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「......」
涙が出てきた。
会社に向かう電車の中、急に出てきた涙が止まらない。
周りに気がつかれないようにフードを目深に被る。
「次はー目黒ー」
降りなきゃ......
何でこんな嫌な思いをして毎日通わないといけないのか。通勤片道1時間。通勤ラッシュで揉まれる毎日。これから定年まで、莫大な時間を満員電車で無駄にするのかと考えると嫌になってくる。
無駄だと思うなら電車で勉強すればいいとかいうやつは死ね。満員電車で勉強は不可能だ。
定時で8時間、休憩で1時間、通勤往復で2時間。会社に拘束されてるだけでも11時間は毎日奪われている。ここに支度時間、朝食、夕食、睡眠時間などにも時間を取られる。
自分の自由時間は2、3時間位しかない。最悪だ。
毎日出社して仕事して、金曜日の朝には、月曜日に働かないといけないことを考えて憂鬱になる。
「もう嫌だな......」
ホワイト企業なので仕事環境は悪くない。だが、終わりの見えない日々にヤスの精神は限界を迎えていた。
「おはようございます」
自席に座りPCを起動する。
サボるか......
始業から10分。あえて時間がかかるよう、階段で1階に向かう。
いつも通り、定時まで時間を潰す日々。手を抜きまくっているため実働時間は2時間もないだろう
仕事の内容など興味がなく、就職活動で偶然採用されたからこの業界で働いている。
就活で落ちまくり、やっと採用された時はこの会社で頑張っていこうという気持ちがあった。あの時は確かにそう思っていた。しかし、仕事するモチベーションなど入社後3ヶ月で消え失せている。
働きたくない。労働したくない。ここに来たくない。
何で毎日毎日毎日毎日同じ場所に来ないといけないんだ?
何で嫌な場所に嫌な思いをして来ないといけないんだ?
一度この考えに至ってから、もう働く気力どころか生きる気力すら失ってしまった。
会社を辞めようと思ったこともあった。しかし、同じ場所に毎日通うことが嫌なのだ。拘束されることが嫌なのだ。朝起きたくないのだ。ルーティンしてると吐き気がしてくる。
転職したところで、正社員として働くなら拘束時間は同じだ。下手したら今より長くなる。非正規で働く厳しさは説明するまでもない。
現代の日本では一定以上の時間を提供し安定が手に入る。
では、その時間を提供できない人間は、まともな人生を送ることができないのだろうか?
そもそも......
ドンっ!!!!
「へ?」
✳︎ ✳︎ ✳︎
気がつけば知らない空間にいた。
「ヤス様。あなたは階段から落ちて亡くなりました」
声がしたので顔を上げると、離れたところから綺麗な女性がヤスに向かって微笑んでいる。
「死んだんですか......」
「はい。まだお若く、やりたいこともたくさんあったでしょうに」
どうやら死んだらしい。
「あんな嫌な思いしたまま報われることなく死んだのか。最悪だ」
人間はいつ死ぬかわからない。確かにそうなんだが、自分はまだ死とは無縁だと思っていた。死にたいと思ったことはあるが、もちろん本気ではなかった。
「うぷっ」
どうせ死ぬなら、会社辞めて好き放題した後がよかった。もっと自由に生きればよかった。
「おえぇぇぇぇ」
何で、何で俺なんだ。
「ぜー、ぜー」
一通り吐いたら少し落ち着いてきた。
というか死んだのに嘔吐ってするのね。
「何で俺なんだよ。もっといるだろ。不公平すぎるだろ、神様くそかよ死ねよ」
「なんかすみません。」
「......え? 神様?」
「はい......」
いやまあ、考えてみたら死んだと告げてくる存在なんだから神様なのか。
あ......
「神様に死ねって言ってましたね(笑)」
「あーーーーーーーーっ!!」
ヤバイ。これきっとあれだ、天国か地獄か決めるやつだ。
え? 地獄?
「それではヤスさんの行き先はー」
「ごめんなさいっ!!」
とりあえず、全力で謝っておく。
何がきっかけで救われるかわからないし。もしかしたら蜘蛛の糸的なものが落ちてくるかもしれない。
「エール、話がややこしくなるから」
離れたところから声がする。
あれ?
「どちら様でしょう?」
いつの間にか俺の横に現れていた女の子に訊ねる。
「エールです(笑)」
「......」
え? それだけ?
「天使です(笑)」
「天使ですか......」
天使を名乗る女の子がこれ以上何も言わないため会話が中断した。ヤスは、どうしたら良いのかわからずしばらくエールを見ていた。
この謎の天使は肩にかかるくらいの綺麗な銀髪をした笑顔が印象的な女の子だった。
エールはその間ずっとニコニコしながらこっちを見ており、見れば見るほどその笑顔に吸い込まれていく気がする。
「......あのー」
神様がおずおずと声をかけてくる。
エールの笑顔に吸い込まれそうになっていたヤスが現実に引き戻される。
「あ、何でしょう?」
「ヤス様にお願いがあるのです」
「お願いですか?」
神様からのお願い?
わざわざ頼んでくるなんて何だかめんどくさそうだな。
「今ヤス様の横にいるエールの試練を手伝って頂きたいのです」
試練?
「試練って何をするんですか?」
「それは秘密です」
「えぇ......」
「私も何も知りません(笑)」
「それも含めて試練なので」
説明が一切ないのに手伝えって......
「もし、引き受けてくれてエールが試練を達成できた暁にはヤス様の願いをできる範囲で叶えさせて頂きますのでよろしくお願いします」
しかも、できる範囲でって言ったな。先ほどからちょくちょく、こちら側に不利な条件を押し付けてくる神様に対して不信感が増す。
「まさか神様に死ねって言っておきながら断ったりしないですよね?(笑)」
隣の天使が耳打ちしてくる。
「わかりました。やらせて頂きます......」
ヤスに拒否権は無かった。
「それで、試練ってどこでやるんですか?」
「私のお友達が担当する世界に2人を転送します」
「どんなところなんですか?」
「秘密です」
さっきから何も教えてくれない。
死ねって言ったこと根に持っているのだろうか?
「ちなみに、よくある特殊能力的なものは頂けるのでしょうか?」
「ありませんよ。そんなものあったら試練にならないじゃないですか」
生身で天使の試練とやらに付き合えと?
「大丈夫です! 何とかなります(笑)」
こいつさっき何も知らないって言ってたような......
本当に大丈夫なのか?
「それではエール、ヤス様。試練の達成を天界から祈っていますね」
ヤス達の周りが光り出す。
光は次第に強くなり、やがてヤスの視界は真っ白になり何も見えなくなった。
こうしてヤスは異世界へ転送された。
涙が出てきた。
会社に向かう電車の中、急に出てきた涙が止まらない。
周りに気がつかれないようにフードを目深に被る。
「次はー目黒ー」
降りなきゃ......
何でこんな嫌な思いをして毎日通わないといけないのか。通勤片道1時間。通勤ラッシュで揉まれる毎日。これから定年まで、莫大な時間を満員電車で無駄にするのかと考えると嫌になってくる。
無駄だと思うなら電車で勉強すればいいとかいうやつは死ね。満員電車で勉強は不可能だ。
定時で8時間、休憩で1時間、通勤往復で2時間。会社に拘束されてるだけでも11時間は毎日奪われている。ここに支度時間、朝食、夕食、睡眠時間などにも時間を取られる。
自分の自由時間は2、3時間位しかない。最悪だ。
毎日出社して仕事して、金曜日の朝には、月曜日に働かないといけないことを考えて憂鬱になる。
「もう嫌だな......」
ホワイト企業なので仕事環境は悪くない。だが、終わりの見えない日々にヤスの精神は限界を迎えていた。
「おはようございます」
自席に座りPCを起動する。
サボるか......
始業から10分。あえて時間がかかるよう、階段で1階に向かう。
いつも通り、定時まで時間を潰す日々。手を抜きまくっているため実働時間は2時間もないだろう
仕事の内容など興味がなく、就職活動で偶然採用されたからこの業界で働いている。
就活で落ちまくり、やっと採用された時はこの会社で頑張っていこうという気持ちがあった。あの時は確かにそう思っていた。しかし、仕事するモチベーションなど入社後3ヶ月で消え失せている。
働きたくない。労働したくない。ここに来たくない。
何で毎日毎日毎日毎日同じ場所に来ないといけないんだ?
何で嫌な場所に嫌な思いをして来ないといけないんだ?
一度この考えに至ってから、もう働く気力どころか生きる気力すら失ってしまった。
会社を辞めようと思ったこともあった。しかし、同じ場所に毎日通うことが嫌なのだ。拘束されることが嫌なのだ。朝起きたくないのだ。ルーティンしてると吐き気がしてくる。
転職したところで、正社員として働くなら拘束時間は同じだ。下手したら今より長くなる。非正規で働く厳しさは説明するまでもない。
現代の日本では一定以上の時間を提供し安定が手に入る。
では、その時間を提供できない人間は、まともな人生を送ることができないのだろうか?
そもそも......
ドンっ!!!!
「へ?」
✳︎ ✳︎ ✳︎
気がつけば知らない空間にいた。
「ヤス様。あなたは階段から落ちて亡くなりました」
声がしたので顔を上げると、離れたところから綺麗な女性がヤスに向かって微笑んでいる。
「死んだんですか......」
「はい。まだお若く、やりたいこともたくさんあったでしょうに」
どうやら死んだらしい。
「あんな嫌な思いしたまま報われることなく死んだのか。最悪だ」
人間はいつ死ぬかわからない。確かにそうなんだが、自分はまだ死とは無縁だと思っていた。死にたいと思ったことはあるが、もちろん本気ではなかった。
「うぷっ」
どうせ死ぬなら、会社辞めて好き放題した後がよかった。もっと自由に生きればよかった。
「おえぇぇぇぇ」
何で、何で俺なんだ。
「ぜー、ぜー」
一通り吐いたら少し落ち着いてきた。
というか死んだのに嘔吐ってするのね。
「何で俺なんだよ。もっといるだろ。不公平すぎるだろ、神様くそかよ死ねよ」
「なんかすみません。」
「......え? 神様?」
「はい......」
いやまあ、考えてみたら死んだと告げてくる存在なんだから神様なのか。
あ......
「神様に死ねって言ってましたね(笑)」
「あーーーーーーーーっ!!」
ヤバイ。これきっとあれだ、天国か地獄か決めるやつだ。
え? 地獄?
「それではヤスさんの行き先はー」
「ごめんなさいっ!!」
とりあえず、全力で謝っておく。
何がきっかけで救われるかわからないし。もしかしたら蜘蛛の糸的なものが落ちてくるかもしれない。
「エール、話がややこしくなるから」
離れたところから声がする。
あれ?
「どちら様でしょう?」
いつの間にか俺の横に現れていた女の子に訊ねる。
「エールです(笑)」
「......」
え? それだけ?
「天使です(笑)」
「天使ですか......」
天使を名乗る女の子がこれ以上何も言わないため会話が中断した。ヤスは、どうしたら良いのかわからずしばらくエールを見ていた。
この謎の天使は肩にかかるくらいの綺麗な銀髪をした笑顔が印象的な女の子だった。
エールはその間ずっとニコニコしながらこっちを見ており、見れば見るほどその笑顔に吸い込まれていく気がする。
「......あのー」
神様がおずおずと声をかけてくる。
エールの笑顔に吸い込まれそうになっていたヤスが現実に引き戻される。
「あ、何でしょう?」
「ヤス様にお願いがあるのです」
「お願いですか?」
神様からのお願い?
わざわざ頼んでくるなんて何だかめんどくさそうだな。
「今ヤス様の横にいるエールの試練を手伝って頂きたいのです」
試練?
「試練って何をするんですか?」
「それは秘密です」
「えぇ......」
「私も何も知りません(笑)」
「それも含めて試練なので」
説明が一切ないのに手伝えって......
「もし、引き受けてくれてエールが試練を達成できた暁にはヤス様の願いをできる範囲で叶えさせて頂きますのでよろしくお願いします」
しかも、できる範囲でって言ったな。先ほどからちょくちょく、こちら側に不利な条件を押し付けてくる神様に対して不信感が増す。
「まさか神様に死ねって言っておきながら断ったりしないですよね?(笑)」
隣の天使が耳打ちしてくる。
「わかりました。やらせて頂きます......」
ヤスに拒否権は無かった。
「それで、試練ってどこでやるんですか?」
「私のお友達が担当する世界に2人を転送します」
「どんなところなんですか?」
「秘密です」
さっきから何も教えてくれない。
死ねって言ったこと根に持っているのだろうか?
「ちなみに、よくある特殊能力的なものは頂けるのでしょうか?」
「ありませんよ。そんなものあったら試練にならないじゃないですか」
生身で天使の試練とやらに付き合えと?
「大丈夫です! 何とかなります(笑)」
こいつさっき何も知らないって言ってたような......
本当に大丈夫なのか?
「それではエール、ヤス様。試練の達成を天界から祈っていますね」
ヤス達の周りが光り出す。
光は次第に強くなり、やがてヤスの視界は真っ白になり何も見えなくなった。
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