君の人生の中の一瞬の出来事。僕の人生の中では一生の出来事。

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 僕達はまず何をするかと話をした。すると、ゆいちゃんがカラオケでも行こうと言い出したがたいちくんが拒否した為却下。

「じゃあうち来る?」
 ゆいちゃんがそう言うので僕達はお邪魔する事にした。

「おじゃまします」
 僕は女の子の部屋に上がるのは初めてだ、それもゆいちゃんの部屋なんて、僕はドキドキしていた。
 
 たいちくんは幼馴染と言う事もあって、いつも来てるんだろうなと思った。

「適当に座ってて、飲み物持ってくるから」

「お構いなく!」
 僕は緊張と興奮が入り混じったような気持ちになっていた。

 ゆいちゃんが飲み物を持ってきてくれた後はお互いどんな中学校生活を送ったかとか、高校生活はどうかとか話をした。

 その話の中で恋愛の話になった。

「かずきくんは彼女とかいるの?」

「えっいないよ」

「えーモテそうなのに」

 絶対そう思っていないだろう、モテそうなのにと言うのは定番の返し方だと思う。

「ゆ、ゆいちゃんは?‥‥彼氏とか」

「私もいないよー」

「お前と付き合う物好きなんていねえから」

 たいちくんがスマホをいじりながら言った。

「酷い!ほんっと最低。ね?かずきくん」

「う、うん、なんでそんな事言うの?」

「だってこいつ、いびきは凄いし、朝だって俺が起こしてやらねえといつまでも寝てんだぜ?」

 僕は聞き捨てならなかった。

「たいちくんが起こしてるの?!なんで?」

 僕が大きい声を出したものだからゆいちゃんが代わりに答えてくれた。

「いや、話すと長いんだけど、いつの間にか私の事起こしてくれるようになってて」

「ゆいちゃんしっかりしてそうなのに意外だね」

 僕は気になった、すごく気になったけど聞けなかった。それよりもそこまで仲が良い事の方が僕は嫌だった。

「それに今までお前に告白してくるやつなんていなかったしな」

 たいちくんは冷たく言い放った。

「それは分かんないでしょ!告白したくても出来ないだけかもしれないし!」

「まあ俺には関係ないけど」

 気のせいかな、ゆいちゃんのたいちくんを見る目が乙女の目になっているような。

「二人は同じ高校なの?」

「そうだよ、近い所選んだらたまたま」

「たまたま。じゃねえよ、絶対俺の真似しただろ!」

「真似なんかしてないよ!本当たまたまだもん」

「まあまあ」
 僕は何を見せられてるんだろうと思って虚しくなった。

「そういえば、たいちくんは?彼女とかいないの?」

「俺はいるぞ」

 そりゃそうだろう。いないわけがない。

「ちなみに私の友達なんだー!めっちゃ美人なんだよ!あっかずきくんも文化祭の時会ったよ!」

「あ!ゆいちゃんと一緒に来てた子?」

「そうそう!覚えてるでしょ?」

 覚えていない、ゆいちゃんしか見ていなかったから。

「う、うん」

「たいちには勿体無いくらいだよ」

「告白してきたのはあっちなの!俺にそんな事言われても」

 彼女がいるって事はゆいちゃんとは何でもないんだ。しかもゆいちゃんの友達なら尚更。僕は少しホッとした。

「そうだ、今度四人で集まろうよ!絶対楽しいよ!」
 
 ゆいちゃんは僕とたいちくんの顔を交互に見ながら言った。

「そうだね、それもいいかも」

「ダブルデートだね!」

 ゆいちゃんは僕を見て微笑んだ。
 
 ダ、ダブルデート。と言うことはゆいちゃんと二人になるチャンスがあるはず。僕はその瞬間から楽しみになっていた。
 
「ところで、ゆいちゃんは小説よく読むの?」
 
 本棚にある沢山の小説を僕は見逃さなかった。

「うん、特にファンタジーが好きなんだ!」

「へえ!僕もだよ!何が一番好き?」

「私は(一つの失敗から二つの学び)が好きかな」

「僕は読んだ事ないな、それ」

「貸してあげるから読んでみて!」

「ほんと?ありがとう、読んだら感想教えるね!」

「盛り上がってるとこ悪いんだけど、俺そろそろバイトの時間だからさ、行くわ!」

 たいちくんはそう言うと徐に立ち上がり、部屋を出て行った。あれ?もしかしてゆいちゃんと二人っきり?!僕は突然の展開に戸惑いを隠せないでいた。

「たいち行っちゃったね」

 ゆいちゃん、心なしか寂しそうに見える。
 でもそんな事考えてる場合じゃない、どうしよう、いざ二人になると話す事が急に恥ずかしくなってきた。

 いつもたいちくんとセットで、しかもそれを鬱陶しく思ってたのに、すこしでも女子と話せるようにしとけばよかったと、今更後悔していた。

「そうだね、何のバイトしてるんだろ」
 精一杯の返しだった。

「さあ、知らない」

 知らないんかい、何でも知ってると勝手に思ってた。

「ゆいちゃんはバイトとかしてるの?」

「私はしていないよ!かずきくんは?」

「僕もしてないよ、今は部活が忙しいから」

「そうだよね」
 
 ゆいちゃんとは机を挟んで向かい合うように座っているけど、目を見ながら喋るのはまだ慣れないな。


「一つ聞きたいんだけどさ」
 
 ゆいちゃんが僕の事を真っ直ぐ見てきて言った。

「なに?」



「あなた‥‥誰」
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