3 / 191
第一章
城坂織姫-01
しおりを挟む
現地時間、2089年6月25日、2030時。
日本AD総合学園諸島。AD総合学園島空港内・喫茶アンドロ。
オレ――城坂織姫は、注文したオレンジジュースが届くまでの間、予め用意されていたタブレット端末内の書類データへ目を通し、記載漏れが無いかどうかを確認していた。
城坂織姫、十二月二十四日生まれ、現在は十五歳。編入先はAD総合学園高等部パイロット科、一年Cクラス。
何度も確認をした事ではあるが、尚も確認を怠らずに行った所で、注文したオレンジジュースが運ばれて来たので、備え付けのストローを差し込み、飲む。
喉を潤す酸味、スッと通るオレンジの風味が、喉だけで無く心すら潤すように感じられ、オレはフゥ、と息をつく。
「姫ちゃん」
そんなオレに声をかけてくる、一人の女性が居た。
綺麗な黒髪を首元まで伸ばし、前髪は真ん中で分けられて、表情は良く見える。
目鼻が整った麗しい顔立ち。大人びた笑みを浮かべた女性は、スーツ姿を見せびらかした後、オレの対面席へと腰かけた。
「私の事、覚えてる?」
首を傾げて訊ねる女性の言葉に、オレは首を振る他無かった。
このタブレットを用意した人物である、という事はわかる。だが、彼女がそうであると言う証拠はないし――単純に彼女との時間が、オレの記憶上に無いのだ。
「そうよね。最後に会ったのは、貴方が四歳の頃だったもの」
「姉ちゃん――で、いいのか?」
「ええ。私は、貴方の姉ちゃんよ」
城坂聖奈。齢二十八歳の女性でありながら、日本AD総合学園の理事長を務めている。
姓と、そして彼女の自己紹介通り――オレとは血が繋がった、家族と言う事になる。
「本当に、会えて嬉しい。もう二度と会えないかと思ってた」
「オレも、今更家族と会えるなんて、思いもしなかった」
「さ、疲れたでしょう。まずは転入手続きを簡単に終わらせましょう」
彼女――姉ちゃんは、ハンドバックの中に入れていたタブレット端末を取り出して、オレが持つタブレットから無線通信でデータを受け取った。
「……うん、よし。書類は万全ね。明日から貴方は、このAD学園の生徒になる」
「学校、か」
「夢みたい?」
「そう、だね。これも、思いもしなかった」
「人生ってのは長いもの。何があるかは分からないのよ」
「よく、分からない」
「これから分かっていく。今貴方が知っている事が、世界の全てってわけじゃない」
オレはオレンジジュースを。姉ちゃんは運ばれてきた水を、入っていた氷ごと噛み砕いて飲み干した。
「じゃあ、帰りましょうか」
「オレの、帰る場所って」
「貴方がこれから住む場所が、貴方の帰る場所よ」
オレの手を握る、姉ちゃんの手。その手は――マークよりは小さい、女性の手だった。
彼女に手を引かれて歩き出し、空港のロビーを抜けて、AD学園を一望する。
そこかしこを、ADが飛び回っている。
軍用兵器が飛び回っているにも関わらず、目の前に広がる大都市とも形容できる景色の中で、人々は日常を満喫している光景が、オレには何とも異様な光景に思えた。
姉ちゃんが近くに居たタクシーを捕まえて二人で乗り込むが、オレは窓から見える景色をずっと見続けている。
――2041年。日本のとある会社がパワードスーツの延長線上として、AD――アーマード・ユニットの根幹を生み出した。
当初、宇宙開発を目的として作られていたそれは、戦闘能力を持っていた事が非常に注目されたのだ。
来るべき宇宙人との対話を考えられた、対話する為の兵器。
だがそれは、当初の目的とは違う場所で活躍する事となる。
言わずもがな、軍隊である。
2053年。このADという物は全世界で使用される事になり、そして今やこのADの技術開発が、国家間の力量になると言っても過言ではない所まで来ている。
そこで設立されたものが、AD総合学園だ。
十二歳以上の子供は、AD総合学園のテストを受けることが出来、合格すれば入学金や費用などは防衛省及び文科省が受け持ち、最新鋭の機体で教育を受けることが出来る教育制度を導入した。
横須賀基地の近海に人工諸島を作り出し、島を丸々学園として運用する事で、子供たちは学園で日々を過ごし――そしてADの技術を学んでいく。
オレがタクシーから降ろされた場所も、AD総合学園島にある一つの学生寮だった。
十五階建ての高層マンション。ロビー前で姉ちゃんに一つのカードキィを手渡された。五階にある505号室を割り当てられており、そこに住むよう指示される。
「じゃあ、明日また迎えに来るから。今日はゆっくり休みなさい」
「ありがとう」
「家族だもの。この位当然よ」
ニッコリと笑った姉の表情に、オレは笑顔を向ける事は無い。走り去っていったタクシーの姿が見えなくなった事を確認すると、オレはマンションへ入ってエレベーターに乗り、五階へ。
505号室の扉前に立って、鍵がかかっている事を確認すると、扉に備えられていたカードキィタイプの鍵に、手渡されたカードキィを接触させる。
ピッ、と。音を鳴らしながら開錠された事を確認、オレはドアノブに触れた。
スライドドアが開け放たれ、俺は部屋に入った――その時に気が付く。
部屋の中に、誰かいる。いや、誰かいる所では無い。
505号室の部屋は、まるで今も尚、人が住んでいるかのように整理され、そして生活必需品に満ち溢れている。
入り口近くに用意されたキッチンには、使い古された冷蔵庫、電子レンジ、そしてIHクッキングヒーターとガスコンロが置かれ、今も電子レンジは稼働していた。
おまけにキッチンの奥にあるリビングには、電源の付いたテレビもあれば、ソファは先ほどまで人が居たように衣服が脱ぎ捨てられている。
しかもスカートだ。この日本と言う国は、現在2089年になろうとも、男性がスカートを履く文化は無い筈だ。必然的に女性が住んでいる、という事になる。
だが与えられたカードキィも反応し、姉ちゃんにも505号室である事を確認した上でこの部屋に入ったので、オレが入る部屋を間違えた、という事は無い筈だ。
一体、誰が。
つい警戒し、着込んでいたズボンの後ろポケットに手が伸びそうになったが、そこにもう銃は無い。震える手をギュッと握りしめ、溜息をついて靴を脱ぎ、部屋内を歩く。
キッチンはしっかりと清掃が行き届いている。油汚れ一つなければ、洗い物もキッチリと全自動食洗器へと入れられ、今も稼働している。
同じく稼働していた電子レンジが今音を鳴らして停止した。中に入っていたのは、水を入れて加熱するタイプのインスタント味噌汁だった。レンジに入れるなと書いてある。
リビングへと入る。テレビは国営放送のニュースを流し、パソコンは先ほどまで調べ物をしていたのか、そちらもニュースサイトの画面が映し出されていた。ちなみに記事は『USA・UIG襲撃』の記事である。
リビングの机には、様々な可愛らしいキャラクターの小物が置かれているし、ソファには先ほども見た女性用の衣服が転がっている事から、何となく想像が出来る。
――今、この家に住んでいるのは、若い女だ。
携帯端末を取り出し、先ほど連絡先交換をした姉ちゃんに電話をかけようとした……その時。
ガチャ、と。ドアの開閉音が鳴り響いた。リビングの隣にある、恐らく風呂場へと続いているだろうドアからだ。オレがそちらに視線を向けると。
「あ――」
やはりと言うか何と言うか、女性がそこにはいた。橙色の髪は背中まで下されており、所々に水滴が付着していて、今フローリングに滴った。
顔立ちは、所謂美少女と形容すべき綺麗な顔立ちをしていた。目はクリッと丸く、鼻もスッと伸びているし、おまけに薄い桃色の唇は、入浴の後だからか綺麗に光っていて、輝きを見せびらかしている。
肩にかけられたタオルにより乳房は一部隠れているが、大きさは非常に目を引いた。少女が一呼吸する度に揺れる乳房は重力に逆らい天へと向いており、非常にハリがある。
かと思えば、腰まで続く体のラインはキュッと締まってクビレを魅せている。だが肉が無いわけでは無く、腹筋には適度な筋肉が身についていた。
ヒップも肩幅まで肥大化した綺麗な丸。秘部は女性用下着により隠れ、容貌を見ることは叶わなかったが、そこから伸びる脚部も綺麗なカーブを描いているし、適度な肉を身に着けた……何と言っていいだろう。「カモシカの足に似たスラリと綺麗な足をしていた」、と言う表現は月並みだろうか。実際のカモシカはキチンと筋肉が付けられているガッシリとした足つきらしいが。
ここまで事細かに観察をしたオレを、変態と罵る事無かれ。
その、神秘的な魅力――彼女の女体には、それ程の魔力があったのだ。
一人の男として、それ程までに整った女性の肢体を見せつけられて、目を離せる筈がない。
――オレの視線は、彼女に釘づけだった。
正体不明の彼女へと熱い視線を送る時間は、酷く長く感じられたが、実際には一分も経っていないと思われる。
「あの」
オレが呆然としていると、彼女は恐る恐ると言わんばかりに胸元に手をやり、だが、しっかりと一言一言を発音した。
「織姫お兄ちゃん……だよね?」
織姫……お兄ちゃん?
オレは彼女の言葉に驚きながら、だが確かに名は正しいと、頷いた瞬間。
彼女は瞳に涙を浮かべ、フローリングを蹴り付けて、オレへ腕を広げて、飛びついてきた。
彼女の程よく重たい体重に圧されて、フローリングへ背を預けたオレ。そんなオレの身体に、大きな乳房を乗せながら、ギュッとオレの身体を抱きしめる少女。
「会いたかった……会いたかったよ、お兄ちゃん……っ!」
彼女は、ボロボロと流れる涙を、止める事無く、太陽のような輝かしい笑顔を向けて、オレへ思いの丈をぶつけた。
日本AD総合学園諸島。AD総合学園島空港内・喫茶アンドロ。
オレ――城坂織姫は、注文したオレンジジュースが届くまでの間、予め用意されていたタブレット端末内の書類データへ目を通し、記載漏れが無いかどうかを確認していた。
城坂織姫、十二月二十四日生まれ、現在は十五歳。編入先はAD総合学園高等部パイロット科、一年Cクラス。
何度も確認をした事ではあるが、尚も確認を怠らずに行った所で、注文したオレンジジュースが運ばれて来たので、備え付けのストローを差し込み、飲む。
喉を潤す酸味、スッと通るオレンジの風味が、喉だけで無く心すら潤すように感じられ、オレはフゥ、と息をつく。
「姫ちゃん」
そんなオレに声をかけてくる、一人の女性が居た。
綺麗な黒髪を首元まで伸ばし、前髪は真ん中で分けられて、表情は良く見える。
目鼻が整った麗しい顔立ち。大人びた笑みを浮かべた女性は、スーツ姿を見せびらかした後、オレの対面席へと腰かけた。
「私の事、覚えてる?」
首を傾げて訊ねる女性の言葉に、オレは首を振る他無かった。
このタブレットを用意した人物である、という事はわかる。だが、彼女がそうであると言う証拠はないし――単純に彼女との時間が、オレの記憶上に無いのだ。
「そうよね。最後に会ったのは、貴方が四歳の頃だったもの」
「姉ちゃん――で、いいのか?」
「ええ。私は、貴方の姉ちゃんよ」
城坂聖奈。齢二十八歳の女性でありながら、日本AD総合学園の理事長を務めている。
姓と、そして彼女の自己紹介通り――オレとは血が繋がった、家族と言う事になる。
「本当に、会えて嬉しい。もう二度と会えないかと思ってた」
「オレも、今更家族と会えるなんて、思いもしなかった」
「さ、疲れたでしょう。まずは転入手続きを簡単に終わらせましょう」
彼女――姉ちゃんは、ハンドバックの中に入れていたタブレット端末を取り出して、オレが持つタブレットから無線通信でデータを受け取った。
「……うん、よし。書類は万全ね。明日から貴方は、このAD学園の生徒になる」
「学校、か」
「夢みたい?」
「そう、だね。これも、思いもしなかった」
「人生ってのは長いもの。何があるかは分からないのよ」
「よく、分からない」
「これから分かっていく。今貴方が知っている事が、世界の全てってわけじゃない」
オレはオレンジジュースを。姉ちゃんは運ばれてきた水を、入っていた氷ごと噛み砕いて飲み干した。
「じゃあ、帰りましょうか」
「オレの、帰る場所って」
「貴方がこれから住む場所が、貴方の帰る場所よ」
オレの手を握る、姉ちゃんの手。その手は――マークよりは小さい、女性の手だった。
彼女に手を引かれて歩き出し、空港のロビーを抜けて、AD学園を一望する。
そこかしこを、ADが飛び回っている。
軍用兵器が飛び回っているにも関わらず、目の前に広がる大都市とも形容できる景色の中で、人々は日常を満喫している光景が、オレには何とも異様な光景に思えた。
姉ちゃんが近くに居たタクシーを捕まえて二人で乗り込むが、オレは窓から見える景色をずっと見続けている。
――2041年。日本のとある会社がパワードスーツの延長線上として、AD――アーマード・ユニットの根幹を生み出した。
当初、宇宙開発を目的として作られていたそれは、戦闘能力を持っていた事が非常に注目されたのだ。
来るべき宇宙人との対話を考えられた、対話する為の兵器。
だがそれは、当初の目的とは違う場所で活躍する事となる。
言わずもがな、軍隊である。
2053年。このADという物は全世界で使用される事になり、そして今やこのADの技術開発が、国家間の力量になると言っても過言ではない所まで来ている。
そこで設立されたものが、AD総合学園だ。
十二歳以上の子供は、AD総合学園のテストを受けることが出来、合格すれば入学金や費用などは防衛省及び文科省が受け持ち、最新鋭の機体で教育を受けることが出来る教育制度を導入した。
横須賀基地の近海に人工諸島を作り出し、島を丸々学園として運用する事で、子供たちは学園で日々を過ごし――そしてADの技術を学んでいく。
オレがタクシーから降ろされた場所も、AD総合学園島にある一つの学生寮だった。
十五階建ての高層マンション。ロビー前で姉ちゃんに一つのカードキィを手渡された。五階にある505号室を割り当てられており、そこに住むよう指示される。
「じゃあ、明日また迎えに来るから。今日はゆっくり休みなさい」
「ありがとう」
「家族だもの。この位当然よ」
ニッコリと笑った姉の表情に、オレは笑顔を向ける事は無い。走り去っていったタクシーの姿が見えなくなった事を確認すると、オレはマンションへ入ってエレベーターに乗り、五階へ。
505号室の扉前に立って、鍵がかかっている事を確認すると、扉に備えられていたカードキィタイプの鍵に、手渡されたカードキィを接触させる。
ピッ、と。音を鳴らしながら開錠された事を確認、オレはドアノブに触れた。
スライドドアが開け放たれ、俺は部屋に入った――その時に気が付く。
部屋の中に、誰かいる。いや、誰かいる所では無い。
505号室の部屋は、まるで今も尚、人が住んでいるかのように整理され、そして生活必需品に満ち溢れている。
入り口近くに用意されたキッチンには、使い古された冷蔵庫、電子レンジ、そしてIHクッキングヒーターとガスコンロが置かれ、今も電子レンジは稼働していた。
おまけにキッチンの奥にあるリビングには、電源の付いたテレビもあれば、ソファは先ほどまで人が居たように衣服が脱ぎ捨てられている。
しかもスカートだ。この日本と言う国は、現在2089年になろうとも、男性がスカートを履く文化は無い筈だ。必然的に女性が住んでいる、という事になる。
だが与えられたカードキィも反応し、姉ちゃんにも505号室である事を確認した上でこの部屋に入ったので、オレが入る部屋を間違えた、という事は無い筈だ。
一体、誰が。
つい警戒し、着込んでいたズボンの後ろポケットに手が伸びそうになったが、そこにもう銃は無い。震える手をギュッと握りしめ、溜息をついて靴を脱ぎ、部屋内を歩く。
キッチンはしっかりと清掃が行き届いている。油汚れ一つなければ、洗い物もキッチリと全自動食洗器へと入れられ、今も稼働している。
同じく稼働していた電子レンジが今音を鳴らして停止した。中に入っていたのは、水を入れて加熱するタイプのインスタント味噌汁だった。レンジに入れるなと書いてある。
リビングへと入る。テレビは国営放送のニュースを流し、パソコンは先ほどまで調べ物をしていたのか、そちらもニュースサイトの画面が映し出されていた。ちなみに記事は『USA・UIG襲撃』の記事である。
リビングの机には、様々な可愛らしいキャラクターの小物が置かれているし、ソファには先ほども見た女性用の衣服が転がっている事から、何となく想像が出来る。
――今、この家に住んでいるのは、若い女だ。
携帯端末を取り出し、先ほど連絡先交換をした姉ちゃんに電話をかけようとした……その時。
ガチャ、と。ドアの開閉音が鳴り響いた。リビングの隣にある、恐らく風呂場へと続いているだろうドアからだ。オレがそちらに視線を向けると。
「あ――」
やはりと言うか何と言うか、女性がそこにはいた。橙色の髪は背中まで下されており、所々に水滴が付着していて、今フローリングに滴った。
顔立ちは、所謂美少女と形容すべき綺麗な顔立ちをしていた。目はクリッと丸く、鼻もスッと伸びているし、おまけに薄い桃色の唇は、入浴の後だからか綺麗に光っていて、輝きを見せびらかしている。
肩にかけられたタオルにより乳房は一部隠れているが、大きさは非常に目を引いた。少女が一呼吸する度に揺れる乳房は重力に逆らい天へと向いており、非常にハリがある。
かと思えば、腰まで続く体のラインはキュッと締まってクビレを魅せている。だが肉が無いわけでは無く、腹筋には適度な筋肉が身についていた。
ヒップも肩幅まで肥大化した綺麗な丸。秘部は女性用下着により隠れ、容貌を見ることは叶わなかったが、そこから伸びる脚部も綺麗なカーブを描いているし、適度な肉を身に着けた……何と言っていいだろう。「カモシカの足に似たスラリと綺麗な足をしていた」、と言う表現は月並みだろうか。実際のカモシカはキチンと筋肉が付けられているガッシリとした足つきらしいが。
ここまで事細かに観察をしたオレを、変態と罵る事無かれ。
その、神秘的な魅力――彼女の女体には、それ程の魔力があったのだ。
一人の男として、それ程までに整った女性の肢体を見せつけられて、目を離せる筈がない。
――オレの視線は、彼女に釘づけだった。
正体不明の彼女へと熱い視線を送る時間は、酷く長く感じられたが、実際には一分も経っていないと思われる。
「あの」
オレが呆然としていると、彼女は恐る恐ると言わんばかりに胸元に手をやり、だが、しっかりと一言一言を発音した。
「織姫お兄ちゃん……だよね?」
織姫……お兄ちゃん?
オレは彼女の言葉に驚きながら、だが確かに名は正しいと、頷いた瞬間。
彼女は瞳に涙を浮かべ、フローリングを蹴り付けて、オレへ腕を広げて、飛びついてきた。
彼女の程よく重たい体重に圧されて、フローリングへ背を預けたオレ。そんなオレの身体に、大きな乳房を乗せながら、ギュッとオレの身体を抱きしめる少女。
「会いたかった……会いたかったよ、お兄ちゃん……っ!」
彼女は、ボロボロと流れる涙を、止める事無く、太陽のような輝かしい笑顔を向けて、オレへ思いの丈をぶつけた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
昔好きだったお姉さんが不倫されたので落としに行ったら後輩からも好かれていた
九戸政景
恋愛
高校三年生の柴代大和は、小学校一年生の頃からの付き合いである秋田泰希の姉である夕希に恋心を抱いていたが、夕希の結婚をきっかけに恋心を諦めていた。
そして小学生の頃の夢を見た日、泰希から大和は夕希の離婚を伝えられ、それと同時にある頼みをされる。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる