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第十三章
災滅の魔法少女-06
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暗鬼には――というより名有りの災いには、そうなる以前の記憶など存在しない。
いつの間にか暗鬼は暗鬼としての意識を持ち、自分の名が暗鬼であるのだと自覚し、固有能力を理解し、本能に植え付けられた虚力の収集に注力するだけの存在に過ぎない。
だが暗鬼の能力は【生物の脳認識機能を阻害する】という能力であり、この能力は他の名有り――餓鬼や斬鬼等と言った直接戦闘に活かせる能力や、豪鬼のように使い方次第で戦闘にも策略にも用いる事が出来るような汎用性高い物でもなかった。
故に暗鬼は人間の事を学んだ。
外見が人間のそれであるから、シドニア領にあるレアルタ皇国国立図書館に入り浸り、人間の進化や歴史などを学んでいくにつれて、暗鬼は人間をこう評価した。
「多くの人間が敵に回すと面倒だけど、味方にすると役立たずになる存在」
人間の歴史は多くが争いの歴史で、その中で暗鬼が注目した部分は、これまでの歴史で活躍した多くの智将達は、率いる人間ですら愚かな存在であると認識した上で活用すると言う事。
人間の強みは一人ひとりの思考能力ではなく、その群れを形成して言葉によって意思疎通を図る周到さにあり、災いである暗鬼にとってはこの点が非常に厄介だ。
だが、歴史を積み重ねる中で引き起こされた争いの元を辿っても、原因は多くが人間の愚かさ故であり、それは彼らの思考能力が未来を先読みする能力に優れていなかった事に他ならない。
――人間は群れとなると恐ろしいかもしれないが、中から壊してしまえば脆いモノであるという事。
そう理解してしまえば、人間を陥れる事自体は容易い。
暗鬼の能力には制限が多くある。しかしその制限故に一つ一つの能力は【対人間社会】においては最強の実力を有していて、これまで多くの人間を暗殺してきた。
それも、人間が作り出した組織のトップだったり、組織の中核を担う戦力であったり、そうした敵の急所を狙う事が、暗鬼にとっては得意分野であり、そうした技能を信じてこれまで生き永らえて来た筈だ。
――なのに、カルファスにはそうした策略が通じなかった。
――否、通じなかったのではない。通じはしたが、それ以上の力技で捻じ伏せられたのだ。
全身が悲鳴を上げるように痛いと、初めて暗鬼は感じた。
カルファスが流体となり、その流体に全身を覆われると同時に圧縮をし始めて、声を挙げる事など許されぬ一瞬の内に頭の天辺から爪先まですりつぶされてしまった筈なのに、その瞬間が永遠にループしているかのような感覚。
何時まで続くのかが分からない、どれだけこの痛覚を感じていればよいかも分からない。
リンナに殴られた個所はともかく、カルファスによって与えられた痛みは、傷が再生すれば癒えるはずだ。だがそうした再生を行う為に自分の存在が今どうなっているかを理解する必要がある。
なのに痛みで思考が乱されるから、ひょっとして永遠にこのまま痛みを感じ続けるのではないか、という恐怖にまで襲われ、正常な思考を保てるはずもない。
――だが、思いの外早く、暗鬼はまぶたを開き視界を確保し、起き上がる事が出来た。それは、暗鬼が自分で行った再生ではない。
「起きたかしら? 暗鬼」
「ッ、ぐ……愚……母」
「お話は全て貴方から、餓鬼から、そして豪鬼から聞いていますわ。わたくしの想定を超えて、遥かに面倒な子だったみたいですわね、カルファスちゃんも、リンナちゃんも」
カルファス。
その名前を聞いただけで、暗鬼の身体がブルリと震えた。
寝そべっていた長机から飛び起き、全身を襲う寒気を感じていたくなくて、二の腕を擦りながら身体を温めるようにするが、しかしその寒気は身体の寒さではなく、心からくる寒さなのだと理解したときは、動悸も止まらなくなった。
「ハ……、ハ……ッ!」
「あらあら。そんなに怖かったのかしら」
「煩い……っ!」
「アハハッ、アンタでもそんなみっともなく震える事もあんのねェ!」
「黙れよ餓鬼ッ! あのままリンナにやられた傷で膿んで死ねば良かったのにッ!」
怒りと恐怖から冷静でいられなかった暗鬼がおもむろに立ち上がり、近くで椅子に腰かけて暗鬼の事を嘲笑った餓鬼の胸倉を掴み、叫び散らすと、彼女も彼女で暗鬼を睨みつけた後、暗鬼の胸元を撫でるように触れる。
「ガチで燃やされてぇって事?」
「やってみなよ。君の能力に関しては君自身よりボクの方が詳しいんだよ。それより君の記憶を操作出来るボクの方が優位って事を忘れるな」
「アンタの能力は人間にしか効かねぇじゃねェの?」
「それ、ボクが試して無いと思ってる? とっくに検証済みだよ。どうなるか君自身で試してみるって手もあるけど、その前に頭をイカレさせてやろうか?」
一触即発と言った様子の二者と、ため息をつきながら見守る愚母、そして我関せずと言った様子の豪鬼と斬鬼が、世間話としゃれこんだ。
「斬鬼、イルメールの……あのバカデカい剣、アレは、斬鬼的には奪えるのか?」
「奪えはした。奪えはしたが、重量故に己でも取り扱うのは難しい」
椅子から立ち上がった斬鬼が、自身の右手を何もない場所へとかざすようにしたが、しかし一瞬でその場に精製されたのは、イルメールが普段用いている、豪剣。
「ん……ぐぅ……っ」
試しに、持ち上げて見ようと柄を握り、踏ん張った豪鬼だったが、しかし重量は見た目よりも数倍は重く、おおよそ数トンはあろうと目せる。それを悠々と振り回している所が、イルメールの異常さを物語っている事だろう。
「……うん、これは、活用法が無いワケじゃないけど、持つのは無理だな」
「同感であるな」
諦めた豪鬼と、複製した剣を消し去った斬鬼が椅子に腰かけ直した。だが、暗鬼と餓鬼による喧騒はまだ絶えていない。
「大体、君の情けない所を救ってやった恩はどうした!?」
「頼んでねェし、そもそもオメェがアタシを利用したんじゃねェかよっ! そのツケが回ってきたと考えてろよッ!」
「いい加減になさい」
両者の間に割って入り、自身の膨らむお腹を擦った愚母。
だが、その腹を見据える視線の眼光は、これから生まれ出る我が子へ向けるような温かい眼差しではなく――今、愚母を挟んで言い争う餓鬼と暗鬼への、冷たい目線として光っていた。
「もう一度、わたくしの中に還るかしら? そうすれば、餓鬼はその小生意気な口を少しは直してくれるのではなくて?」
「ッ……ヤ、ヤダ。アタシ、今のコレ、気に入ってるし」
愚母の放つ声に気圧され、数歩後ろに下がる餓鬼と――同様に、後ろへと下がりながら目線を合わせぬようにする暗鬼。
「暗鬼も少しは大人びてくれるかもしれないし、いい考えかもしれないですわね」
「……御免だよ、ボクは今でもそれなりに大人びて、貴女の役に立っているつもりなんだけどな、愚母」
強がるように、平静を保った声で拒絶した暗鬼だったが、僅かに足が震えている。カルファスにされた事もそうだが、それと同じくらいに、愚母の言う『中に還る』という言葉に恐ろしさを感じたのだろう。
「よろしい。……二人はわたくしにとっても大切な子であるのですから、貴方達のリセットなんかしたくないわ。せめて再生だけに留めさせて頂きたいですわ」
鋭い眼を閉じ、柔らかな笑みを浮かべた後は、頭一つ分小さな二者の頭を撫でた愚母。
そこでようやく次の話に移る事が出来ると言わんばかりに、彼女が上座の席に座る。
「やはり状況としては、リンナちゃんの変身した、その……魔法少女? という形態が厄介という事ですわね」
「……いや、正直リンナは大した障害にはならないよ」
椅子に腰かけてホッと息を整えた暗鬼が、そこで恐怖を抑え込むことに成功したのか、ようやくいつもの声色で冷静に思考を回した。
「愚母はボクと餓鬼の虚力を一度取り込み、再生をしたんだろう? ならボク達の虚力から思考を読み取り、リンナの事も見たはずだ」
「ええ。餓鬼は随分と痛がっていました。あれは、元々リンナちゃんが持ち得ていた虚力の、何十倍にも相当する虚力量をさらに増大させているとしか思えないわ」
「アレはリンナの感情が高ぶっていたからこそだと思う。カルファスが殺された事、そして何よりクアンタが殺されそうになっていた事とか、そもそも災いっていう謎の存在に狙われている事自体も恐怖だろうしね。そうした積み重ねで暴発した、事故みたいなものだ」
「つまり、暗鬼はあのバカみたいな力をしたリンナが、滅多な事じゃ現れない、と考えている……って事か」
豪鬼がそうまとめると、暗鬼もコクリと頷く。
「そもそもリンナは皇族が守るべき国民だろう? それに刀の生産を進めるという問題もある。ならそう簡単に前線へは出さないだろうし、これからも皇族殺しに集中すれば良いと思うよ」
「んで、偉そうに色々ゴチャゴチャ言ってるけどさぁ、誰を狙うっての?」
「まぁ、順位を付けるとしたらアメリアだけど……愚母はどう思う?」
「わたくしは――彼を狙うのが良いと思いますわ」
ピン、と指で弾いて飛ばされた一枚の写真に写るのは、一人の青年。
銀髪の髪の毛を全て逆上げ、丸い眼鏡で表情を僅かに隠しながらも、その端正な顔立ちをより映えさせている。
「シドニア君の従者、そして今はアメリアちゃんの護衛を務める、サーニス君。
――彼が刀の使い方を学んでしまえば、確実に面倒な事となる。
その前に彼を殺し、ついでにアメリアちゃんも殺してしまいなさい」
いつの間にか暗鬼は暗鬼としての意識を持ち、自分の名が暗鬼であるのだと自覚し、固有能力を理解し、本能に植え付けられた虚力の収集に注力するだけの存在に過ぎない。
だが暗鬼の能力は【生物の脳認識機能を阻害する】という能力であり、この能力は他の名有り――餓鬼や斬鬼等と言った直接戦闘に活かせる能力や、豪鬼のように使い方次第で戦闘にも策略にも用いる事が出来るような汎用性高い物でもなかった。
故に暗鬼は人間の事を学んだ。
外見が人間のそれであるから、シドニア領にあるレアルタ皇国国立図書館に入り浸り、人間の進化や歴史などを学んでいくにつれて、暗鬼は人間をこう評価した。
「多くの人間が敵に回すと面倒だけど、味方にすると役立たずになる存在」
人間の歴史は多くが争いの歴史で、その中で暗鬼が注目した部分は、これまでの歴史で活躍した多くの智将達は、率いる人間ですら愚かな存在であると認識した上で活用すると言う事。
人間の強みは一人ひとりの思考能力ではなく、その群れを形成して言葉によって意思疎通を図る周到さにあり、災いである暗鬼にとってはこの点が非常に厄介だ。
だが、歴史を積み重ねる中で引き起こされた争いの元を辿っても、原因は多くが人間の愚かさ故であり、それは彼らの思考能力が未来を先読みする能力に優れていなかった事に他ならない。
――人間は群れとなると恐ろしいかもしれないが、中から壊してしまえば脆いモノであるという事。
そう理解してしまえば、人間を陥れる事自体は容易い。
暗鬼の能力には制限が多くある。しかしその制限故に一つ一つの能力は【対人間社会】においては最強の実力を有していて、これまで多くの人間を暗殺してきた。
それも、人間が作り出した組織のトップだったり、組織の中核を担う戦力であったり、そうした敵の急所を狙う事が、暗鬼にとっては得意分野であり、そうした技能を信じてこれまで生き永らえて来た筈だ。
――なのに、カルファスにはそうした策略が通じなかった。
――否、通じなかったのではない。通じはしたが、それ以上の力技で捻じ伏せられたのだ。
全身が悲鳴を上げるように痛いと、初めて暗鬼は感じた。
カルファスが流体となり、その流体に全身を覆われると同時に圧縮をし始めて、声を挙げる事など許されぬ一瞬の内に頭の天辺から爪先まですりつぶされてしまった筈なのに、その瞬間が永遠にループしているかのような感覚。
何時まで続くのかが分からない、どれだけこの痛覚を感じていればよいかも分からない。
リンナに殴られた個所はともかく、カルファスによって与えられた痛みは、傷が再生すれば癒えるはずだ。だがそうした再生を行う為に自分の存在が今どうなっているかを理解する必要がある。
なのに痛みで思考が乱されるから、ひょっとして永遠にこのまま痛みを感じ続けるのではないか、という恐怖にまで襲われ、正常な思考を保てるはずもない。
――だが、思いの外早く、暗鬼はまぶたを開き視界を確保し、起き上がる事が出来た。それは、暗鬼が自分で行った再生ではない。
「起きたかしら? 暗鬼」
「ッ、ぐ……愚……母」
「お話は全て貴方から、餓鬼から、そして豪鬼から聞いていますわ。わたくしの想定を超えて、遥かに面倒な子だったみたいですわね、カルファスちゃんも、リンナちゃんも」
カルファス。
その名前を聞いただけで、暗鬼の身体がブルリと震えた。
寝そべっていた長机から飛び起き、全身を襲う寒気を感じていたくなくて、二の腕を擦りながら身体を温めるようにするが、しかしその寒気は身体の寒さではなく、心からくる寒さなのだと理解したときは、動悸も止まらなくなった。
「ハ……、ハ……ッ!」
「あらあら。そんなに怖かったのかしら」
「煩い……っ!」
「アハハッ、アンタでもそんなみっともなく震える事もあんのねェ!」
「黙れよ餓鬼ッ! あのままリンナにやられた傷で膿んで死ねば良かったのにッ!」
怒りと恐怖から冷静でいられなかった暗鬼がおもむろに立ち上がり、近くで椅子に腰かけて暗鬼の事を嘲笑った餓鬼の胸倉を掴み、叫び散らすと、彼女も彼女で暗鬼を睨みつけた後、暗鬼の胸元を撫でるように触れる。
「ガチで燃やされてぇって事?」
「やってみなよ。君の能力に関しては君自身よりボクの方が詳しいんだよ。それより君の記憶を操作出来るボクの方が優位って事を忘れるな」
「アンタの能力は人間にしか効かねぇじゃねェの?」
「それ、ボクが試して無いと思ってる? とっくに検証済みだよ。どうなるか君自身で試してみるって手もあるけど、その前に頭をイカレさせてやろうか?」
一触即発と言った様子の二者と、ため息をつきながら見守る愚母、そして我関せずと言った様子の豪鬼と斬鬼が、世間話としゃれこんだ。
「斬鬼、イルメールの……あのバカデカい剣、アレは、斬鬼的には奪えるのか?」
「奪えはした。奪えはしたが、重量故に己でも取り扱うのは難しい」
椅子から立ち上がった斬鬼が、自身の右手を何もない場所へとかざすようにしたが、しかし一瞬でその場に精製されたのは、イルメールが普段用いている、豪剣。
「ん……ぐぅ……っ」
試しに、持ち上げて見ようと柄を握り、踏ん張った豪鬼だったが、しかし重量は見た目よりも数倍は重く、おおよそ数トンはあろうと目せる。それを悠々と振り回している所が、イルメールの異常さを物語っている事だろう。
「……うん、これは、活用法が無いワケじゃないけど、持つのは無理だな」
「同感であるな」
諦めた豪鬼と、複製した剣を消し去った斬鬼が椅子に腰かけ直した。だが、暗鬼と餓鬼による喧騒はまだ絶えていない。
「大体、君の情けない所を救ってやった恩はどうした!?」
「頼んでねェし、そもそもオメェがアタシを利用したんじゃねェかよっ! そのツケが回ってきたと考えてろよッ!」
「いい加減になさい」
両者の間に割って入り、自身の膨らむお腹を擦った愚母。
だが、その腹を見据える視線の眼光は、これから生まれ出る我が子へ向けるような温かい眼差しではなく――今、愚母を挟んで言い争う餓鬼と暗鬼への、冷たい目線として光っていた。
「もう一度、わたくしの中に還るかしら? そうすれば、餓鬼はその小生意気な口を少しは直してくれるのではなくて?」
「ッ……ヤ、ヤダ。アタシ、今のコレ、気に入ってるし」
愚母の放つ声に気圧され、数歩後ろに下がる餓鬼と――同様に、後ろへと下がりながら目線を合わせぬようにする暗鬼。
「暗鬼も少しは大人びてくれるかもしれないし、いい考えかもしれないですわね」
「……御免だよ、ボクは今でもそれなりに大人びて、貴女の役に立っているつもりなんだけどな、愚母」
強がるように、平静を保った声で拒絶した暗鬼だったが、僅かに足が震えている。カルファスにされた事もそうだが、それと同じくらいに、愚母の言う『中に還る』という言葉に恐ろしさを感じたのだろう。
「よろしい。……二人はわたくしにとっても大切な子であるのですから、貴方達のリセットなんかしたくないわ。せめて再生だけに留めさせて頂きたいですわ」
鋭い眼を閉じ、柔らかな笑みを浮かべた後は、頭一つ分小さな二者の頭を撫でた愚母。
そこでようやく次の話に移る事が出来ると言わんばかりに、彼女が上座の席に座る。
「やはり状況としては、リンナちゃんの変身した、その……魔法少女? という形態が厄介という事ですわね」
「……いや、正直リンナは大した障害にはならないよ」
椅子に腰かけてホッと息を整えた暗鬼が、そこで恐怖を抑え込むことに成功したのか、ようやくいつもの声色で冷静に思考を回した。
「愚母はボクと餓鬼の虚力を一度取り込み、再生をしたんだろう? ならボク達の虚力から思考を読み取り、リンナの事も見たはずだ」
「ええ。餓鬼は随分と痛がっていました。あれは、元々リンナちゃんが持ち得ていた虚力の、何十倍にも相当する虚力量をさらに増大させているとしか思えないわ」
「アレはリンナの感情が高ぶっていたからこそだと思う。カルファスが殺された事、そして何よりクアンタが殺されそうになっていた事とか、そもそも災いっていう謎の存在に狙われている事自体も恐怖だろうしね。そうした積み重ねで暴発した、事故みたいなものだ」
「つまり、暗鬼はあのバカみたいな力をしたリンナが、滅多な事じゃ現れない、と考えている……って事か」
豪鬼がそうまとめると、暗鬼もコクリと頷く。
「そもそもリンナは皇族が守るべき国民だろう? それに刀の生産を進めるという問題もある。ならそう簡単に前線へは出さないだろうし、これからも皇族殺しに集中すれば良いと思うよ」
「んで、偉そうに色々ゴチャゴチャ言ってるけどさぁ、誰を狙うっての?」
「まぁ、順位を付けるとしたらアメリアだけど……愚母はどう思う?」
「わたくしは――彼を狙うのが良いと思いますわ」
ピン、と指で弾いて飛ばされた一枚の写真に写るのは、一人の青年。
銀髪の髪の毛を全て逆上げ、丸い眼鏡で表情を僅かに隠しながらも、その端正な顔立ちをより映えさせている。
「シドニア君の従者、そして今はアメリアちゃんの護衛を務める、サーニス君。
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