転生令嬢は冒険したい～ダンジョン目指してるのになぜか婚約破棄～

第一章

2 貴族 ト 環境

ワタクシ、誕生しましたわ！！


ごめん、ウソです。
正確には誕生してました。

気が付いたら３才になってた！

何となく、3年間の記憶はあるのよ？
でも朧気というか·····記憶が飛んじゃってるのよね。
きっと乳児の間は寝ている時間が長かったし、起きていても生きることに精一杯だったのでしょう。

乳母の顔や天蓋が吊られた天井のイメージがポツポツと記憶に残るくらい。
前世の小学生時代の方がよほど鮮明だわ。

そんな事より！！

驚くべきは自分の出生。
なんと貴族の家に生まれたらしい！

貴族よ？貴族！！
つまりこの世界には王様もいるらしいし、もちろん平民もいるっぽい。

まあ、さっきから乳母だの天蓋だの言ってるからそこそこお金持ちの家庭に生まれたのはわかってたんだけど、この家、公爵家らしい。

貴族家の中でも王家に近しい血筋の家柄で2~3代と空けずに王家に嫁入りしたり王族より降嫁されたりしてるみたい。
近年では私の祖父が先代の王弟にあたるとか。

そりゃね、3年も生きてれば言葉や環境は解ってきましたよ。

名前、セレスティア・ウォルフレーネ
性別、女
家、広い
使用人、いっぱい
権力、えらい
財力、お金持ち

３才の認識なんてこんなものですよ。
期待させた？ごめんね。


そして更に、転生ファンタジー王道の中世ヨーロッパ的な世界観とダンジョンとステータスの存在！！

キタコレ！
無双チートの始まりじゃない？！

·····って思った瞬間が私にもありました。

でも残念。
もう一度言おう。アイ・アム・貴族。

一応、わたしだって貴族の必要性くらい理解できるわ。
そういう社会で成り立っているのだから上位管理者としての貴族という役割は必要なのよ。


つまりどういう事かというと、ステータスが重要視されないようなのです。

筋力・魔力・敏捷・知力・魅力・運

主にこの6つが数値化されるらしいけど、肉体労働をしない貴族に筋力値や敏捷値は不要。
危険な場所に行くこともないので魔力も運も使わない。
結婚は政略結婚だし政策に口出ししない女の身では魅力も知力も必要ない。
つまりレベルという概念がありながらレベルを上げる意味がないのだ。

貴族はだいたい「ステータス？新種のお菓子？？」みたいなノリよね。

言ったじゃん、ねえ言ったじゃん！
「努力が認識しやすい出向先」ってつまりレベル上げれば能力が目に見えて数値化される世界ってことでしょ！？
それなのに、レベル上げする必要も機会もないなんてあんまりだわ！！

当然、平民の特に冒険者ともなればステータスは重要だけど貴族には関係ない。

その代わり、『称号』を重要視される。

なんだろうね、『公爵令嬢』とか『一般市民』とか表示されるのかな？