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新たなる依頼2
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「大丈夫ですよ。残念ながら同行者が出来てしまいましたし、事前準備は確実に行いますから。」
「残念ながらとはどういう意味なの?同行者がいるなら少しは安心できるけど···。」
アンナの返しに響は苦笑する。
「無理矢理、押し掛けて来られてしまいまして···。断る事もさせてもらえず仕方無くではあるので、残念ながらなんです。」
響は思わず溜め息混じりになってしまう。
「ヒビキにそこまで言わせる相手なんて、想像も出来ないわね···。」
少し呆れた様な表情でアンナが首をすくねた。
「とにかく、同行者が居るなら心配もないし、依頼は受けて貰って大丈夫よ!」
「ありがとうございます。アンナさん。」
アンナに了承を貰い響は笑顔を返すとお礼を言って、ギルドマスターの部屋へと足を向けた。
ギルドマスターの部屋の扉をノックする。
「どうぞ。」
直ぐに返事があり響は部屋の中に入る。
「響です。失礼します。おはようございます。アイシャさん。」
部屋に入った響の顔を見て、アイシャは少し申し訳無さそうな表情をした。
何だろうと?と思いながら、促されるままにソファーに腰掛ける。
「実は···個人的にヒビキにお願いしたい事がありまして···。これは指名依頼に該当しますが、話を聞いていただけますか?」
少し重苦しい空気に響は戸惑いながら頷く。
「昨日の夜に私の所に里から緊急の知らせが在ったのですが···。その内容が、私の姉が調査旅行から帰る予定の日程が過ぎても戻っていないらしく、行方が分からなくなってしまっていると云うものだったのです。直ぐに捜索隊を手配して痕跡を辿った様なのですが、その場所が昨日の話に出た精霊の森にほど近い試しの祠と呼ばれる場所の近くらしく、手掛かりも掴めず捜索が打ち切られ、里の者たちの見解では何等かのトラブルに捲き込まれた可能性が高いのではないかとの事だそうです。無事であることは絆の魔法具を通じて確認済みですが、魔族の件も有りますし私も早急に捜索に向かいたいのです。しかし、残念ながら私にはギルドマスターとしての務めがあり、魔族の件の情報収集をしなければならず、今はこの場を離れることが許されません。そこで、Aランクの実力があるヒビキに私の代わりに姉の捜索をしていただきたいのです。あの辺りはBランク~Aランクのモンスターの出現率が高くて、この町の冒険者の戦力では正直心許ないのです。同行者が必要でしたら手配させて頂きますので、報酬は金貨1枚でどうにかお願い出来ませんか?」
響はアイシャの話に難色を示しながら答える。
「捜索をするのは別に構いませんが、顔も名前も知らない人物を居場所もハッキリと分からない状態で闇雲に探すことは流石に出来ませんよ?」
「そちらは心配在りません。姉は度々調査旅行に出掛けるのですが、音信不通になってしまうことも珍しくないのです。ですから、もしもの為に居場所を探し出せる魔道具の発信器を持って貰っているので、受信機を所持している私からなら居場所を特定出来ます。ヒビキにはそれを持って行って貰って、探して頂ければ見付け出せる筈です。ただし、受信出来る範囲が余り広くないので、試しの祠の近く迄は行ってもらわないと使えないとおもいますが···。」
アイシャの言葉から、何とか絞り込みが出来そうで安堵する。
「残念ながらとはどういう意味なの?同行者がいるなら少しは安心できるけど···。」
アンナの返しに響は苦笑する。
「無理矢理、押し掛けて来られてしまいまして···。断る事もさせてもらえず仕方無くではあるので、残念ながらなんです。」
響は思わず溜め息混じりになってしまう。
「ヒビキにそこまで言わせる相手なんて、想像も出来ないわね···。」
少し呆れた様な表情でアンナが首をすくねた。
「とにかく、同行者が居るなら心配もないし、依頼は受けて貰って大丈夫よ!」
「ありがとうございます。アンナさん。」
アンナに了承を貰い響は笑顔を返すとお礼を言って、ギルドマスターの部屋へと足を向けた。
ギルドマスターの部屋の扉をノックする。
「どうぞ。」
直ぐに返事があり響は部屋の中に入る。
「響です。失礼します。おはようございます。アイシャさん。」
部屋に入った響の顔を見て、アイシャは少し申し訳無さそうな表情をした。
何だろうと?と思いながら、促されるままにソファーに腰掛ける。
「実は···個人的にヒビキにお願いしたい事がありまして···。これは指名依頼に該当しますが、話を聞いていただけますか?」
少し重苦しい空気に響は戸惑いながら頷く。
「昨日の夜に私の所に里から緊急の知らせが在ったのですが···。その内容が、私の姉が調査旅行から帰る予定の日程が過ぎても戻っていないらしく、行方が分からなくなってしまっていると云うものだったのです。直ぐに捜索隊を手配して痕跡を辿った様なのですが、その場所が昨日の話に出た精霊の森にほど近い試しの祠と呼ばれる場所の近くらしく、手掛かりも掴めず捜索が打ち切られ、里の者たちの見解では何等かのトラブルに捲き込まれた可能性が高いのではないかとの事だそうです。無事であることは絆の魔法具を通じて確認済みですが、魔族の件も有りますし私も早急に捜索に向かいたいのです。しかし、残念ながら私にはギルドマスターとしての務めがあり、魔族の件の情報収集をしなければならず、今はこの場を離れることが許されません。そこで、Aランクの実力があるヒビキに私の代わりに姉の捜索をしていただきたいのです。あの辺りはBランク~Aランクのモンスターの出現率が高くて、この町の冒険者の戦力では正直心許ないのです。同行者が必要でしたら手配させて頂きますので、報酬は金貨1枚でどうにかお願い出来ませんか?」
響はアイシャの話に難色を示しながら答える。
「捜索をするのは別に構いませんが、顔も名前も知らない人物を居場所もハッキリと分からない状態で闇雲に探すことは流石に出来ませんよ?」
「そちらは心配在りません。姉は度々調査旅行に出掛けるのですが、音信不通になってしまうことも珍しくないのです。ですから、もしもの為に居場所を探し出せる魔道具の発信器を持って貰っているので、受信機を所持している私からなら居場所を特定出来ます。ヒビキにはそれを持って行って貰って、探して頂ければ見付け出せる筈です。ただし、受信出来る範囲が余り広くないので、試しの祠の近く迄は行ってもらわないと使えないとおもいますが···。」
アイシャの言葉から、何とか絞り込みが出来そうで安堵する。
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