上 下
59 / 111

59,目覚めて

しおりを挟む
 ソウタは目を覚まして、爽快であることに気付く。

 魂を喰われて疲弊して居たはずなのに、回復している。

 傍らには双子が少し疲れた顔で寝息をたてている。

 そして、からだの中に双子の力の気配を感じる。

「癒してくれたのか···。ありがとう。」

 そっと二人を抱き締め、ヒールを多重掛けする。

 少しは疲れが取れるだろう。

 窓を開け、朝の空気を部屋に取り込みながら、考えにふける。

 昨夜の戦闘で色々と学ぶ事が多かった。

 今回は色々と応用を効かせられそうだ。

 何だかいく先々で色んな人達に助けられて居る。

 ありがたい事だと微笑む。

「「お兄ちゃん!」」

 起き出した双子にしがみつかれた。

「どうしたの?」

 尋ねると二人の瞳が不安に揺れていた。

「お兄ちゃんが···何処かに居なくなる気がして···。」

 あながち間違いではないので、曖昧に微笑む。

 双子は押し黙るとしがみついたまま顔を埋める。

 俺はライルが呼ぶまでずっと双子の頭を撫で続けた。
しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

生残の秀吉

歴史・時代 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

小説家に恋しちゃったので、恋人ごっこはじめました!

BL / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

穴の影

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

錬金術師のカルテ

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:6

名も無い男の慕情

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:8

ベスティエンⅢ【改訂版】

ライト文芸 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:25

大杉の誓い~外交官 安達峰一郎 青春譜~

歴史・時代 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:5

処理中です...