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第十九話
しおりを挟むすっかり熟睡してしまっていた。
あれ?先生がいない。
辺りを見渡すと先生の姿はない。
「せんせー!」
呼んでみるも返事がない。
きっと私の寝顔が可愛くて隠れてるんだろうな、そう思っていた。
しばらくすると、先生は入り口のバリケードの隙間に居た。
「先生何してるんですか?」
「しー」
先生はドアに耳を当てて、私に静かにするように言った。
もしかしてゾンビが来たのか!
私は屋上から校庭を見渡すと、そこにはあれだけいたゾンビがいない。
「先生‥‥」
「大丈夫だから、ね?」
私は先生の言うとおり静かにしていた。
その時、ドアの向こうから声が聞こえた。
「おーい、開けてよー」
「先生、誰ですかね?」
「この声からすると‥‥刈谷くんか?」
「えっ生きてたんですか?」
「分からない、開けてみる??」
「そうですね、どっちにしろゾンビではなさそうですし」
先生はドアのチェーンを外すと、ゆっくり開ける。
「先生達やっぱりここにいたんですね!」
そこには全身血だらけの刈谷くんが立っていた。
「刈谷くん!大丈夫か!」
「先生、本当酷いですね!僕を置いて行くなんて」
何故か笑っている刈谷くん。
私にはゾンビより怖く感じた。
「ねぇ、怪我してるの?」
「大した怪我じゃないよ、それより朱理ちゃんが無事でよかったよ」
あれ?刈谷くんなんか普通になってる気がするんだけど気のせいかな。
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