25 / 32
男尊女卑
22
しおりを挟む
女性の呼吸は安定していて静かだ。
ちゃんと休めているようで安心した。
部屋のあちこちに散らばって掃除を始めた3人は赤面して無言のまま作業を続けている。
一方、机に向かって仕事をしている男は真っ青だ。私の言葉から意図を理解したようだ。
(あんたがこの人を不潔放置したときにおまるを使わせたんだから、あんただってそうされるんだからね)
前世奥の初夜後の記憶では、奴が部屋に戻ってくるまでトイレにも行けなかったのだと。垂れ流しではなくおまるだったのは、男なりの情けだったのか趣味だったのか。
(絶対やり返す!)
ギラギラした目で男を見つめていると、姿は見えなくとも邪な考えを持たれていることは感じるのか男の手が震えた。
(やっぱり私は幽霊なんだろうか? 前世の私は霊感がある? だから気配を感じてるとか?)
神様は業を解消するまでは死なせられない、と言っていたのに。
掃除をしているメイド達も精神体の私に気付くのか疑問に思い、近寄ってみた。が、彼女たちはまったく何も感じることは無いようで、あっという間に破廉恥汁を片付け、扉や床を綺麗にし、脱ぎ捨てた二人分の湿った服を籠に入れ、先程持ってきてもらった軽食の銀トレイも持って、頼んだおまるを部屋の隅に置くと下がっていった。
「失礼いたします」
プロフェッショナルな彼女たちは何も口に出さないが、きっとこの部屋の有様はあっという間に屋敷中の人間(シャンティちゃん除く)に知れ渡ることだろうと思われた。
(まあ、どっちが突っ込んでいるのか分からないだろうし、主人夫婦が仲良くしてるってことで認識されるだけで問題はないでしょ)
私は改めて前世奥の元に戻った。
目を覚ます様子はない。余程疲れているようだ。
(この分じゃこの人の体でお仕置き出来ないかも。神様も神なんだったら体が弱い人を使うなんてしなきゃいいのに。使わせてもらうなら、体力増強するとか病気治すとかフォローしとけって話だよね)
神への不満をチラッと持った途端、目の前の女性の瞳がぱっちり開いた。
寝乱れた亜麻色の髪をおさえつつ、青い目で自分の周囲を見回した。
「一体、何が……?」
彼女は机に向かう自分の夫に視線をやると、寝そべっていた寝具から跳ねるように起き上がった。
(あ、そういえば神様って口に出さなくても考え読めるんだったわー)
神への悪口を言わないで良かった、と自分にグッジョブしつつ、フォローの感謝を捧げておく。
「旦那、さま? これは……? あの、シャンティは?」
どういう経緯でこうなったのか分からないらしい。
どうやら前世奥には私が取り憑いていた時の記憶はないようだ。
「……」
自分の夫が答えてくれないことに、前世奥の表情が陰った。
しかし彼が返事をしないのは故意ではない。
私が仕事をすることだけを許可したので、彼女に返事をすることが出来ないのだった。
(彼女を傷つけるつもりはないから、とっととお仕置きしよ)
夫に蔑ろにされていると更に傷ついてしまう前に、私は彼女の体の中に飛び込んだ。
ちゃんと休めているようで安心した。
部屋のあちこちに散らばって掃除を始めた3人は赤面して無言のまま作業を続けている。
一方、机に向かって仕事をしている男は真っ青だ。私の言葉から意図を理解したようだ。
(あんたがこの人を不潔放置したときにおまるを使わせたんだから、あんただってそうされるんだからね)
前世奥の初夜後の記憶では、奴が部屋に戻ってくるまでトイレにも行けなかったのだと。垂れ流しではなくおまるだったのは、男なりの情けだったのか趣味だったのか。
(絶対やり返す!)
ギラギラした目で男を見つめていると、姿は見えなくとも邪な考えを持たれていることは感じるのか男の手が震えた。
(やっぱり私は幽霊なんだろうか? 前世の私は霊感がある? だから気配を感じてるとか?)
神様は業を解消するまでは死なせられない、と言っていたのに。
掃除をしているメイド達も精神体の私に気付くのか疑問に思い、近寄ってみた。が、彼女たちはまったく何も感じることは無いようで、あっという間に破廉恥汁を片付け、扉や床を綺麗にし、脱ぎ捨てた二人分の湿った服を籠に入れ、先程持ってきてもらった軽食の銀トレイも持って、頼んだおまるを部屋の隅に置くと下がっていった。
「失礼いたします」
プロフェッショナルな彼女たちは何も口に出さないが、きっとこの部屋の有様はあっという間に屋敷中の人間(シャンティちゃん除く)に知れ渡ることだろうと思われた。
(まあ、どっちが突っ込んでいるのか分からないだろうし、主人夫婦が仲良くしてるってことで認識されるだけで問題はないでしょ)
私は改めて前世奥の元に戻った。
目を覚ます様子はない。余程疲れているようだ。
(この分じゃこの人の体でお仕置き出来ないかも。神様も神なんだったら体が弱い人を使うなんてしなきゃいいのに。使わせてもらうなら、体力増強するとか病気治すとかフォローしとけって話だよね)
神への不満をチラッと持った途端、目の前の女性の瞳がぱっちり開いた。
寝乱れた亜麻色の髪をおさえつつ、青い目で自分の周囲を見回した。
「一体、何が……?」
彼女は机に向かう自分の夫に視線をやると、寝そべっていた寝具から跳ねるように起き上がった。
(あ、そういえば神様って口に出さなくても考え読めるんだったわー)
神への悪口を言わないで良かった、と自分にグッジョブしつつ、フォローの感謝を捧げておく。
「旦那、さま? これは……? あの、シャンティは?」
どういう経緯でこうなったのか分からないらしい。
どうやら前世奥には私が取り憑いていた時の記憶はないようだ。
「……」
自分の夫が答えてくれないことに、前世奥の表情が陰った。
しかし彼が返事をしないのは故意ではない。
私が仕事をすることだけを許可したので、彼女に返事をすることが出来ないのだった。
(彼女を傷つけるつもりはないから、とっととお仕置きしよ)
夫に蔑ろにされていると更に傷ついてしまう前に、私は彼女の体の中に飛び込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる