25 / 75
第25話
しおりを挟む2月11日、ゆいとの約束当日。
その日は学校帰りに近所のスーパーで材料を買い、ゆいの家に向かう。
「そう言えばももは二人にあげるの?」
「その事なんだけど‥‥」
歩きながら前日までの事を全てゆいに説明した。
「そっかぁ。なんか彼氏は可哀想に感じたけど、ももが自分で決めたんだもんね」
「うん。でも嫌とか言ってた割には連絡もこないし、向こうからしてもその程度だったんだと思う」
「いや、それはないでしょ。ただショックで連絡したくても出来ないだけだと思うよ?まぁ来たとしても思わせぶりな態度はしないよね?」
「そのつもり。とにかくきっぱり別れられてよかったと思ってる」
「モテるのも大変なんだね」
「モテるわけじゃなくてたまたまだよ」
「はいはい。じゃあ着いた事だし早速作りますか!」
ゆいの家に到着すると、準備を済ませ、動画を参考に手際良く作っていく。
冬馬さんは甘いもの好きだから何を作っても喜ぶはず。好きな人の為に作るのってこんなにも楽しいんだなと実感していた。
「よしっ!やっと出来た~!もも時間大丈夫?」
「うん!今日はバイトも休みだし全然余裕だよ!」
「冬馬さんにいつ渡すの?」
「今日は会う予定ないから、明日かな!」
「そうなんだ!私も少し早いけど明日たいちに渡してその後デートの予定なんだー」
「いいなぁ。冬馬さんは店を閉めない限り休みがないから私もたまにはデートらしいデートしたいなぁ」
「おねだりしてみたら?話を聞く限り冬馬さんはももにぞっこんみたいだし!」
「確かに!明日言ってみるよ!」
私はゆいの家を後にした。
冬馬さんに早く渡したいなぁ。そんな事を考えながら自分の家まであとすこしのところで冬馬さんに電話をかけることに。
しかし冬馬さんは電話に出なかった。
接客中で気付いてないのだろうとその日は諦めて帰る事に。
翌日、学校帰りにゆいがたいちにチョコを渡していた。たいちは甘いもの好きじゃないとか言いながらも頬が緩んでいた。ゆいの事が本当に好きなんだろうな。そんな光景を横目に私は店に急いだ。
店をドアを開ける。
「おはようございます」
「おはよう、昨日はしっかり遊べた?」
「はい、おかげさまで」
冬馬さんには友達と約束があるからと休みをもらっていた。
「じゃあ着替えてきますね」
私は更衣室に向かった。
店が終わった後に渡そう、そう思いチョコはカバンにしまっていた。
バレンタイン限定のメニューは今日から三日間販売している。
「やっぱり限定メニューがあるとお客さん多いですね!」
「みんな限定には弱いみたい」
「じゃあ私も何か限定でやってみようかな」
「例えば?」
「うーん、そうだなぁ‥‥。思いつきません!」
「ははっ!なんじゃそりゃ!」
冬馬さんと楽しく会話をしながらのバイトは時間が経つのも早い。
「はぁー、今日はよく働きましたね!」
「お疲れ様」
「冬馬さんもお疲れ様です」
そう言いながら私はカバンから頑張って包装したチョコを出して冬馬さんにサラッと渡した。
「えっ、これってもしかして?」
「ちょっと早いですけど、昨日作ったんです」
「あー!友達と約束ってこれの為に?」
「はい」
「そっか、ありがとね」
そう言いながら冬馬さんは嬉しそうに私を抱きしめてくれた。
「食べないんですか?」
「帰ってゆっくり食べるよ、本当ありがとね」
「うぅ、冬馬さん苦しいですよ‥‥」
「あっごめん、嬉しくてつい力が入ってしまって」
「冬馬さん‥‥」
「じゃあ帰ろっか」
「一緒に?」
「ははっ、明日も忙しいと思うし今日は自分の家に帰りな」
「分かりました‥‥」
がっかりしたのが分かったのだろう。
「そんな顔しないの!明日も会えるじゃん」
「分かってますよ。分かってるけど‥‥」
「そうだ!15日店閉めるからさ、デートしようよ」
「えっ!ほんとですか!」
「まだももちゃんとデートしてないからね」
「嬉しいです!学校終わったら速攻で来ますね!」
「もしよかったら学校まで迎え行くよ?」
「いいんですか?」
「そのくらい全然大丈夫だよ」
「やったー!今から楽しみです!」
「じゃあ今日は早く寝て明日に備えないとね」
「はい!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
アラフォーリサの冒険 バズったSNSで退職からリスタート
MisakiNonagase
恋愛
堅実な会社員として働いてきた39歳のリサ。まだまだ現役の母親と二人暮らしで高望みしなければ生活に困ることはなく、それなりに好きなことを楽しんでいた。
周りが結婚したり子育てに追われる様子に焦りがあった時期もあるなか、交際中の彼氏と結婚の話しに発展した際は「この先、母を一人にできない」と心の中引っ掛かり、踏み込めないことが続いてきた。
ある日、うっかりモザイクをかけ忘れインスタグラムに写真を上げたとき、男性から反応が増え、下心と思える内容にも不快はなく、むしろ承認欲求が勝り、気に入った男性とは会い、複数の男性と同時に付き合うことも増え、今を楽しむことにした。
その行動がやがて、ネット界隈で噂となり、会社の同僚達にも伝わり…
リサは退職後、塞ぎ込んでいたが、同じような悩みを抱えていたカナリア(仮名)と話すようになり立ち上がった。ハローワーク経由で職業訓練を受講したり、就活したり、その間知り合ったり仲間と励まし合ったり、生きる活力を取り戻していく…
そして新たな就業先で、メール室に従事する生涯枠採用の翔太という男性と知り合い、リサの人生は変わる…
全20話を予定してます
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
Blue Bird ―初恋の人に再会したのに奔放な同級生が甘すぎるっ‼【完結】
remo
恋愛
「…溶けろよ」 甘く響くかすれた声と奔放な舌にどこまでも落とされた。
本宮 のい。新社会人1年目。
永遠に出来そうもない彼氏を夢見つつ、目の前の仕事に奮闘中。
なんだけど。
青井 奏。
高校時代の同級生に再会した。 と思う間もなく、
和泉 碧。
初恋の相手らしき人も現れた。
幸せの青い鳥は一体どこに。
【完結】 ありがとうございました‼︎
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる