【完結】聖女の私を処刑できると思いました?ふふ、残念でした♪

鈴菜

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転生

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皇族を2人も亡き者にしたカトレアナは大逆罪で牢獄に捕らえられ、処刑の日を待っていました。
そんな彼女がただ望んでいたのは醜くなってしまった身体からいち早く解放されることです。
自身の美貌を誰よりも愛していた彼女には呪いで醜くなった身体は耐えられるものではありませんでした。

そうして作り出したのが魂の乖離かいり魔法。
自身の魂を身体から切り離し、魔力が保つ限り実体の無い霊体となって活動できるようにする魔法です。

そうして乖離魔法で霊体となったカトレアナは帝国中を巡り、世界を巡り、自由を満喫しました。
それは聖女でいる間は帝国の限られた世界しか見ることが許されなかった彼女にとって新鮮な時間でした。

ただ、霊体となった彼女は誰にも認識されません。
カトレアナが霊体となって得た自由は同時に絶対的な孤独でもあったのです。
そうして誰とも関わることの無い孤独の中で、彼女は自分自身が誰か分からなくなっていきました。

やがて彼女の身体の方が処刑され、帝国では第3皇子が王位を継承し、7代目聖女のことが忘れられた頃。


わたしは女の子の声に呼ばれました。

その声に導かれた場所は、崩壊した部屋。
窓は破られ、壁にはヒビが入り床に転がる割れた姿見でかろうじて貴族令嬢の部屋と分かる部屋でした。

唯一原形を保っているのは部屋の中央に置かれているベッドのみ。それも半分以上消し飛んでいますが。
そんなベッドのすぐ側に死にかけの女の子が倒れ込んで、目も虚で生気の無い顔をしていました。

 わたしを呼んだのはあなた?

わたしは返答を期待せずに声をかけます。
霊体となってから誰もわたしを見ません。
誰もわたしの声を聞くことができません。
きっと、この子も同じだろうと思って。

けれど、その女の子は確かにわたしを見ました。
それから小さく口を動かして何か話しています。

『た・す・け・て』

その時わたしは何を考えたのでしょう。
久しぶりに話すことが出来て嬉しかった?
助けを求められて、正義感に駆られた?
それとも余りに惨めで見ていられなかった?

もう思い出せませんね。
ただ、何をしたかだけは覚えています。
わたしは彼女の手に触れ、身体に乗り移りました。

この時こそカトレアナが死んだ瞬間です。
そして、リュミエラが生まれた瞬間。

すなわち、これと言います。
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