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30,流れに身を任せ

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 男が頭を撫でてくる。

 一瞬驚いたが、危害を加えられる心配は無さそうだ。

 思わず安堵すると、急に脱力した。

 回復が不十分だ、意識を保っていられない···。

 俺は意識を手放した。



 一体どの位の時間が経ったのだろうか?

 再び目覚めるとそこはレンガ造りの部屋のベットの上だった。

 動こうとして直ぐに力が抜けていく。

 活動時間の短い体に辟易へきえきする。

 何はともあれ保護してもらえたのは幸運と言えるだろう。

 魔力操作が少し出来るようになってはいたが、魔物を引き付ける力は健在だ。

 このままあそこに居たら、助からなかったかも知れない。



 取り敢えず、動き回れる様になるまで、回復させることに尽力して、暫くは流れに身を任せることにした。
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