異世界恋愛短編集 〜アラカルト〜

凛音@りんね

文字の大きさ
12 / 14

幼馴染の騎士団長と聖女様はとてもお似合いなので、回復薬作りしか取り柄のないわたしは身を引こうと思います。

しおりを挟む
 華やかなパレードで、誰もが若き騎士団長ラルフと聖女エリーゼ様に夢中だった。
 ローゼリアン王国と対立するヴィルギンガム帝国との闘いで、一人の犠牲者も出すことなく勝利へと導いた二人。

(とってもお似合いだわ――)

 そう思うと胸の奥がズキン、と痛んだ。
 二人はにこやかに微笑みながら、尊敬の眼差しを向ける国民に手を振り返す。
 わたしはそれ以上見ているのが辛くて、逃げるように立ち去った。


 ♢♢♢


 わたしとラルフは幼馴染。
 と言っても、ラルフの方が五つ歳上。
 ローゼリアン王国の西にある、小さな村で生まれ育った。
 子どもはわたしとラルフだけだったから、幼い頃は二人で野山を駆け回ったり、川で泳いだりして遊んだ。

「おーい、ソフィ。どこだー?」

 かくれんぼをしている時、ラルフがわたしの名前を呼ぶ度に長い耳がぴこぴこ動いた。

 そう、わたしはうさぎ獣人。
 名前はソフィア。
 両親とラルフからはソフィと呼ばれていた。

「みーつけた!」
「うう……このみみだと、すぐにみつかっちゃう……」
「気にすんなって。俺はソフィの耳、個性的でいいと思うぜ」
「えへへ……ありがとう」

 ラルフに優しく頭を撫でられると、心が幸せで満たされる。
 あたたかくて、大きな手。
 わたしはラルフに恋をしていた。
 この村で、ずっと一緒に暮らせると思っていた。

 けれど、いつからかラルフは騎士になりたいと剣を持ち、鍛錬に明け暮れるようになった。
 元々、運動神経の良かったラルフは、村の近くを通りかかったローゼリアン王国屈指の騎士団団長に剣の腕前を認められ、そのまま王都へと旅立ってしまう。
 まだ十三歳のわたしは、ただ見送ることしかできなかった。

 あれから五年。
 十八歳になって成人したわたしは、王都に移り住むことを決意する。
 得意の回復薬作りを活かし、夫婦で切り盛りする薬草店に住み込みで働かせてもらうことになっていた。

「体調にはくれぐれも気をつけてね、ソフィ」
「辛くなったらいつでも帰ってきていいんだぞ」
「うん、ありがとう。パパ、ママ」

 両親や村の人たちに見送られ、乗り合い馬車に揺られながら、わたしはラルフと過ごした日々を思い出しては静かに祈る。

(神様、一目でいいのでラルフに会わせてください――)


 ♢♢♢


 薬草店の離れを借りたわたしは、最低限の掃除を済ませると、店主夫妻とお茶を飲みながら仕事について話していた。

 奥さんは妊娠九ヶ月で、大きなお腹を愛しそうに撫でている。
 明るくて笑顔の素敵な人。
 旦那さんも人当たりがよく、仲睦まじい二人の様子に自然と頬が緩んでしまう。

「ソフィアちゃんは回復薬作りが得意なのね」
「母から作り方を教わったんです」
「へえ、そうなのかい。うちは回復薬を取り扱ってなかったから頼りにしてるよ」
「はい、頑張ります!」
「早速で悪いんだけど、このお宅に薬草茶を届けてもらってもいいかな?」
「分かりました」
「道に迷わないよう気をつけてね」
「はい、行ってきます」

 ブリキの茶缶に収められた薬草茶を受け取るとピクニックバスケットに入れ、紙に書かれた住所を目指す。

 薬草店は小高い丘の上に建てられていて、そこから王都をぐるりと見渡すことができた。
 大通りを忙しなく行き交う馬車、美しく着飾った人々、活気あふれる港に青い海がきらきらと輝いて見えた。

(わあ、すごい……!)

 海風でスカートがめくれないよう手で押さえながら、緩やかな坂道を下って行く。
 とにかく王都は人が多くて、わたしと同じ獣人族をよく見かけた。
 犬、猫、リス、キツネ、鳥、羊、狼、ワニ、ナマケモノ。
 エルフやドワーフともすれ違い、まるでおとぎ話の世界に入り込んだかのようで心が弾む。

 綺麗に整備された道沿いにはお洒落な店が立ち並び、目に映るもの全てが新鮮で、キョロキョロしながら歩いていると――

(あれ? ここ、どこかしら?)

 狭く湿っぽい路地裏。
 昼間だというのに薄暗い。
 本能的に危険を察知したわたしは、急いで大通りに戻ろうとするけれど――

「おう、嬢ちゃん。こんなところで何やってんだぁ?」
「子うさぎちゃん、俺たちとお茶でも飲まねぇか?」

 大柄な男性二人に行手を阻まれる。
 逃げ出そうにも、怖くて体が竦んでしまう。
 一人にぐいっ! と腕を掴まれ、もう一人がニヤニヤ笑いながらわたしに向かって手を伸ばす。

(いや! 誰か助けて――っ!!)

「ぐえっ!」
「うぎゃっ!」

「君、怪我はないか!?」

 おそるおそる目を開けると、腰に剣を携えた若い男性が立っていた。
 高潔で清廉な装いからして、おそらく騎士。

 そして、その人は紛れもなく――

「ラルフ!」
「ソフィ?」

 突然の再会に、わたしたちは目を丸くする。
 五年前よりも背が伸びて随分と逞しくなっていたけれど、凛としながらもどこか人懐っこい顔立ち、深緑の宝石のような瞳、左目の泣き黒子は大好きなラルフに間違いなかった。

「ラルフ……うわああああん!」

 恐怖から解放されたのとラルフに会えた喜びで、わたしは小さな子どもみたいに声を上げて泣いてしまう。
 そんなわたしを、ラルフは優しく抱きしめてくれた。
 トクン、と胸が高鳴り、勝手に丸い尻尾が揺れてしまう。

「もう大丈夫だから、ソフィ。それよりなんで王都にいるんだ?」
「えっと――」

 気絶している男性二人を他の団員に任せると、わたしはラルフに連れられ、噴水がある広場のベンチに腰を下ろす。

「ソフィのお母さん、回復薬作りが得意だったもんな」
「うん。ママもうさぎ獣人だから、人より鼻が利くの」

 回復薬に使う七種類の薬草は、非常に見つけにくい。
 よく似た雑草があって、それらが少しでも混ざると回復薬を作ることができなかった。
 小さな村でお医者さんもいなかったから、みんなママが作る回復薬や傷薬を頼りにしていた。

 ラルフが騎士を目指すと決めた時から、わたしもママに教わって回復薬作りに励んだ。
 もちろん最初から上手くできるはずもなく、数え切れないくらい失敗した。

 臆病で泣き虫なわたし。
 いつもラルフが助けてくれた。守ってくれた。
 もし、騎士になったラルフが怪我をしたら、その時はわたしが力になりたいと心から思った。
 だから初めて作ることに成功した回復薬はお守りとして、今でも小瓶に入れて大切に持ち歩いている。

「――あのね。これ、わたしが作った回復薬なんだけど、ラルフに持っていてほしいの」

 ポケットの中から小瓶を取り出すと、ラルフに手渡した。
 午後の太陽の光を浴びた小瓶が、きらりと輝く。

「ありがとう、ソフィ。大切にするよ」
「……うん」

 できることなら、使わないでほしい。
 お守りとしてずっと持っていてほしい。

 と、そこへ団員がラルフの元へやって来た。

「団長、二人を連行しました」
「うん、ご苦労だった」

(え? ラルフが、団長――?)

 わたしはこてんと首を傾げ、黄水晶シトリン色の目を瞬かせる。

「すまない。俺のことをまだ話してなかったな。先月、晴れて国王陛下直属のアウラド騎士団の団長になったんだ」
「……そう、なの?」
「ああ」

 ちょっと照れくさそうに笑うラルフ。
 短く切り揃えられた銀髪が、さっきよりも眩しく見えた。
 村を離れてからの五年間、血の滲むような努力をしてきたのだと思うと、ラルフが急に遠い存在になったように感じてしまう。

「それと、もう耳にしているかもしれないがヴィルギンガム帝国と近々、剣を交えることになる」
「……っ!!」

 騎士団長のラルフが、闘いの場に赴かないはずもなく。
 行かないで、と言葉が出かけて、わたしは口を閉ざす。

「俺なら大丈夫だから、心配しないでくれ」
「……う、ん。分かった」

 そのあと紙に書いてあった住所まで案内してもらい、薬草店の前でラルフと別れた。
 わたしは店主夫妻に帰宅したことを告げると、階段を駆け上がり、埃っぽいベットに項垂れる。

(せっかく再会できたのに、こんなのってあんまりよ――)

 自分の無力さを呪いながら、ただただラルフの無事を願うばかりだった。


 ♢♢♢


 数日後。
 アウラド騎士団とともに聖女エリーゼ様が出立したと、国中で大騒ぎになった。

 光の束を集めたような金色の艶やかな髪、白磁のように透き通った瑞々しい肌、紺碧の海を閉じ込めたような青い瞳。
 慈悲深く、いつも笑顔を絶やさない、まさに聖女を体現したお方。

「エリーゼ様のご加護があれば、卑怯な真似をされない限りは安心だな」
「アウラド騎士団の団長は国一番の強者だから、負けるはずがねえさ」

 人々が言うように、この闘いはすぐに終わりを迎える。

 剣技を尊ぶ両国の王の命令で、それぞれの騎士団団長による一対一の決闘が行われ、ラルフはヴィルギンガム帝国の団長の首元に剣を突きつけ、見事勝利した。

 一人の犠牲者も出すことなく白星を上げた若き騎士団長ラルフと加護を授けた聖女エリーゼ様の帰還を、国を挙げて盛大に祝った。

「ああ、やっぱりエリーゼ様はいつ見てもお美しいなあ」
「凛々しいラルフ様と並んでいるとよくお似合いだねえ」

(そんなの、分かってる。わたしじゃラルフと釣り合わないって――)

 背が小さくて、体型も子どもっぽくて、うさぎの耳と尻尾が生えているから、余計に幼く見えるわたし。
 対するエリーゼ様は、絵画の中から出てきたように女性らしく、たおやかだった。

(とってもお似合いだわ――)

 そう思うとズキン、と胸の奥が痛む。
 山車だしの上でにこやかに微笑む二人の姿を見ているのが辛くて、わたしは逃げるようにその場を立ち去った。


 ♢♢♢


 どれくらい経ったのだろう。
 わたしは薬草店に戻ることもせず、ふらふらと街を彷徨っていた。
 パレードが終わり、楽しそうに話しながら笑顔を浮かべた人々が帰路に就く。
 空を見上げると、日が西に傾いていた。

(――やっぱり村に帰ろう。ラルフのことは諦めなくちゃ)

 そう思えば思うほど、切なくて胸が張り裂けそうになる。
 長い耳はシュンと垂れ下がり、ぽろぽろと涙がこぼれた。

「うっ……うう」

「ソフィ!」

 反射的にぴくん、と両耳が立つ。

(今、ラルフの声が聞こえた気がしたけれど、そんなはず――)

「夕暮れ時に一人で歩いていたら危ないじゃないか!」

 ぎゅっと体を抱きしめられ、わたしは束の間、呼吸をするのを忘れてしまう。

「ラルフ、どうして……?」
「パレードの途中でソフィがどこかに走って行ったから、すごく心配したんだ」
「もしかして探しに来てくれたの……?」
「当然だろう!」
「でも、みんなラルフとエリーゼ様はお似合いだって――」
「エリーゼ様には結婚を約束した相手がいらっしゃるよ」
「……そう、だったの?」

 へなへなと体の力が抜ける。
 そんなわたしを、ラルフは支えるようにもっと強く抱きしめてくれた。

「俺はソフィのことが好きだ。村を離れてから一日たりともソフィを想わなかったことはない」
「……え?」

 いきなりの告白に、わたしは夢でも見ているのかと思ってしまう。
 だけど全身で感じるラルフのぬくもりと、爽やかで甘ったるい匂いにそうではないと分からされて。

「でも……わたし、背が小さいし、体型も子どもっぽいし、耳と尻尾も生えてるし、騎士団長のラルフとは釣り合わない……」
「俺はソフィの全てが好きなんだ。小さくて子どもっぽいところも、ふわふわの耳と尻尾も、ストロベリーブロンドの髪もたまらなく可愛いよ」

 耳元で囁くように言われ、熱い吐息にゾクリとする。
 心臓がドキドキしすぎてどうにかなりそうだったけれど、わたしは勇気を振り絞って赤く染まった顔を上げた。

「……わたしも、ラルフのことが好き。大好き」
「ソフィ」
「きゃっ!」

 お姫様抱っこをされ、わたしはラルフの首にしがみつく。

「実は決闘の前に国王陛下を庇って負傷したんだけど、ソフィがくれた回復薬のお陰ですぐに傷口が塞がったんだ」
「本当? 良かった……でも、エリーゼ様のご加護があったから、じゃないの?」
「もちろんエリーゼ様は平等にみんなを癒し、護ってくださったよ。だけど俺が勝利を掴むことができたのは、ソフィの回復薬があったからこそなんだ」
「……っ」

 嬉しさと安堵で、ぽろぽろと涙がこぼれる。
 ラルフは柔らかく微笑むと、指でそっと涙を拭ってくれた。

「ソフィ、君を幸せにすると神に誓う。どうか俺と結婚してほしい」
「ラルフ……わたし、もう十分幸せよ」
「だったら二人で、もっともっと幸せになろう」
「……うん」

 蕩けるように見つめ合い、甘やかな口づけを落とされる。
 そんなわたしたちを祝福するかのように、夕刻を告げる鐘のが清らかに鳴った――


 END

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。 はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

捨てられた聖女、自棄になって誘拐されてみたら、なぜか皇太子に溺愛されています

h.h
恋愛
「偽物の聖女であるお前に用はない!」婚約者である王子は、隣に新しい聖女だという女を侍らせてリゼットを睨みつけた。呆然として何も言えず、着の身着のまま放り出されたリゼットは、その夜、謎の男に誘拐される。 自棄なって自ら誘拐犯の青年についていくことを決めたリゼットだったが。連れて行かれたのは、隣国の帝国だった。 しかもなぜか誘拐犯はやけに慕われていて、そのまま皇帝の元へ連れて行かれ━━? 「おかえりなさいませ、皇太子殿下」 「は? 皇太子? 誰が?」 「俺と婚約してほしいんだが」 「はい?」 なぜか皇太子に溺愛されることなったリゼットの運命は……。

処理中です...