わかったわ、私が代役になればいいのね?[完]

風龍佳乃

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リディーがラウルと一緒に屋敷に
向かうと記憶とは違う建物があった

「な、何 この屋敷は?」

ラウル言わく
リディーが伯爵になりこの屋敷に住む
ならばとブェールス公爵の命令で
リホームされたらしい。
屋敷の前には立派な門があり紋章まで
あった。

「知らなかったわ」

「そうだろうな。
リディーは何も教えてくれなかったからさ
僕もどうしたらいいかわからなかったよ
けどカルロス様が会いに来てくれて
今までの経緯を話してくれたんだ」

「兄様が?それも知らなかったわ」

「まぁ、公爵は娘へのサプライズを
したかったみたいだし
いいんじゃないの」

なんだろう。
ラウルなんだけどラウルじゃないみたい
昔のラウルだったらこんなに冷静な
言い方しなかったよね?

リディーはラウルを見つめていた。

「あー、言いたい事 わかった。
僕だって14歳のラウルじゃないんだ
君と同じで色々と経験しながら
大人になった訳だし……」

「えっ、、、
色々な経験で大人になった……」

「違う!そういう意味じゃない
人生経験だよ
色んな人達と話したり剣を持って戦っ
たり、そういう経験だよ!
リディーの早とちりは変わらないなぁ」

「早とちりって、そういう言い方を
したからじゃない。
さっき会った騎士だって
遊び慣れた感じだったもの!
ラウルだって騎士仲間と遊んだかも
しれないでしょう?!」

2人が門の前で言い合っている時に
声がかかった

「荷物の片付けが終わりました
確認をお願いします」

「は、はい」

リディーが屋敷に入ると以前とは
全く違った。
家具はもちろん風呂やトイレ…キッチンも…

「はぁ…台所がキッチンになった感じ?」

「ここは……っと」

2階の広い部屋を開けたリディーは
1度見てすぐに閉めた。

「ん……見たらいけない気がするわ」

ここは寝室だろう。けれどね
なんであんなに大きなベッドがあるの?
なんかねぇ…

リディーは昔から仕えてくれていた
使用人とブェールス公爵が探してくれた
人達に挨拶をすると
リビングに座った。

「なんだか不思議な感じよ。
思い出の場所なのに違うし…
ラウルもそう思わない?」

「リディーの再出発にはちょうどいいよ
過去に縛られず、リディーとしての
人生をここで作っていけばいい」

「そうよね…」

リディーは思い出した

「そうだラウル。貴方にプレゼントが
あるの」

ラウルはリディーから箱を受け取り
開けた

「これ……手作り?」

「そうよ。不器用だけど私が作ったの」

ラウルは黙ったままプレゼントを
見ていた

「これ、剣に付ける房なの
御守りのつもりだったんだけど…
ヘタすぎるかな?」

「リディー、房の意味はわかってる?」

「え?ダメだった?」

「騎士に贈る御守りには意味がある。
リボンは恋人、房は家族
その中でも手作りの房は夫に贈るんだよ
だからね僕が手作りの房を付けたら
奥方からの御守りって事。つまり
既婚者って意味」

ラウルの話しを聞いたリディーは
急に恥ずかしくなってしまった。

「あ、ごめんなさい
やだ、恥ずかしいね。1度返して」

「やだ。リディーからのプロポーズ
でしょう?受け取るよ」

リディーが恥ずかしさて真っ赤に頬を
染めて両手で顔を隠した。

「リディー こっちを見て」

リディーがゆっくり指を開いて
ラウルを見た

ラウルはリディーの隣で膝をつき
見ていた。

「リディー・ジュパディー伯爵
私ラウル・ザッハルはこの命
僕の全てを貴女に捧げたいと思ってる
だからリディー僕と結婚してほしい」

ラウルが差し出した指輪を見つめて
驚いた

「ラウル、本気なの?」

ラウルはなぜ自分が騎士寮に入り
騎士になったのか、なぜ騎士団に
入らなかったのかをリディーに伝えた。

「君が「さよならじゃないよ」って
「またね」って言ったから君に似合う男に
なりたかったんだ」

「ラウル…ずっとずっと好きだった。
転んでも木から落ちても池に落ちても
ラウルはいつも傍にいてくれたから…
ラウルが居てくれたから私は好きな事
が出来ていたんだと思うの…
これからも一緒に居てくれるのね?」

「そうだよ。リディーの傍に居るよ」

「ありがとう」

リディーは左手をラウルに差し出しすと
ラウルはリディーの薬指に指輪を入れた

抱き合って愛を確かめ合う2人を
使用人達は扉の陰から見つめていた。

リディーが寝室に向かうと
ある張り紙に気がついた。

「リディー!結婚するまで不貞は許さん
ラウル君。リディーに手を出したら
俺が貴様を殴りに行くぞ  カルロス」

「ちょっ……」

リディーは恥ずかしくて張り紙を
破いた。

ラウルは張り紙を見て

「うーん、殴られたくないなぁ」

と言いながらベッドに向かった

「ほら、リディーおいで湯冷めするよ」
と…

な、何よあの余裕は。
こっちとらァ緊張して息をするのも
大変なのに…
色々と経験して大人になった。だと?
リディーはベッドではなく
ソファーに向かった。

「コラ」

ラウルはリディーを抱き上げると
リディーをベッドにのせた

「リディー、僕は君を大切にしたい。
結婚するまでは手を出さないよ
だから、、一緒に寝るだけだ」

「……」

「何だよ。その顔は……
ははん、期待してた?ごめんね
でも僕も我慢するんだからリディーも
我慢してね?」

ラウルはリディーの額に口付けを
するとリディーを抱きしめながら
眠りについた



つづく
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