女装人間2

女装小説家すみれ

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鏡の中の完璧な貴女(1)

愛は謎です。
依然として謎なのです。

深い闇の中に小さく灯る光だと思っていたら、
それは闇をより暗くするために存在していたのです。

もちろん最初は一般的な認識でした。
愛を純粋に信じていました。
私を照らす存在だと思っていました。
また私が灯す限り、愛も永遠に私を照らし続けてくれると信じていました。

ところが、突然の別れを経験することで、
この一般論が根底から崩壊しました。

それは浮気という私の愛を否定する行為でした。

それでも、私はその女性を責めることができませんでした。
まだ「愛」を信じていたのです。
いや、正確には信じなければ生きていけなかった。

当時に、私の心は修復不可能レベルで傷ついていました。
責めたいけど、許したい。
責めたくないけど、許せない。
24時間、相反する感情の共存で、ずたずたに引き裂かれてしまったのです。

私は何を信じていいのか分からなくなりました。
それは恐怖そのものでした。
昼も夜も暗闇の中で怯えているような日々を過ごしました。
憎しみと悩けなさと恐怖と悲しみで神経がすり減っていきました。
このままだと時期早々に精神が崩壊する。そう確信しました。

その絶望的確信から、私が導いた行為は、
理想の女性を自分の中に創作することでした。

もう一度、女性との信頼を回復する必要があったのです。
それも緊急に。完璧に。
失敗は許されませんでした。

そこで私は内面だけでなく、
肉体的にも理想の女性を創作することを考えました。

「女装」という手法を使って。

「女装」はすぐに実行できますし、自分の中の人格ですから完璧に信頼ができます。
迷う時間も残されていない程、メンタルが限界でしたので、早速行動を起こしました。

まずは、女性用の下着をネット注文しました。

届いてすぐに身に着けてみました。
ブラとショーツだけでしたが、今までにない、安心感が心と体を包み込んでくれました。
それはまるで、女性が横に一緒にいてくれているように体感できたのです。
私は久しぶりに深い眠りに落ちました。

翌日、外出する時もショーツとブラを身に着けるようにしました。
気づかれないようにブラもパットなしのもので色も地味なものにしました。
すると、これまでパニック障害になる不安に恐れおののいていたのですが、それが止まったのです。
いつも、私を女性が守ってくれているという安心感に包まれている感じがするのです。

パニック障害の前兆が出始めると、

「大丈夫だよ。私ここにいるよ」

そう言ってもらえている気がしたのです。
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