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58,双子の役割

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 意識を失い倒れてしまったソウタに気づき二人は起き出す。

「悪霊の気配が無くなってる。お兄ちゃん無茶して···。」

 二人で抱き上げる。

 魂だけのソウタは意識を失えば案外軽い。

 意識がある時は自分の重みさえ想像しているので、相応の重さが有るのだか意識を手放せば魂と所持品だけの重さしか無くなるのだ。

「魂が減って弱ってるね。」

「そうだね。僕達なら助けられる。」

 二人はソウタの肌に手を触れさせる。

「もらった力···少し返すね。」

「始めるよ。」

 二人の体が光を放つ。

 二人の手を介して光りはソウタの体を包み込む。

 じわじわとソウタの体に光が浸透していき、少しずつ失われた魂が回復していく。

 双子額には汗が滲み、明らかに疲弊していくのが見てとれた。

「お兄ちゃん、魂食べられ過ぎだよ。」

「僕達の結界の中なら安全だったのに···。」

 ソウタの放って置けない優しさは、彼の命の危険と引き換えになるのを双子は理解していた。

 たとえそうであっても決して諦めない強さを秘めている事も、その危うささえも双子は分かって居た。

 光が収束し、吸収され尽くすと双子は安堵のため息をつく。

 双子は寄り添う様にソウタの両脇を陣取り改めて眠りについた。

「お兄ちゃん、おやすみ。」

「お疲れ様、ゆっくり休んでね。」

 双子優しい呟きは闇に溶けた。

 
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