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最終章・私の願い
55・危険なお茶会
しおりを挟む 「シルビア様、不快なことがあれば直ぐに帰りましょう。途中で抜けても構わないですから!」
そう鼻息荒く言ってくるケイトには、アハハッと破顔して…
今私達は、王太子妃主催のお茶会に参加しようと城へ向かっている。前に開催された時は1年半ほど前だったと聞いて、時の流れはあっという間なんだと改めて思う。そして、あの時とは全てが様変わりしてしまった…
そして今日のお茶会は、ケイトではないけどかなり警戒しなければならない。フェリシアが私を誘うなんて、何かを企んでいるのかも?その場合のことも想定しておかないと!
以前私は大好きな童話にちなんで、登場人物でいったら私って魔女?なんて思っていたけど…今日は勇者になったつもりで参加する!それじゃあ、お姫様はエリック?やっぱり勇者はお姫様を助けなきゃ!
どうせ私には、守らなければならないプライドなんてない。ただ、あるのは大切な存在だけだもの。そう意気込んで城までの道を進む。
前の時はフェリシアの嫌がらせで、一人だけかなり早い時間に到着してしまったけど、今回は大丈夫そう…既に何台もの馬車が連なっている。今回の参加者も、ガセルダムス出身者?見慣れた顔が馬車を降りていているのが見えて…そのことに安心すると共に、どこか警戒してしまう。
──フェリシア…あなたは一体、何をするつもり?
そして私の番が来て、ケイトと共に馬車を降りると…
「お久しぶりね、アノン侯爵夫人」
そう凛とした声が響いて、驚いて振り返ると…
「ご無沙汰しております…ロベルタ侯爵夫人」
このロードア国の三つある侯爵家の一つ、ロベルタ侯爵家の夫人が笑顔を浮かべてそこに立っている。この方は一つ年上のガセルダムスの先輩。前回でキャサリンからの攻撃を受けた時、参加者の中で唯一庇ってくれた人。今まで特に付き合いはなかったけど、以前から仲良くなりたいと思っていた。それで…
「ご一緒致しませんか?私と一緒だと、不躾な視線を浴びるかも知れませんが…」
駄目で元々、そう声を掛けてみる。社交界が苦手な私にとっては、大きな冒険なんだと思いながら…
「ええ、ご一緒しましょ!シルビア様って呼んでいい?私のことはローズと」
「はい!ローズ様。よろしくお願いします」
何だか、一気に心強い思いがした。ただ一緒に歩いているだけなのに、そう気が楽になるのを感じる。私はずっとフェリシアのことだけを親友だと思っていたけど、こうやって勇気を出せば新しい出会いだってあるのだ…それを今日、発見出来たよう。だけど、そんな浮かれた気分を曇らせるのはやはり…
そして予想通りというか、私は凄く注目を浴びている。あからさまな視線を受けて感じるのは、まさか本当に私が来るなんて思ってもなかったのだと思う。理由を付けて欠席するのだと…そしてそれはあの人達も。
「シ、シルビア!お久しぶりね。来ないかと…思ってたわ!」
凄く久しぶりに会うことになった元親友のフェリシア。何事もなかったようにそう声を掛けてくる。そして…見た目だけなら、これ程に美しい人はいない。今までそれに騙されてきたのね…
「本日はお招きいただきましてありがとうございます。アノン侯爵夫人…シルビアでございます」
それには、この場にいる人達がハッと息を呑む。あの一件で私達が離婚寸前だということは誰の目から見ても明らかで、それなのに堂々と私はそう名乗る。
「も、もうノートン伯爵家のシルビアなんじゃなくて?厚かましいわよ!」
そんなキンキン声が突如響く!その声は…キャサリンだ。相変わらずだなと思ったら、何だか可笑しくなってきて…
「フフッ…まだそうなんですの。それに夫からは、そう名乗りなさいって言われてるのよ?」
いつになくそう挑戦的に伝える。そして私は疑っている…新聞社に情報を漏らしたのは、キャサリンではないかと。それを知りたくて、敢えて怒らせるように言ってみた…どんな反応をする?
「クッ!それは優しいクリスティン様が、あなたを可哀想だと思ってるからよ!どうせ捨てられたんでしょう?」
とことん私を貶めるつもりのキャサリンは、フン!と私を睨み付けている。それには、フーッと溜め息を一つ。熱くなったら負け!冷静にならなきゃ…
「あなたこそ可哀想に…何度注意しても礼儀を知らないのね?」
それに助け舟を出したのは隣に立っているローズ。やはり…というか、思った以上に頼りになる人だ。そしてお茶会前からこれなの?と初っ端から難癖をつけられてしまったことにうんざりしていると…
「キャサリン、いい加減にして!さあさあみなさん、こちらにどうぞ!」
フェリシアのそんな声に、キャサリンだけは不貞腐れているが、私達はそれに従って席に着くことにする。すると…本来なら侯爵夫人の席はフェリシアに近い上座。だけど案内された私の席はもっと後ろの方で。だけどこんなことで怒っていても仕方がないわね?と、黙ってその席に着いた。だけど不幸中の幸いとも言えるのは、偶然にもローズとは斜向かいで話しやすそうなこと…それにはホッと安堵する。
ここには、今回も総勢三十名ほどの参加者が集められている。そして気を取り直してフェリシアは、皆の顔を笑顔で見ながら…
「今日のお茶会は、お祝いを兼ねましたの。夫であるスチュワートが、近々王座を譲り渡されることになりました。みなさん、祝っていただけるわよね?」
それには皆、ワーッ!と歓声を上げる。そして口々に「それはおめでとうございます!」「これで妃殿下も王妃におなりになりますわね?」と沸き立って…
フェリシアもそれに「そうなの!」と満更でもない様子で微笑む。
「これで上の王子が王太子となるでしょうし、言うことはないわね」
さも当たり前かのように、息子である第一王子が王太子になるものだと思っているフェリシア。それには…密かに安心する。
──良かった!やはりフェリシアは、エリックの秘密には気付いていないわ!
それが分かっただけでも、このお茶会に来た意味があったとホッとする。それならもう後は、適当に話を合わせて何とか無事にお茶会が終えられればそれでいい。ひたすら相槌でも打っておけば時間は過ぎるだろうと、もう既にどこかやり終えたような気持ちになっていた。するとそんな時…
何人かのメイドが、お代わり用のお茶を持って現れる。温かい紅茶が注がれていくのをじっと見ていると突然…
──ガチャン!
その場に大きな音が響く!それには驚いて、その音がした方をバッと見ると…メイドといってもかなり年配な者が、フェリシアの前で頭を下げている。粗相をしてしまったの?そう心配しながら見ていると、何かがギラッと光るのが目に入る。
──な、何?
あろう事か、そのメイドがナイフのようなものを取り出し、フェリシアに向かって振り上げているのが見えて…ええっ!?
そう鼻息荒く言ってくるケイトには、アハハッと破顔して…
今私達は、王太子妃主催のお茶会に参加しようと城へ向かっている。前に開催された時は1年半ほど前だったと聞いて、時の流れはあっという間なんだと改めて思う。そして、あの時とは全てが様変わりしてしまった…
そして今日のお茶会は、ケイトではないけどかなり警戒しなければならない。フェリシアが私を誘うなんて、何かを企んでいるのかも?その場合のことも想定しておかないと!
以前私は大好きな童話にちなんで、登場人物でいったら私って魔女?なんて思っていたけど…今日は勇者になったつもりで参加する!それじゃあ、お姫様はエリック?やっぱり勇者はお姫様を助けなきゃ!
どうせ私には、守らなければならないプライドなんてない。ただ、あるのは大切な存在だけだもの。そう意気込んで城までの道を進む。
前の時はフェリシアの嫌がらせで、一人だけかなり早い時間に到着してしまったけど、今回は大丈夫そう…既に何台もの馬車が連なっている。今回の参加者も、ガセルダムス出身者?見慣れた顔が馬車を降りていているのが見えて…そのことに安心すると共に、どこか警戒してしまう。
──フェリシア…あなたは一体、何をするつもり?
そして私の番が来て、ケイトと共に馬車を降りると…
「お久しぶりね、アノン侯爵夫人」
そう凛とした声が響いて、驚いて振り返ると…
「ご無沙汰しております…ロベルタ侯爵夫人」
このロードア国の三つある侯爵家の一つ、ロベルタ侯爵家の夫人が笑顔を浮かべてそこに立っている。この方は一つ年上のガセルダムスの先輩。前回でキャサリンからの攻撃を受けた時、参加者の中で唯一庇ってくれた人。今まで特に付き合いはなかったけど、以前から仲良くなりたいと思っていた。それで…
「ご一緒致しませんか?私と一緒だと、不躾な視線を浴びるかも知れませんが…」
駄目で元々、そう声を掛けてみる。社交界が苦手な私にとっては、大きな冒険なんだと思いながら…
「ええ、ご一緒しましょ!シルビア様って呼んでいい?私のことはローズと」
「はい!ローズ様。よろしくお願いします」
何だか、一気に心強い思いがした。ただ一緒に歩いているだけなのに、そう気が楽になるのを感じる。私はずっとフェリシアのことだけを親友だと思っていたけど、こうやって勇気を出せば新しい出会いだってあるのだ…それを今日、発見出来たよう。だけど、そんな浮かれた気分を曇らせるのはやはり…
そして予想通りというか、私は凄く注目を浴びている。あからさまな視線を受けて感じるのは、まさか本当に私が来るなんて思ってもなかったのだと思う。理由を付けて欠席するのだと…そしてそれはあの人達も。
「シ、シルビア!お久しぶりね。来ないかと…思ってたわ!」
凄く久しぶりに会うことになった元親友のフェリシア。何事もなかったようにそう声を掛けてくる。そして…見た目だけなら、これ程に美しい人はいない。今までそれに騙されてきたのね…
「本日はお招きいただきましてありがとうございます。アノン侯爵夫人…シルビアでございます」
それには、この場にいる人達がハッと息を呑む。あの一件で私達が離婚寸前だということは誰の目から見ても明らかで、それなのに堂々と私はそう名乗る。
「も、もうノートン伯爵家のシルビアなんじゃなくて?厚かましいわよ!」
そんなキンキン声が突如響く!その声は…キャサリンだ。相変わらずだなと思ったら、何だか可笑しくなってきて…
「フフッ…まだそうなんですの。それに夫からは、そう名乗りなさいって言われてるのよ?」
いつになくそう挑戦的に伝える。そして私は疑っている…新聞社に情報を漏らしたのは、キャサリンではないかと。それを知りたくて、敢えて怒らせるように言ってみた…どんな反応をする?
「クッ!それは優しいクリスティン様が、あなたを可哀想だと思ってるからよ!どうせ捨てられたんでしょう?」
とことん私を貶めるつもりのキャサリンは、フン!と私を睨み付けている。それには、フーッと溜め息を一つ。熱くなったら負け!冷静にならなきゃ…
「あなたこそ可哀想に…何度注意しても礼儀を知らないのね?」
それに助け舟を出したのは隣に立っているローズ。やはり…というか、思った以上に頼りになる人だ。そしてお茶会前からこれなの?と初っ端から難癖をつけられてしまったことにうんざりしていると…
「キャサリン、いい加減にして!さあさあみなさん、こちらにどうぞ!」
フェリシアのそんな声に、キャサリンだけは不貞腐れているが、私達はそれに従って席に着くことにする。すると…本来なら侯爵夫人の席はフェリシアに近い上座。だけど案内された私の席はもっと後ろの方で。だけどこんなことで怒っていても仕方がないわね?と、黙ってその席に着いた。だけど不幸中の幸いとも言えるのは、偶然にもローズとは斜向かいで話しやすそうなこと…それにはホッと安堵する。
ここには、今回も総勢三十名ほどの参加者が集められている。そして気を取り直してフェリシアは、皆の顔を笑顔で見ながら…
「今日のお茶会は、お祝いを兼ねましたの。夫であるスチュワートが、近々王座を譲り渡されることになりました。みなさん、祝っていただけるわよね?」
それには皆、ワーッ!と歓声を上げる。そして口々に「それはおめでとうございます!」「これで妃殿下も王妃におなりになりますわね?」と沸き立って…
フェリシアもそれに「そうなの!」と満更でもない様子で微笑む。
「これで上の王子が王太子となるでしょうし、言うことはないわね」
さも当たり前かのように、息子である第一王子が王太子になるものだと思っているフェリシア。それには…密かに安心する。
──良かった!やはりフェリシアは、エリックの秘密には気付いていないわ!
それが分かっただけでも、このお茶会に来た意味があったとホッとする。それならもう後は、適当に話を合わせて何とか無事にお茶会が終えられればそれでいい。ひたすら相槌でも打っておけば時間は過ぎるだろうと、もう既にどこかやり終えたような気持ちになっていた。するとそんな時…
何人かのメイドが、お代わり用のお茶を持って現れる。温かい紅茶が注がれていくのをじっと見ていると突然…
──ガチャン!
その場に大きな音が響く!それには驚いて、その音がした方をバッと見ると…メイドといってもかなり年配な者が、フェリシアの前で頭を下げている。粗相をしてしまったの?そう心配しながら見ていると、何かがギラッと光るのが目に入る。
──な、何?
あろう事か、そのメイドがナイフのようなものを取り出し、フェリシアに向かって振り上げているのが見えて…ええっ!?
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