転生令嬢は冒険したい~ダンジョン目指してるのになぜか婚約破棄~

四葉

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第二章

37 登城 ト 対面

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7歳を迎え、私は王宮に出入りするようになった。
出入りって言っても今回が初めて。
今後、何度も登城の機会を与えられるらしい。

王宮に行く理由は婚約者である王太子殿下との顔合わせのため。
10代に満たない子供の婚約はあくまでも親同士の口約束みたいなもの。
まあ当然、今回の場合は相手が王様だから口約束って言葉から連想するような軽いものじゃないけどね。絶対反故に出来ないヤツ。
でも正式な婚約者と言えるほどしっかりした婚約は夜会に出席するデビュタントを迎えてから。大体16歳前後が一般的かな?

それまでにちょっとでも仲良くなっておきましょうね!って話。


で、両親を伴って初めて登城した時な。
めっっっちゃ睨まれた。

確かに新緑祭の時は羊皮紙ステータスを投げつけてそのままっていう変な別れ方したもんな·····。
私も多少の苦手意識は残ってるけどさ、でも2年前の話よ?そんな睨むほどかね?
しかも私が何かした訳じゃないのに·····。

「ふん、貴様が婚約者か」

「はい、ウォルフレーネ公爵家のセレスティアと申します。」

「どうせ貴様も私の称号が少ないとおもってるんだろう」

「まさか!称号は数ではなく、中身です。殿下の称号は殿下にしか与えられぬ唯一無二のものですわ!
それに比べて私の称号なんて·····《優雅な令嬢》など、その気になれば誰にでも与えられましょう·····」

「まぁ、それはそうだが·····」

嘘は言ってない。
《傾国の親王》なんて王太子にしか獲得出来ないよ、絶対。

それにしても、なるほど。
殿下は自身の称号が少ない事に劣等感を抱いていたのか。
もしかしたら、ご自身の称号の意味をきちんと理解していないのかもしれない。

当たり前だけどまだ7歳だし、誰も王太子殿下に向かって「お前の称号やべーよ」みたいなこと言えるわけないもんなぁ·····。

そんな殿下には申し訳ないが、可能なら現在唯一の称号を手放して頂きたい。
恐ろしい前世を逃れて辿り着いた安寧の地であるこの国を簡単に傾けて欲しくないのよね。
でも称号ってどうやったら消せるんだろう?誰か詳しい人いないかな?

そんな事を考えても答えなど出るはずもなく、その日の━━━初めての━━━顔合わせは終了した。
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