁ、少しくらい道に迷ったっていいだろう。何せクラス1の美人との2ケツだ。


「軽いなぁ詩乃は。」

「そう?」

「未来は詩乃の倍くらい重いからさぁ、余計そう感じるのかも。」

「倍もあるわけないでしょう!」

「ははっ、そうか倍もあったら俺より重いもんな。」

「・・・もうすぐ、クラス替えだね。」

「あれ、もう2年のクラスって発表されたの?」

「まだだけど、期末テスト終わったら周知されるみたい。」

「そうなんだ。2年でも詩乃と同じクラスになれるかなぁ。」

「どうだろうね。」

「未来が別のクラスになったらさぁ、遠慮なくクラスでも話したりできるな。いまは未来の監視がめんどくせーし。」

「・・・彼女なんだから、当然でしょう。」

「むしろ、詩乃と未来が別のクラスになったら俺ら付き合っちゃうかぁ。」

「・・・心にもないこと言わないで。」

「そんなことないぜ?だって未来と同じグループでいる限り、俺ら付き合っちゃったら詩乃気まずいだろ。」

「別にそんなことないから。」

「なー詩乃、やっぱホテルの前にどっか遊びに行こうぜ。」

「・・・任せるよ。」

「未来とクラス別れたら毎日こんな感じかー。クラス替えどうなるかなー。」

「・・・傷つけるようなこと言わないで。」

「ん?ごめんよく聞こえなかった、何て言ったー?」

「・・・何でもない。とりあえずあなた、もっと共感力を持ちなさい。」

「あーよく言われる。2年生の目標だな。」
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