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普通に生きてきた。
明るくなれば起きる、学校に行く、授業はある程度聞く、勉強も運動も程々に出来る。話す友人もそこそこに居るし、家に帰るときはいつも同じ友人と教師の愚痴なんか言いながら帰った。家につけばリビングでテレビを見て、暗くなれば夕食を食べ風呂に入って寝る。趣味も特技も特にない、というか朱に交わって赤くなっとけばいいのだから必要ない、顔もおそらく平均的だろう、友人いわく、整っているがそれ以上でも以下でもないらしい。
ここまで聞いて分かる通り、自分には特徴がない。何なら特徴が無いのが特徴みたいなものだ。だってそっちの方が生きやすいじゃないか、例えばクラスの集まりなんかで呼ばれた時面倒で行かなくても成立してしまう。寂しい奴だとか、負け惜しみだとか思われるかもしれないけど、一生絡まなければならない訳でもないし、自分の発言で何か変わる訳でもない、変ったとしてそんな責任負いたくない。つまり傍観者でありたい。傍観者である限り自分は自分の道を歩き続けることが出来る。
そう思っていた、イヤ、そう思っていられたら良かった
人というのは、考えが変わるときが絶対に来る、大きな失敗をした時、他人の言葉に深く関心を示した時、好きな人が出来た時。
あの日、桜に染まった、新しくも同じ日々の始まりの日、高校の教室であの子を見た。綺麗だと思った。凛とした表情に、髪は黒く長髪で、肌は白く、澄んだ瞳をしており、笑顔になれば周りすら色が変わった気がした。運良く彼女は自分の隣で、こちらを見てニコリと笑って何かを口にしようとした時、他の男子が来た。どうやら同じ中学の友人のようだ。話が終わった後彼女がこちらに話しかける暇なくホームルームが始まりそのまま友人と帰ってしまった。その時は特に何とも思わなかったんだ、別に今日だけしか話せない訳じゃないと思ったから。でもその日の夜に思い出したんだ、自分が傍観者である事を、そして気づいたんだ、自分が色の無い透明人間だという事に。
ものすごく嫌だったんだ、彼女を見るだけの自分が、彼女に見られない自分がものすごく嫌だったんだ。
その日自分は自分の色を作ろうと思った。誰にも染まらない自分の色を、彼女に見てもらうために、
きっとそれがすべての間違いだったのだろう、特徴が無いのが特徴、色が無いのが自分だろ、透明人間なんだから、自分ぐらい見失うなよ。
明るくなれば起きる、学校に行く、授業はある程度聞く、勉強も運動も程々に出来る。話す友人もそこそこに居るし、家に帰るときはいつも同じ友人と教師の愚痴なんか言いながら帰った。家につけばリビングでテレビを見て、暗くなれば夕食を食べ風呂に入って寝る。趣味も特技も特にない、というか朱に交わって赤くなっとけばいいのだから必要ない、顔もおそらく平均的だろう、友人いわく、整っているがそれ以上でも以下でもないらしい。
ここまで聞いて分かる通り、自分には特徴がない。何なら特徴が無いのが特徴みたいなものだ。だってそっちの方が生きやすいじゃないか、例えばクラスの集まりなんかで呼ばれた時面倒で行かなくても成立してしまう。寂しい奴だとか、負け惜しみだとか思われるかもしれないけど、一生絡まなければならない訳でもないし、自分の発言で何か変わる訳でもない、変ったとしてそんな責任負いたくない。つまり傍観者でありたい。傍観者である限り自分は自分の道を歩き続けることが出来る。
そう思っていた、イヤ、そう思っていられたら良かった
人というのは、考えが変わるときが絶対に来る、大きな失敗をした時、他人の言葉に深く関心を示した時、好きな人が出来た時。
あの日、桜に染まった、新しくも同じ日々の始まりの日、高校の教室であの子を見た。綺麗だと思った。凛とした表情に、髪は黒く長髪で、肌は白く、澄んだ瞳をしており、笑顔になれば周りすら色が変わった気がした。運良く彼女は自分の隣で、こちらを見てニコリと笑って何かを口にしようとした時、他の男子が来た。どうやら同じ中学の友人のようだ。話が終わった後彼女がこちらに話しかける暇なくホームルームが始まりそのまま友人と帰ってしまった。その時は特に何とも思わなかったんだ、別に今日だけしか話せない訳じゃないと思ったから。でもその日の夜に思い出したんだ、自分が傍観者である事を、そして気づいたんだ、自分が色の無い透明人間だという事に。
ものすごく嫌だったんだ、彼女を見るだけの自分が、彼女に見られない自分がものすごく嫌だったんだ。
その日自分は自分の色を作ろうと思った。誰にも染まらない自分の色を、彼女に見てもらうために、
きっとそれがすべての間違いだったのだろう、特徴が無いのが特徴、色が無いのが自分だろ、透明人間なんだから、自分ぐらい見失うなよ。
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