13 / 57
第二章・辺境伯夫人へ
12・今すぐあなたの妻にして*
しおりを挟む
私がガルド王に初めて抱かれたのは二年前、十六の歳だ┉。
あの時は目の前の王の存在が余りにも大きくて、まるで神に抱かれているかのようだった。
それに、結婚できる年齢だといってもまだ少年のような私の身体で、王に満足していただけるとは思えずに。
思いの外、王は優しかったがただ戸惑いと痛みで早く時が過ぎれば良いのに┉と願っていただけだった。なのに┉
「んっ┉ぁあ、あ┉っ」
マクシミリアンの美しい顔からは想像出来ないような、分厚い胸板が目の前にある。
半性身の私とは全く違う逞しいその肉体にゴクリと唾を呑む。
剣を持つであろう腕や肩は、固い筋肉がゴツゴツと盛り上がり、私など簡単に締め殺せるだろうなと、思わず物騒な事を考えてしまった。
そして大きな手が、私の身体を弄ってくる。
意外なほど繊細で丁寧な指使いで、私を大切に扱ってくれているのが分かる。
マクシミリアンの長い指が、身体の隅々までなぞり上げ、存分に撫で回す。
その指が胸の先を掠め、また戻っては焦らされて、そのうちツンと尖って主張し出す。
それを押し潰すように捏ね回されると、思わず身体がビクンと反応してしまう。
「あ┉んん、マクシミリアンさ┉ま」
私は強請るような甘い声を出し、ゆるゆると腰を揺らす。
「シルバ┉もっと私を呼んでくれ。この時をどれだけ夢見てきた事か┉一年半前、あなたを腕に抱いてからずっと、このように睦み合う事をひたすら願ったのだ。夢ではないのか┉?」
私は感動していた┉この人の性愛の対象になっている事に大きな喜びを感じるし、助けていただいたあの時からずっと、忘れないでいてくれたのだ┉。
そう思ったら、腹の奥がぎゅっとなる。
──この人に抱かれたい!最後まで┉
この気持ちを伝えたいと、私は首元に抱き着いて艶めいた声で呟く。
「今すぐ、あなたの妻にして┉」
口元に笑みを浮かべたマクシミリアンが大きく頷く。
ただ、その金色の瞳だけは笑ってはおらず、ギラギラと欲を孕んでいる。
あの紳士的なマクシミリアンが!?と期待で胸が震える。
それからベッド脇の棚から、青い香水瓶を取り出す。
「ん┉それは?」と尋ねる私の声に、笑みを深めるマクシミリアン。
「これはシルバの為のものだよ。これで痛みが和らぐから。慣れたら┉使わなくて大丈夫だからね。」
私は慣れたら┉という言葉に反応して、頬を赤らめる。
そんな私の耳元で可愛い┉と囁いて、耳たぶを甘噛みしてくる。
そして腰に僅かばかり残っていた下穿きを取り去って、私は一糸纏わぬ姿になった。
「綺麗だ┉」そう呟きながらマクシミリアンはその手に先程の瓶に入っているものを垂らす。
その瞬間、ふわりと良い香りが拡がってそれが香油なのだと分かった。
マクシミリアンは冷たくないようにと、その香油を手で温めてそれから私の後孔に触れる。
──つぷ┉ん。長くて太い指が差し入れられる。
それからそこを拡げるように出し入れされると、今まで感じた事がなかった疼きが┉。
──あぁ気持ちいい┉私はまるで分かっていなかった。
こんなに甘美で幸せな行為だったとは──早く┉来て!
あの時は目の前の王の存在が余りにも大きくて、まるで神に抱かれているかのようだった。
それに、結婚できる年齢だといってもまだ少年のような私の身体で、王に満足していただけるとは思えずに。
思いの外、王は優しかったがただ戸惑いと痛みで早く時が過ぎれば良いのに┉と願っていただけだった。なのに┉
「んっ┉ぁあ、あ┉っ」
マクシミリアンの美しい顔からは想像出来ないような、分厚い胸板が目の前にある。
半性身の私とは全く違う逞しいその肉体にゴクリと唾を呑む。
剣を持つであろう腕や肩は、固い筋肉がゴツゴツと盛り上がり、私など簡単に締め殺せるだろうなと、思わず物騒な事を考えてしまった。
そして大きな手が、私の身体を弄ってくる。
意外なほど繊細で丁寧な指使いで、私を大切に扱ってくれているのが分かる。
マクシミリアンの長い指が、身体の隅々までなぞり上げ、存分に撫で回す。
その指が胸の先を掠め、また戻っては焦らされて、そのうちツンと尖って主張し出す。
それを押し潰すように捏ね回されると、思わず身体がビクンと反応してしまう。
「あ┉んん、マクシミリアンさ┉ま」
私は強請るような甘い声を出し、ゆるゆると腰を揺らす。
「シルバ┉もっと私を呼んでくれ。この時をどれだけ夢見てきた事か┉一年半前、あなたを腕に抱いてからずっと、このように睦み合う事をひたすら願ったのだ。夢ではないのか┉?」
私は感動していた┉この人の性愛の対象になっている事に大きな喜びを感じるし、助けていただいたあの時からずっと、忘れないでいてくれたのだ┉。
そう思ったら、腹の奥がぎゅっとなる。
──この人に抱かれたい!最後まで┉
この気持ちを伝えたいと、私は首元に抱き着いて艶めいた声で呟く。
「今すぐ、あなたの妻にして┉」
口元に笑みを浮かべたマクシミリアンが大きく頷く。
ただ、その金色の瞳だけは笑ってはおらず、ギラギラと欲を孕んでいる。
あの紳士的なマクシミリアンが!?と期待で胸が震える。
それからベッド脇の棚から、青い香水瓶を取り出す。
「ん┉それは?」と尋ねる私の声に、笑みを深めるマクシミリアン。
「これはシルバの為のものだよ。これで痛みが和らぐから。慣れたら┉使わなくて大丈夫だからね。」
私は慣れたら┉という言葉に反応して、頬を赤らめる。
そんな私の耳元で可愛い┉と囁いて、耳たぶを甘噛みしてくる。
そして腰に僅かばかり残っていた下穿きを取り去って、私は一糸纏わぬ姿になった。
「綺麗だ┉」そう呟きながらマクシミリアンはその手に先程の瓶に入っているものを垂らす。
その瞬間、ふわりと良い香りが拡がってそれが香油なのだと分かった。
マクシミリアンは冷たくないようにと、その香油を手で温めてそれから私の後孔に触れる。
──つぷ┉ん。長くて太い指が差し入れられる。
それからそこを拡げるように出し入れされると、今まで感じた事がなかった疼きが┉。
──あぁ気持ちいい┉私はまるで分かっていなかった。
こんなに甘美で幸せな行為だったとは──早く┉来て!
118
あなたにおすすめの小説
〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です
ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」
「では、契約結婚といたしましょう」
そうして今の夫と結婚したシドローネ。
夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。
彼には愛するひとがいる。
それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?
【完結】それ以上近づかないでください。
ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」
地味で冴えない小鳥遊凪は、ずっと憧れていた蓮見馨に勢いで告白してしまう。
するとまさかのOK。夢みたいな日々が始まった……はずだった。
だけど、ある出来事をきっかけに二人の関係はあっけなく終わる。
過去を忘れるために転校した凪は、もう二度と馨と会うことはないと思っていた。
ところが、ひょんなことから再会してしまう。
しかも、久しぶりに会った馨はどこか様子が違っていた。
「今度は、もう離さないから」
「お願いだから、僕にもう近づかないで…」
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
欠陥Ωは孤独なα令息に愛を捧ぐ あなたと過ごした五年間
華抹茶
BL
旧題:あなたと過ごした五年間~欠陥オメガと強すぎるアルファが出会ったら~
子供の時の流行り病の高熱でオメガ性を失ったエリオット。だがその時に前世の記憶が蘇り、自分が異性愛者だったことを思い出す。オメガ性を失ったことを喜び、ベータとして生きていくことに。
もうすぐ学園を卒業するという時に、とある公爵家の嫡男の家庭教師を探しているという話を耳にする。その仕事が出来たらいいと面接に行くと、とんでもなく美しいアルファの子供がいた。
だがそのアルファの子供は、質素な別館で一人でひっそりと生活する孤独なアルファだった。その理由がこの子供のアルファ性が強すぎて誰も近寄れないからというのだ。
だがエリオットだけはそのフェロモンの影響を受けなかった。家庭教師の仕事も決まり、アルファの子供と接するうちに心に抱えた傷を知る。
子供はエリオットに心を開き、懐き、甘えてくれるようになった。だが子供が成長するにつれ少しずつ二人の関係に変化が訪れる。
アルファ性が強すぎて愛情を与えられなかった孤独なアルファ×オメガ性を失いベータと偽っていた欠陥オメガ
●オメガバースの話になります。かなり独自の設定を盛り込んでいます。
●最終話まで執筆済み(全47話)。完結保障。毎日更新。
●Rシーンには※つけてます。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
望まれなかった代役婚ですが、投資で村を救っていたら旦那様に溺愛されました。
ivy
BL
⭐︎毎朝更新⭐︎
兄の身代わりで望まれぬ結婚を押しつけられたライネル。
冷たく「帰れ」と言われても、帰る家なんてない!
仕方なく寂れた村をもらい受け、前世の記憶を活かして“投資”で村おこしに挑戦することに。
宝石をぽりぽり食べるマスコット少年や、クセの強い職人たちに囲まれて、にぎやかな日々が始まる。
一方、彼を追い出したはずの旦那様は、いつの間にかライネルのがんばりに心を奪われていき──?
「村おこしと恋愛、どっちも想定外!?」
コミカルだけど甘い、投資×BLラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる