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23,死線

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 とにかく、冷静になろうと呼吸をしようとして息が詰まる。

 言い様の無い死が目の前に有る。

 熊の魔物は4m近く有るだろうか?

 ドアが窓の様に見える程の巨体だ。

 もう、体の震えは止まらない。

 恐怖で身動きさえ出来そうにない。

 熊と俺の間にはベットがあるが、障害物にも成らないだろう。

 ミシリッ!

 音をたてながら熊が入って来た。

 奇跡は起こらない。

 そんなに都合のいい世界では無いのだ。

 熊が立ち上がり俺めがけて襲い掛かって来た。

 走馬灯なのか、熊の動きがスローモーションの様に見える。

 一思いに殺ってくれ。

 俺は仰向けに勢い良く倒れ込んだ。










 ズドンッッ!!

 
 熊が的確に俺の喉元に食らい付き、俺は瞳を閉じた。








 辺りに静寂が訪れた··········。



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