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93,最古の文献
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シャルダンは執務室に入ると、過去に実際にあった魔法や魔力に関わる稀な案件や異質な案件等を取り纏めた記録文献を紐解く。
突然変異や魔力暴走、魔力消失や禁忌魔法、魔力実験や魔力譲渡、魔法生物や対価魔法····様々な記録が綴られている。
色々と調べていくうちに興味深い記録を見付ける。
それは、魔法が認知され始めた最古の時代に魔力の質や量を高めるために行われた実験の記録であった。
その実験では、20名の魔法の素質がある老若男女を被験者として、薬物投与や強制的な魔力供与を長期間行っており、結果的には質や量を高める事には成功したが、副作用で魔法の威力が減少してしまう致命的な欠陥が見られ、その上増えすぎた純度の高い濃厚な魔力に肉体が耐えることが出来ずに殆どの被験者は死亡したと記録されていた。
例外的に生存出来たのは最年少の男児であったが、副作用の魔法の威力の減少については改善されることは無かったとも記録が残されていた。
ソウタの高質で潤沢な魔力を持っている身で在りながら、低出力な魔法しか使えない状態と類似性が在るように感じられる。
この実験が行われた時代は、魔法や魔力の研究が進んでおらず適切な魔力を高める手法が確立していなかった。
当時としてはそれ故の残念な結末であったが、手法が確立している現在ではそうなることはないだろう。
副作用の原因だった魔力を出力させるための魔力調整を阻害してしまう現象は、無理矢理引き上げられた魔力がその力量に合わせられず制御不能になってしまうために引き起こされるものだった。
つまり、緩やかに魔力を引き上げれば魔力調整も制御可能となり出力も変化させる事が出来るようになるのだ。
すでに魔力が引き上げられている様な状態になっているであろうソウタを、魔力調整を制御出来るように訓練していけば良い筈だ。
突破口の可能性を見出だせて、シャルダンは笑みを浮かべる。
そうと決まれば善は急げだと、執務室を後にした。
突然変異や魔力暴走、魔力消失や禁忌魔法、魔力実験や魔力譲渡、魔法生物や対価魔法····様々な記録が綴られている。
色々と調べていくうちに興味深い記録を見付ける。
それは、魔法が認知され始めた最古の時代に魔力の質や量を高めるために行われた実験の記録であった。
その実験では、20名の魔法の素質がある老若男女を被験者として、薬物投与や強制的な魔力供与を長期間行っており、結果的には質や量を高める事には成功したが、副作用で魔法の威力が減少してしまう致命的な欠陥が見られ、その上増えすぎた純度の高い濃厚な魔力に肉体が耐えることが出来ずに殆どの被験者は死亡したと記録されていた。
例外的に生存出来たのは最年少の男児であったが、副作用の魔法の威力の減少については改善されることは無かったとも記録が残されていた。
ソウタの高質で潤沢な魔力を持っている身で在りながら、低出力な魔法しか使えない状態と類似性が在るように感じられる。
この実験が行われた時代は、魔法や魔力の研究が進んでおらず適切な魔力を高める手法が確立していなかった。
当時としてはそれ故の残念な結末であったが、手法が確立している現在ではそうなることはないだろう。
副作用の原因だった魔力を出力させるための魔力調整を阻害してしまう現象は、無理矢理引き上げられた魔力がその力量に合わせられず制御不能になってしまうために引き起こされるものだった。
つまり、緩やかに魔力を引き上げれば魔力調整も制御可能となり出力も変化させる事が出来るようになるのだ。
すでに魔力が引き上げられている様な状態になっているであろうソウタを、魔力調整を制御出来るように訓練していけば良い筈だ。
突破口の可能性を見出だせて、シャルダンは笑みを浮かべる。
そうと決まれば善は急げだと、執務室を後にした。
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