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36,通過儀礼

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 町外れの林の中に3人で向かう。

「昨日罠を仕掛けたんだ!新入りは罠を確認して獲物を捕まえるんだぞ!」

 ダンは意気揚々と歩いていたが、急に声をひそめる。

「噛まれるかもしれないけど、泣くなよ!俺の子分なら度胸が必要だからな!」

 通過儀礼という事らしい。

 子供のすることだから、危険は無いだろうと高を括る。

「わかった。」

 頷く俺に、シェルが声を掛けてきた。

「ダンの言う事、無理に聞かなくても良いからね。僕は生き物触れないから捕まえた事ないし。」

「余計な事言うなよ!シェル!」

 シェルの言葉にダンが叫ぶ。

 度胸試しに水を差すなと、にらみをきかせる。

「ここだからな!」

 歩みを止めて立ち止まる。

 そこには地面にぽっかりと穴が開いていた。

「落とし穴に何か掛かってるぞ!」

 嬉々としてダンが穴を覗き込んで、直ぐに表情を落胆に替える。

「逃げられたみたいだ。」

 どんな獲物が捕れるのか、見てみたかったのに残念だ。

「おい!穴にかける布を、穴から取ってこいよ。」

 初仕事が決まった。
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