初期スキル《魔導精暴》で世界一の魔導士である大賢人を目指そうと思います

七瀬ねこ男

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第1章:旅立日ち、そして怒涛の1日

第1話 プロローグ

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「ついに、俺も16歳か………」

朝日が昇る。
とても綺麗な朝日だ。

いや、それは俺だけかもしれない。
なぜなら今日は俺の誕生日だからだ。

今回の誕生日で俺は16歳になった。
まぁ、だからといって誰かにおめでとうと言ってもらえれるわけでもない。

俺は孤独だ。
今はこの誰一人いない村で唯一壊れていない家で一人暮らしをして過ごしている。

誰一人と喋っていない。
喋るとしても独り言くらいだ。

なぜ孤独かって?
それはもうさっきいっていた9歳の頃………7年前まで遡る。

その日は地獄だった。
いきなりオルトロスという種族の魔物が現れた。

どうやらその魔物は危険度ランクという危険度をランクで表すものがあるんだがその時に現れたオルトロスの危険度ランクは最高ランクの天災級というやつだったらしい。

簡単にいうと一番ヤバいやつだったってこと。
そのオルトロスは本来名前はないんだが魔物専門会というさっきいった危険度ランクなどを割り振っている会が名前がない魔物にも分かりにくいから『通称』というものを付けるらしい。

その通称は例えば名前がなくても通称『○○〇』と冒険者が討伐する魔物を決める紙にも書いているらしい。

そして俺の村に現れたオルトロスは通称『魔狂黒獣』と名付けられていた。
『魔狂黒獣』…………その名前にピッタリとしか言いようがない。

あの7年経っても忘れられない恐ろしい顔は今でも鮮明に覚えている。
……………その後、『魔狂黒獣』は俺の村を壊滅させた。

方法は恐怖のあまり泣いていて目が塞がっていたから見えなくて分からなかったけど……………悲鳴などが聞こえてきたのだけは分かっていた。

爆発音も聞こえていた、中には……………『魔狂黒獣』が何かを食べる音も聞こえてきた。

正直、俺はその『何か』が分かっている。
………………人間だ。

村の人間だった。
その『何か』っていうのは。

見なくても分かるくらい……………伝わってきた。
そんな地獄のような場所に、誰かが来た。

その人は俺のところへ近づき、俺の頭を撫でながら…………

「大丈夫、お兄さんがあの化け物を倒すから安心して!」

と言ってくれた。
俺はその言葉に救われた。

恐怖が、不安が、安心に変わった。
そして俺は涙を腕で拭き、その人の方を向いた。

その人は俺の方から去っていき、いつのまにか『魔狂黒獣』の近くにいた。
速い。
いや、俺には走っているようには見えなかった。

そんな疑問を抱えながらその人の方を俺はずっと見ていた。
戦うのかな?

もし戦うとしたら死なないかな?
不安が出てきた。

もうこれ以上、悲鳴は聞きたくない。
死人は出てほしくない。

そんな不安に押しつぶされそうになるが、その人の言葉を思い返した。
一旦心を落ち着かせるために深呼吸をした。

目を閉じ、フー………ハー………フー………ハー………とゆっくり息を吸って吐く。
目を開けると心が落ち着いた。

もう一度その人の方を見てみると……………

「風魔法、【暴風】!」

魔法を使いながら『魔狂黒獣』と戦っていた。
その人の言葉と同時に暴風が現れ、その暴風は『魔狂黒獣』の方へと向かった。

そして『魔狂黒獣』に当たると………

「グオオオオオオオォォォォォォォ!」

『魔狂黒獣』の叫びが聞こえた。
その叫びは村全体へ広がった。

この戦闘から俺は確信した。
その人は母さんから聞いたことのある魔法使い、『魔導士』だということを。

そこからは覚えていない。
恐らく寝てしまったのだろう。

そして朝起きると唯一壊れていない家のベッドにいた。
『その人』が俺を運んでくれたのかな?

俺はそう思いながらベッドから出て、家を出た。
そして村を見てみると『魔狂黒獣』はいなかった『その人』もいなかった。

村の人もいなかった。
そして一人暮らしを始めて、今に至るということだ。
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