【完結】冷遇され臣下に下げ渡された元妃の物語

MEIKO

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第二章・辺境伯夫人へ

12・今すぐあなたの妻にして*

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 私がガルド王に初めて抱かれたのは二年前、十六の歳だ┉。
 
 あの時は目の前の王の存在が余りにも大きくて、まるで神に抱かれているかのようだった。
 それに、結婚できる年齢だといってもまだ少年のような私の身体で、王に満足していただけるとは思えずに。
 思いの外、王は優しかったがただ戸惑いと痛みで早く時が過ぎれば良いのに┉と願っていただけだった。なのに┉

 「んっ┉ぁあ、あ┉っ」

 マクシミリアンの美しい顔からは想像出来ないような、分厚い胸板が目の前にある。
 半性身の私とは全く違う逞しいその肉体にゴクリと唾を呑む。
 剣を持つであろう腕や肩は、固い筋肉がゴツゴツと盛り上がり、私など簡単に締め殺せるだろうなと、思わず物騒な事を考えてしまった。

 そして大きな手が、私の身体を弄ってくる。
 意外なほど繊細で丁寧な指使いで、私を大切に扱ってくれているのが分かる。
 マクシミリアンの長い指が、身体の隅々までなぞり上げ、存分に撫で回す。
 その指が胸の先を掠め、また戻っては焦らされて、そのうちツンと尖って主張し出す。
 それを押し潰すように捏ね回されると、思わず身体がビクンと反応してしまう。

 「あ┉んん、マクシミリアンさ┉ま」
 私は強請るような甘い声を出し、ゆるゆると腰を揺らす。

 「シルバ┉もっと私を呼んでくれ。この時をどれだけ夢見てきた事か┉一年半前、あなたを腕に抱いてからずっと、このように睦み合う事をひたすら願ったのだ。夢ではないのか┉?」

 私は感動していた┉この人の性愛の対象になっている事に大きな喜びを感じるし、助けていただいたあの時からずっと、忘れないでいてくれたのだ┉。
 そう思ったら、腹の奥がぎゅっとなる。

 ──この人に抱かれたい!最後まで┉

 この気持ちを伝えたいと、私は首元に抱き着いて艶めいた声で呟く。
 「今すぐ、あなたの妻にして┉」

 口元に笑みを浮かべたマクシミリアンが大きく頷く。
 ただ、その金色の瞳だけは笑ってはおらず、ギラギラと欲を孕んでいる。
 あの紳士的なマクシミリアンが!?と期待で胸が震える。

 それからベッド脇の棚から、青い香水瓶を取り出す。
 「ん┉それは?」と尋ねる私の声に、笑みを深めるマクシミリアン。

 「これはシルバの為のものだよ。これで痛みが和らぐから。慣れたら┉使わなくて大丈夫だからね。」 

 私は┉という言葉に反応して、頬を赤らめる。
 そんな私の耳元で可愛い┉と囁いて、耳たぶを甘噛みしてくる。

 そして腰に僅かばかり残っていた下穿きを取り去って、私は一糸纏わぬ姿になった。

 「綺麗だ┉」そう呟きながらマクシミリアンはその手に先程の瓶に入っているものを垂らす。
 その瞬間、ふわりと良い香りが拡がってそれが香油なのだと分かった。

 マクシミリアンは冷たくないようにと、その香油を手で温めてそれから私の後孔に触れる。

 ──つぷ┉ん。長くて太い指が差し入れられる。
 それからそこを拡げるように出し入れされると、今まで感じた事がなかった疼きが┉。

 ──あぁ気持ちいい┉私はまるで分かっていなかった。
 こんなに甘美で幸せな行為だったとは──早く┉来て!
 
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