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04話 無料の宿
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ケインたちに無料の宿を案内してもらうついでに薬屋にやってきた。
「ここがこの街にある冒険者向けの薬屋だ」
ケインが指さしているのは普通の一軒家だった。一応ポーションっぽい絵が描かれた看板がある。
「ただ、この薬屋高すぎるんだよなー」
「いくら位なんだ?」
「まあ、入ってみればわかるよ」
そう言うとケインは店の中に入っていった。
店野中は独特なあまーい匂いが充満しており、匂い以外は普通のお店だった。戸棚には薬が並び、値段が書いてある。
「ん? 高っ!」
ざっと見た感じ一つにつき銀貨7枚~10枚。安くても銀貨4枚ほどだった。
「冒険者向けの薬は即効性だからねぇー。まあ、高くもなるさ」
ヤスのリアクションに対して店の奥に座っている女性が答えた。
「一般人向けの薬屋さんなら別のところにあるよ。まあ値段は安いが、効果が表れるのに数日はかかるねぇ」
なるほど。確かに飲んだ瞬間に効く薬って普通に考えたら怖いな。一般の生活用と冒険者用で住み分けができているらしい。
「んー? お兄さんは初めましてだねぇ。私はカノンだよ。この薬屋の店主をやってる」
店主だったようだ。キセルのようなもので煙をふかしている。どうやら店中のあまーい匂いの発生源はこれのようだ。
「初めまして。僕はヤスと言います。こっちはエールです。これからお世話になると思うのでどうぞよろしくお願いいたします」
「おや、礼儀正しい子は嫌いじゃないよ。これからも御贔屓に」
カノンは奥の椅子から立ち上がり握手を求めてきた......背高っ!
立ち上がったカノンはヤスよりも背が高く、190後半くらいだろうか。手足も長く白く透き通っていて全体的にスレンダーな女性だった。
「おや。驚かしてしまったかい? ふふふ」
そういって笑いかけてくるカノンの笑顔には妖艶な雰囲気がまとっていた。
カノンとの挨拶を済ませ、本題であるツリーマンをカノンに見せた。
「ツリーマンを売りにきたのかい? 1mほどのツリーマンの相場は大銅貨6枚かねぇ」
薬の値段に対して安すぎないか......
「おや? このツリーマン焦げていないねぇ。焦げていると作れる薬が限られてくるからねぇ。これなら銀貨1枚で買い取るよ」
お、ラッキー
「じゃあそれでお願いします」
「ん? このツリーマンなんか湿っているねぇ。まあ、乾かせばいいか」
やはり湿っていると気になるらしい。
ヤスは銀貨1枚をカノンから受け取り店を出た。
「お金増えて良かったですね(笑)」
カノンの店を後にした一行は、薬屋の近くの食堂で夕飯を食べていた。
「ヤスに教わったやり方でツリーマンを倒せば1体につき銀貨1枚と大銅貨8枚か。悪くないな」
ケインの言葉にショーンとサイトも頷く。
「ヤスさん本当に助かったよー。宿はともかく、もうお金も底を尽きて明日から何を食べればいいのか心配だったんだよねー」
サイトは宿の心配をしていないようだ。どうやらケインの言っている無料の宿というのは本当らしい。
「で、無料の宿とやらはどこにあるんだ?」
「心配するなって。この時間帯なら、この辺歩いていればすぐ見つかるからよ」
ケインは自信満々だ。でも少し心配なのでショーンの方を見る。
「大丈夫だ。俺たちも数回使っている。雑魚寝だが寒くはない。雨風も凌げる。しかも無料だ」
何回も使っているのなら安心かな。でも雑魚寝かー
「エールは雑魚寝でも平気か?」
一応女の子だし気を使って聞いてみる。
「大丈夫ですよ。皆さん親切ですし。私に手を出してくる人なんていません(笑)」
俺ら全員手をさせないチキン野郎と思われているのだろうか。少し引っかかるが、まあエールが気にしないというのなら良いだろう。
「まあ、寝る前に皆さんにおまじないを掛けさせていただきますが(笑)」
そう言って悪戯っぽく笑うエールにその場の男共がドギマギしたのは言うまでもない。
✳︎ ✳︎ ✳︎
「よし。見つけたぞ」
食堂を出て10分ほど、ケインが目的の宿を見つけたようだ。
しかし、宿らしきものは見当たらない。ただの広場だった。
「お前......まさか野宿じゃないだろうな?」
「大丈夫だ。雨風凌げて寒くない場所と言っただろ」
嫌な予感がしてケインに詰め寄るとショーンに止められた。
しかし、見渡しても宿らしきものはない......まさか地下に何かあるのか?
「言っておくが、地下でもないし不法侵入もしない。ちゃんと建物で寝れるから安心しろ」
「そうそう。立派な建物だよー」
「お二人もこう言っているのですから、お任せしましょう。信頼することも大事ですよ(笑)」
納得はいかないがケインたちに従うしかないか。
当のケイン一行は3人で何やら話している。
話し合いが終わり、ケインがこちらを向いて言う。
「ヤスとエールちゃん。まずショーンとサイトがお手本を見せるからちゃんと見ておくように」
お手本? どういうことだ? 宿に行ってチェックインするのにも作法でもあるのか?
釈然としない思いで考えを巡らせていると、エールがヤスの袖を引っ張りながら何かを指さしている。
「ヤスさん、ちゃんと見てましょうよ(笑)」
エールの指さす方を見てみると、偉そうなおっさんが従者を従えて歩いていた。
宿屋の店主であろうか?
ショーンとサイトはというと、自然な流れでおっさん一行の前に陣取り、ゆっくーり歩き始めた。
「あれ何してるの?」
「良いから見とけって、ちなみにあの自然な感じで前に入るのが重要だ」
意味が分からない。
ショーンとサイトは横並びでゆっくーり歩いているため、おっさんにとってはかなり邪魔なようだった。しばらく進路妨害をしていると、いい加減しびれを切らしたのか
「ええい邪魔だ! わしを誰だと思っている! この街の領主ルドルフであるぞ! わしの邪魔をしたことを一晩中後悔するといい! 牢にぶちこんでおけ!」
驚いているヤスに対してサイトはウィンクをしてそのまま従者に連れていかれた。
「連れてかれちゃったけど?」
「無料の宿に案内されたんだよ」
「牢とか言ってたけど?」
「雨風凌げる立派な建物だろ?」
まあ、確かに立派な建物だろうけど......
「それに言ってたじゃないか。一晩泊めてくれるって」
「なんとも慈悲深いお方なのですね(笑)」
なぜだろう、エールが楽しそうだ。
「よし! ヤス、エールちゃん、俺たちの番だぜ!」
ケインが領主に近づいていく
「あぁー! 私にできるのでしょうか? あそこまで自然な流れで前に入り邪魔するだなんて、自信がありません(笑)」
セリフとは裏腹にエールが軽い足取りでケインに付いていく。
ここで1人になっても仕方ない。もうなるようになれだ!
こうしてヤス達は流れに身を任せて、3人仲良く無料の宿に案内されたのだった。
✳︎ ✳︎ ✳︎
大き目の牢にぶち込まれた。そういえば雑魚寝と言っていたのを思い出す。
「遅かったねー」
少し先のところでサイトが座っていた。
「ここ身体拭くところもあるから次使うといいよー」
「そんなところまであるのか」
牢の中を見回すと、割と清潔な空間のようだ。牢と聞いてもっと劣悪な環境を想像していたが拍子抜けした。
「何でこんなに綺麗なんだ?」
「ここは一晩だけの収容者専用だからねー。ヤスさんも見たと思うけど、あの領主が気に食わなかったっていう理由だけで入れられるところだから、ここに一度も入ったことないって人のほうが少ないんじゃないかなー」
「一晩収容所は清潔に使うっていうのがこの街の暗黙のルールだよ。みんないつ入れられてもいいように清潔にしておくっていうのがルールとして定着したんだ」
うーん。納得できるようなできないような......
「まあ、確かに無料の宿屋としては良いところではあるか」
「前向きですね。良いことです(笑)」
そうこうしているとショーンが表れた。いないと思ったら身体を拭いていたらしい。
「今なら空いてるぞ」
「エール、先に入れば?」
「ヤスさんは私が臭いというんですね......私傷ついちゃいます......」
「ヤスさん! エールさんが臭いわけないでしょう! 謝ってください!」
「いや、ちょっ......そういうつもりじゃ」
「エールさんが臭いだなんて何てことを言うんだ! 謝れ!」
「いや、だから......ショーンも落ち着いて......」
「ヤス! てめえ表出ろ! ぶん殴ってやる!」
「一晩中出れねーんだよ! アホが!」
わめいている3人をどかして、エールの方を見ると......なんていい顔してやがるんだ。
「ほら、ヤスさん! 謝ってください(笑)」
「ごめんなさい......」
もう面倒なので謝っておく。
「よくできました! 許してあげます。私天使なので(笑)」
自分を天使と言いながら、あざとくならないギリギリを攻めてくる。
「可愛くて性格もいいだなんて本当に天使みたいだ! おいヤス感謝しろよ!」
なんでケインに感謝しないといけないのかは謎だが、場が収まったので良しとしよう。
「で、明日のことなんだけど」
エールが身体を拭きに行っている間にケイン一行と相談する。
「どうした? 俺たちは明日、せっかくだしツリーマンを討伐しに行く予定だぞ?」
やはりツリーマンか。まあ、倒し方も分かったし、意外と高く売れるから当然か
「それなんだけど、俺たちと協力しないか? で、報酬は山分けだ」
「協力ですか? 1人でも倒せるといったのはヤスさんじゃないですか?」
「大勢だと取り分が減る。反対だ」
ショーンの言い分もわかるが、1つ大事なことを忘れている。
「今日倒せたのは、偶然川が近くにあったからだよ。ツリーマンはどこに生えているかわからないから、水を大量に持って行く必要がある。それに倒したツリーマンを持って帰るのも地味に重い。要するに、荷車をみんなで押した方が効率がいいんだよ」
「なるほどな。確かにそれなら大勢いた方が良いかもしれないな。5人もいればだいぶ楽そうだ」
どうやらケインたちは納得してくれたみたいだ。おそらくエールは何もしないが黙っておこう。
「分かったよ。じゃあ明日5人でツリーマン討伐しに行くか!」
こうしてケインたちと一時的にパーティーを組むことになった。
✳︎ ✳︎ ✳︎
次の日
ヤス達はアリスにクエストを受けると伝え、ツリーマンの発生場所を教えてもらい、目的地に向かっていた。
「おいヤス。なんでエールちゃん手伝ってくれないんだよ」
想像以上に快適に眠れて、割と気分の良いヤスとは裏腹にケインが不満そうに何か言っている。
「何か不満があるなら本人に言ったらどうだ?」
現在、ショーンが荷車を引き、ヤス、ケイン、サイトが後ろから押している状態である。
「5人で押せば楽になるからパーティーを組んだのに......お前騙したな?」
「だから、本人に言えって」
何故かケイン達はエールに直接文句を言おうとしない。
しかし、しばらくして流石に疲れてきたのかサイトがエールに向かって言う。
「エールさん。ちょっとおねが......」
「なんですかー? おまじないですかー? もう、欲しがりさんですね! 特別ですよ(笑)」
エールが食い気味に答えて、自称何の効果もないおまじないを掛ける。
「サイトさんに良いことがありますように(笑)」
ムニムニ。
「あぁー。うん。ありがとう」
どうやら文句言う気を削がれるらしい。なにこれ怖い。
「あれやられると、まあ良いかってなるんだよなー」
そんな様子を見ながらケインがつぶやいている。
「ケインもやってもらったらどうだ?」
「いや、あれ何度もくらったら身がもたない」
ケインの言う通り、エールのあの笑顔を至近距離でくらいまくるのは心臓に悪い。しかも何度やられても慣れない。
「おーい、サイトー、戻ってこーい」
ヤスは、斜め上方向をぼんやり眺めているサイトをこっちの世界に引き戻した。
「ああ、ヤスさん。おはようございます。良い夢でした」
「おはよう。ただでさえ重いんだから、サボるなよ」
なんだかんだ言っているが、進みは遅くない。今日のノルマであるツリーマン5体を倒しても日が暮れる前には帰れるだろう。
そんなこともありながら皆で協力してツリーマンを倒していった。お湯を沸かすのも人手があると作業が楽だった。
エールも今回は引くことなくずっと応援していた。
✳︎ ✳︎ ✳︎
クエストを終えて街に帰り、アリスに報告をして報酬をもらう。
「皆さん凄いですね! 大漁じゃないですか! 朝来て1日で5体分のクエストをと言われたときは正直疑っていましたけど。こちら報酬になります。まとめて受けていただいたので少し色付けておきました!」
中を確認してみると、ツリーマン1体につき大銅貨9枚になっていた。
「ありがとうございます!」
「よかったですね(笑)」
アリスから報酬を受け取ったヤス達はツリーマンを持ってカノンの薬屋に行き、銀貨5枚と交換した。
「やりましたね。皆さん(笑)」
当然のようにエールも報酬を受け取っているが......他の奴らが文句を言わないので放っておく。
「それじゃあ、今日は解散だな! また明日の朝ギルド集合で!」
そう言ってケイン達は薬屋から出て行った。
「今日は無料の宿じゃないんですかね?(笑)」
「お金があるなら普通の宿に泊まるって言ってたぞ」
「そうなんですか。私たちは今日どうしましょう?(笑)」
「エールが嫌じゃなければ今日も無料の宿だ。お金は貯めたいしな」
「私はヤスさんについていきますよ(笑)」
エールは無料の宿を気に入ったようだ。宿というより泊まるための手段が気に入っているのかもしれない。
「おやおや。お熱いねぇ」
カノンに絡まれた。用がないなら早く帰れと言われている気がする。
買取のお礼を言ってそそくさと退散した。
✳︎ ✳︎ ✳︎
次の日から、この生活がヤス達の日課となった。
朝ギルドに行き、ケイン達と合流。ツリーマンのクエストを受け討伐報酬を得て、領主のおっさんの進路妨害をして無料の宿へ案内してもらう。
しかし、そんな生活も長くは続かなかった。
やりすぎたようだ。
4日目くらいで領主のおっさんに顔を覚えられ、次やったら拘留一晩じゃ許さないと言われてしまった。
「領主さま。すごい剣幕でしたね(笑)」
まだまだお金は貯めたかったが、もうこの手段は厳しいようだ。
現在、銀貨6枚と大銅貨5枚。まだまだ安心できる金額ではない。
「ここがこの街にある冒険者向けの薬屋だ」
ケインが指さしているのは普通の一軒家だった。一応ポーションっぽい絵が描かれた看板がある。
「ただ、この薬屋高すぎるんだよなー」
「いくら位なんだ?」
「まあ、入ってみればわかるよ」
そう言うとケインは店の中に入っていった。
店野中は独特なあまーい匂いが充満しており、匂い以外は普通のお店だった。戸棚には薬が並び、値段が書いてある。
「ん? 高っ!」
ざっと見た感じ一つにつき銀貨7枚~10枚。安くても銀貨4枚ほどだった。
「冒険者向けの薬は即効性だからねぇー。まあ、高くもなるさ」
ヤスのリアクションに対して店の奥に座っている女性が答えた。
「一般人向けの薬屋さんなら別のところにあるよ。まあ値段は安いが、効果が表れるのに数日はかかるねぇ」
なるほど。確かに飲んだ瞬間に効く薬って普通に考えたら怖いな。一般の生活用と冒険者用で住み分けができているらしい。
「んー? お兄さんは初めましてだねぇ。私はカノンだよ。この薬屋の店主をやってる」
店主だったようだ。キセルのようなもので煙をふかしている。どうやら店中のあまーい匂いの発生源はこれのようだ。
「初めまして。僕はヤスと言います。こっちはエールです。これからお世話になると思うのでどうぞよろしくお願いいたします」
「おや、礼儀正しい子は嫌いじゃないよ。これからも御贔屓に」
カノンは奥の椅子から立ち上がり握手を求めてきた......背高っ!
立ち上がったカノンはヤスよりも背が高く、190後半くらいだろうか。手足も長く白く透き通っていて全体的にスレンダーな女性だった。
「おや。驚かしてしまったかい? ふふふ」
そういって笑いかけてくるカノンの笑顔には妖艶な雰囲気がまとっていた。
カノンとの挨拶を済ませ、本題であるツリーマンをカノンに見せた。
「ツリーマンを売りにきたのかい? 1mほどのツリーマンの相場は大銅貨6枚かねぇ」
薬の値段に対して安すぎないか......
「おや? このツリーマン焦げていないねぇ。焦げていると作れる薬が限られてくるからねぇ。これなら銀貨1枚で買い取るよ」
お、ラッキー
「じゃあそれでお願いします」
「ん? このツリーマンなんか湿っているねぇ。まあ、乾かせばいいか」
やはり湿っていると気になるらしい。
ヤスは銀貨1枚をカノンから受け取り店を出た。
「お金増えて良かったですね(笑)」
カノンの店を後にした一行は、薬屋の近くの食堂で夕飯を食べていた。
「ヤスに教わったやり方でツリーマンを倒せば1体につき銀貨1枚と大銅貨8枚か。悪くないな」
ケインの言葉にショーンとサイトも頷く。
「ヤスさん本当に助かったよー。宿はともかく、もうお金も底を尽きて明日から何を食べればいいのか心配だったんだよねー」
サイトは宿の心配をしていないようだ。どうやらケインの言っている無料の宿というのは本当らしい。
「で、無料の宿とやらはどこにあるんだ?」
「心配するなって。この時間帯なら、この辺歩いていればすぐ見つかるからよ」
ケインは自信満々だ。でも少し心配なのでショーンの方を見る。
「大丈夫だ。俺たちも数回使っている。雑魚寝だが寒くはない。雨風も凌げる。しかも無料だ」
何回も使っているのなら安心かな。でも雑魚寝かー
「エールは雑魚寝でも平気か?」
一応女の子だし気を使って聞いてみる。
「大丈夫ですよ。皆さん親切ですし。私に手を出してくる人なんていません(笑)」
俺ら全員手をさせないチキン野郎と思われているのだろうか。少し引っかかるが、まあエールが気にしないというのなら良いだろう。
「まあ、寝る前に皆さんにおまじないを掛けさせていただきますが(笑)」
そう言って悪戯っぽく笑うエールにその場の男共がドギマギしたのは言うまでもない。
✳︎ ✳︎ ✳︎
「よし。見つけたぞ」
食堂を出て10分ほど、ケインが目的の宿を見つけたようだ。
しかし、宿らしきものは見当たらない。ただの広場だった。
「お前......まさか野宿じゃないだろうな?」
「大丈夫だ。雨風凌げて寒くない場所と言っただろ」
嫌な予感がしてケインに詰め寄るとショーンに止められた。
しかし、見渡しても宿らしきものはない......まさか地下に何かあるのか?
「言っておくが、地下でもないし不法侵入もしない。ちゃんと建物で寝れるから安心しろ」
「そうそう。立派な建物だよー」
「お二人もこう言っているのですから、お任せしましょう。信頼することも大事ですよ(笑)」
納得はいかないがケインたちに従うしかないか。
当のケイン一行は3人で何やら話している。
話し合いが終わり、ケインがこちらを向いて言う。
「ヤスとエールちゃん。まずショーンとサイトがお手本を見せるからちゃんと見ておくように」
お手本? どういうことだ? 宿に行ってチェックインするのにも作法でもあるのか?
釈然としない思いで考えを巡らせていると、エールがヤスの袖を引っ張りながら何かを指さしている。
「ヤスさん、ちゃんと見てましょうよ(笑)」
エールの指さす方を見てみると、偉そうなおっさんが従者を従えて歩いていた。
宿屋の店主であろうか?
ショーンとサイトはというと、自然な流れでおっさん一行の前に陣取り、ゆっくーり歩き始めた。
「あれ何してるの?」
「良いから見とけって、ちなみにあの自然な感じで前に入るのが重要だ」
意味が分からない。
ショーンとサイトは横並びでゆっくーり歩いているため、おっさんにとってはかなり邪魔なようだった。しばらく進路妨害をしていると、いい加減しびれを切らしたのか
「ええい邪魔だ! わしを誰だと思っている! この街の領主ルドルフであるぞ! わしの邪魔をしたことを一晩中後悔するといい! 牢にぶちこんでおけ!」
驚いているヤスに対してサイトはウィンクをしてそのまま従者に連れていかれた。
「連れてかれちゃったけど?」
「無料の宿に案内されたんだよ」
「牢とか言ってたけど?」
「雨風凌げる立派な建物だろ?」
まあ、確かに立派な建物だろうけど......
「それに言ってたじゃないか。一晩泊めてくれるって」
「なんとも慈悲深いお方なのですね(笑)」
なぜだろう、エールが楽しそうだ。
「よし! ヤス、エールちゃん、俺たちの番だぜ!」
ケインが領主に近づいていく
「あぁー! 私にできるのでしょうか? あそこまで自然な流れで前に入り邪魔するだなんて、自信がありません(笑)」
セリフとは裏腹にエールが軽い足取りでケインに付いていく。
ここで1人になっても仕方ない。もうなるようになれだ!
こうしてヤス達は流れに身を任せて、3人仲良く無料の宿に案内されたのだった。
✳︎ ✳︎ ✳︎
大き目の牢にぶち込まれた。そういえば雑魚寝と言っていたのを思い出す。
「遅かったねー」
少し先のところでサイトが座っていた。
「ここ身体拭くところもあるから次使うといいよー」
「そんなところまであるのか」
牢の中を見回すと、割と清潔な空間のようだ。牢と聞いてもっと劣悪な環境を想像していたが拍子抜けした。
「何でこんなに綺麗なんだ?」
「ここは一晩だけの収容者専用だからねー。ヤスさんも見たと思うけど、あの領主が気に食わなかったっていう理由だけで入れられるところだから、ここに一度も入ったことないって人のほうが少ないんじゃないかなー」
「一晩収容所は清潔に使うっていうのがこの街の暗黙のルールだよ。みんないつ入れられてもいいように清潔にしておくっていうのがルールとして定着したんだ」
うーん。納得できるようなできないような......
「まあ、確かに無料の宿屋としては良いところではあるか」
「前向きですね。良いことです(笑)」
そうこうしているとショーンが表れた。いないと思ったら身体を拭いていたらしい。
「今なら空いてるぞ」
「エール、先に入れば?」
「ヤスさんは私が臭いというんですね......私傷ついちゃいます......」
「ヤスさん! エールさんが臭いわけないでしょう! 謝ってください!」
「いや、ちょっ......そういうつもりじゃ」
「エールさんが臭いだなんて何てことを言うんだ! 謝れ!」
「いや、だから......ショーンも落ち着いて......」
「ヤス! てめえ表出ろ! ぶん殴ってやる!」
「一晩中出れねーんだよ! アホが!」
わめいている3人をどかして、エールの方を見ると......なんていい顔してやがるんだ。
「ほら、ヤスさん! 謝ってください(笑)」
「ごめんなさい......」
もう面倒なので謝っておく。
「よくできました! 許してあげます。私天使なので(笑)」
自分を天使と言いながら、あざとくならないギリギリを攻めてくる。
「可愛くて性格もいいだなんて本当に天使みたいだ! おいヤス感謝しろよ!」
なんでケインに感謝しないといけないのかは謎だが、場が収まったので良しとしよう。
「で、明日のことなんだけど」
エールが身体を拭きに行っている間にケイン一行と相談する。
「どうした? 俺たちは明日、せっかくだしツリーマンを討伐しに行く予定だぞ?」
やはりツリーマンか。まあ、倒し方も分かったし、意外と高く売れるから当然か
「それなんだけど、俺たちと協力しないか? で、報酬は山分けだ」
「協力ですか? 1人でも倒せるといったのはヤスさんじゃないですか?」
「大勢だと取り分が減る。反対だ」
ショーンの言い分もわかるが、1つ大事なことを忘れている。
「今日倒せたのは、偶然川が近くにあったからだよ。ツリーマンはどこに生えているかわからないから、水を大量に持って行く必要がある。それに倒したツリーマンを持って帰るのも地味に重い。要するに、荷車をみんなで押した方が効率がいいんだよ」
「なるほどな。確かにそれなら大勢いた方が良いかもしれないな。5人もいればだいぶ楽そうだ」
どうやらケインたちは納得してくれたみたいだ。おそらくエールは何もしないが黙っておこう。
「分かったよ。じゃあ明日5人でツリーマン討伐しに行くか!」
こうしてケインたちと一時的にパーティーを組むことになった。
✳︎ ✳︎ ✳︎
次の日
ヤス達はアリスにクエストを受けると伝え、ツリーマンの発生場所を教えてもらい、目的地に向かっていた。
「おいヤス。なんでエールちゃん手伝ってくれないんだよ」
想像以上に快適に眠れて、割と気分の良いヤスとは裏腹にケインが不満そうに何か言っている。
「何か不満があるなら本人に言ったらどうだ?」
現在、ショーンが荷車を引き、ヤス、ケイン、サイトが後ろから押している状態である。
「5人で押せば楽になるからパーティーを組んだのに......お前騙したな?」
「だから、本人に言えって」
何故かケイン達はエールに直接文句を言おうとしない。
しかし、しばらくして流石に疲れてきたのかサイトがエールに向かって言う。
「エールさん。ちょっとおねが......」
「なんですかー? おまじないですかー? もう、欲しがりさんですね! 特別ですよ(笑)」
エールが食い気味に答えて、自称何の効果もないおまじないを掛ける。
「サイトさんに良いことがありますように(笑)」
ムニムニ。
「あぁー。うん。ありがとう」
どうやら文句言う気を削がれるらしい。なにこれ怖い。
「あれやられると、まあ良いかってなるんだよなー」
そんな様子を見ながらケインがつぶやいている。
「ケインもやってもらったらどうだ?」
「いや、あれ何度もくらったら身がもたない」
ケインの言う通り、エールのあの笑顔を至近距離でくらいまくるのは心臓に悪い。しかも何度やられても慣れない。
「おーい、サイトー、戻ってこーい」
ヤスは、斜め上方向をぼんやり眺めているサイトをこっちの世界に引き戻した。
「ああ、ヤスさん。おはようございます。良い夢でした」
「おはよう。ただでさえ重いんだから、サボるなよ」
なんだかんだ言っているが、進みは遅くない。今日のノルマであるツリーマン5体を倒しても日が暮れる前には帰れるだろう。
そんなこともありながら皆で協力してツリーマンを倒していった。お湯を沸かすのも人手があると作業が楽だった。
エールも今回は引くことなくずっと応援していた。
✳︎ ✳︎ ✳︎
クエストを終えて街に帰り、アリスに報告をして報酬をもらう。
「皆さん凄いですね! 大漁じゃないですか! 朝来て1日で5体分のクエストをと言われたときは正直疑っていましたけど。こちら報酬になります。まとめて受けていただいたので少し色付けておきました!」
中を確認してみると、ツリーマン1体につき大銅貨9枚になっていた。
「ありがとうございます!」
「よかったですね(笑)」
アリスから報酬を受け取ったヤス達はツリーマンを持ってカノンの薬屋に行き、銀貨5枚と交換した。
「やりましたね。皆さん(笑)」
当然のようにエールも報酬を受け取っているが......他の奴らが文句を言わないので放っておく。
「それじゃあ、今日は解散だな! また明日の朝ギルド集合で!」
そう言ってケイン達は薬屋から出て行った。
「今日は無料の宿じゃないんですかね?(笑)」
「お金があるなら普通の宿に泊まるって言ってたぞ」
「そうなんですか。私たちは今日どうしましょう?(笑)」
「エールが嫌じゃなければ今日も無料の宿だ。お金は貯めたいしな」
「私はヤスさんについていきますよ(笑)」
エールは無料の宿を気に入ったようだ。宿というより泊まるための手段が気に入っているのかもしれない。
「おやおや。お熱いねぇ」
カノンに絡まれた。用がないなら早く帰れと言われている気がする。
買取のお礼を言ってそそくさと退散した。
✳︎ ✳︎ ✳︎
次の日から、この生活がヤス達の日課となった。
朝ギルドに行き、ケイン達と合流。ツリーマンのクエストを受け討伐報酬を得て、領主のおっさんの進路妨害をして無料の宿へ案内してもらう。
しかし、そんな生活も長くは続かなかった。
やりすぎたようだ。
4日目くらいで領主のおっさんに顔を覚えられ、次やったら拘留一晩じゃ許さないと言われてしまった。
「領主さま。すごい剣幕でしたね(笑)」
まだまだお金は貯めたかったが、もうこの手段は厳しいようだ。
現在、銀貨6枚と大銅貨5枚。まだまだ安心できる金額ではない。
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