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番外編
或日(ガルドSide)
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今日は朝から落ち着かない心持ちだ…オスカーとエリオットが城にやって来る。
侍従長のマッケランからの提案で、会食を共に…という事なのだが、大丈夫だろうか?いきなり王と食事を共にしようなど、緊張してしまうのではないか…と。
オスカーとは会った事があるが、エリオットとは初めてだ。どのような子なのだろうか?私を怖がったりしないだろうか…?期待と不安が入り混じる。
「主様!ベルード辺境伯家の御子息様達がご到着されたようでございますよ!さあ、お早く」
マッケランには珍しく、バタバタと忙しなく動き回って、もしかしてこやつも緊張しているのか?と思う。それなら私も気が楽になるな…
用意した部屋に入ると、やはり緊張した面持ちで小さな二人が待っていた。そして私が姿を現すと…
「王様!本日はお招きありがとうございます。以前はお助けいただきましてありがとうございました。またお目にかかれて嬉しいです」
母親譲りの艶のある黒髪と、私と同じまるで炎のような赤い瞳。我が息子オスカー…
あの時よりも大きくなって、少し男の子らしい顔つきになってきた。これからどんどん成長して立派な男になってゆくのだろうな。
「お初にお目にかかります!ベルード辺境伯家長男エリオットにございます。ご尊顔を拝しまして恐悦至極にございます。」
──エリオットか!流石に長男で立派な挨拶だ。姿は父であるマクシミリアンにそっくりなのだな。ただ紫の慈愛に満ちた瞳は、シルバ…
エリオットも息子ではないが、私にとっては甥にあたる。二人共、立派に育ったものだ…と感慨深い思いになった。
──やはり、あの二人の子だな…
「さあさあ、堅苦しい挨拶はここまでに!緊張せずに沢山召し上がって下さいませ」
思いを馳せしんみりしている私を尻目に、マッケランがそう声を掛ける。
こやつ…と思ったが、まだ小さな二人にこれ以上緊張を強いるのは酷だろう。
「さあ、頂こうか!食後には美味しいデザートもあるぞ?沢山食べると良い」
それから最初は緊張しきりだった二人も、徐々に慣れてきたのか饒舌になり、辺境の地のことや勉学、そして両親のことなども話してくれた。
中には私が聞くのは辛いような仲睦まじい両親二人の余話などもあったが、じっと我慢だな…マッケラン、そこで可哀想な顔で私を見るのはやめてくれ!
最後のデザートまでしっかりとして食事は締めくくられ、そろそろ二人を帰さねばならない…となった。
「今日は来てくれてありがとう。次はもう堅苦しい挨拶は不要だぞ?また是非来て楽しい時間を過ごさせて欲しいのだが…いいかな?」
それにエリオットとオスカーは、ぶんぶんと元気に頷いて笑顔を見せた。
「一つ…お願いがあるのですが。次は是非、妹のフェリシアも共にいいでしょうか?母様にそっくりで、とても可愛いんです!」
「僕からもお願い致します。もう信じられないくらい可愛いんですよ?可愛い過ぎて将来心配なくらいです!」
それにはここに居る皆が一様に笑顔で。
「ハハハッ、そうか?それは心配だな!是非私も会ってみたい。次はそうお願いしてみよう!」
二人を見送って、想像以上の和やかな対面に至極満足だった。
「楽しゅうございましたね!本当にあのお二人を見ていたら、辺境伯御夫婦の教育が素晴らしいのだと思い知りますね。元々、辺境伯家は愛情に溢れた家門ですから…ですから主様もシルバ様を行かせたのでしよう?他の者が下げ渡しを求めたら絶対に許しませんでしたよね?場合によっては斬っていたかも…」
そう言ったマッケランの横顔を見ていた。こやつには敵わないな…
シルバを想う余り、何もかもが後手後手になっていた。取り返しがつかないくらいに…
私に出来たのは見守ることくらいだった。
忙しい中、時間を見つけては夜中に顔を見に行っていた。シルバは、誰か別の者だと思っていたようだったが。
あの時、マクシミリアンがシルバの下げ渡しを求めた。もちろん私は絶対に嫌だと思ったが、同時にシルバの幸せはここにはないのかも…とも思った。
何年か前、城を抜け出して死のうとしたようだと気付いて、衝撃を受けた夜を思い出す。
傷だらけの酷い状態の足に、私はそっと薬を塗り込んでやったあの時を…
結局は、その判断は正しかったのだろう。
あのような可愛い子達に囲まれて、マクシミリアンからの愛を一身に受けて…
──幸せでいてくれ!愛しい人…誰よりも、いつまでも。
私があの時の決断を後悔することなどないように…
侍従長のマッケランからの提案で、会食を共に…という事なのだが、大丈夫だろうか?いきなり王と食事を共にしようなど、緊張してしまうのではないか…と。
オスカーとは会った事があるが、エリオットとは初めてだ。どのような子なのだろうか?私を怖がったりしないだろうか…?期待と不安が入り混じる。
「主様!ベルード辺境伯家の御子息様達がご到着されたようでございますよ!さあ、お早く」
マッケランには珍しく、バタバタと忙しなく動き回って、もしかしてこやつも緊張しているのか?と思う。それなら私も気が楽になるな…
用意した部屋に入ると、やはり緊張した面持ちで小さな二人が待っていた。そして私が姿を現すと…
「王様!本日はお招きありがとうございます。以前はお助けいただきましてありがとうございました。またお目にかかれて嬉しいです」
母親譲りの艶のある黒髪と、私と同じまるで炎のような赤い瞳。我が息子オスカー…
あの時よりも大きくなって、少し男の子らしい顔つきになってきた。これからどんどん成長して立派な男になってゆくのだろうな。
「お初にお目にかかります!ベルード辺境伯家長男エリオットにございます。ご尊顔を拝しまして恐悦至極にございます。」
──エリオットか!流石に長男で立派な挨拶だ。姿は父であるマクシミリアンにそっくりなのだな。ただ紫の慈愛に満ちた瞳は、シルバ…
エリオットも息子ではないが、私にとっては甥にあたる。二人共、立派に育ったものだ…と感慨深い思いになった。
──やはり、あの二人の子だな…
「さあさあ、堅苦しい挨拶はここまでに!緊張せずに沢山召し上がって下さいませ」
思いを馳せしんみりしている私を尻目に、マッケランがそう声を掛ける。
こやつ…と思ったが、まだ小さな二人にこれ以上緊張を強いるのは酷だろう。
「さあ、頂こうか!食後には美味しいデザートもあるぞ?沢山食べると良い」
それから最初は緊張しきりだった二人も、徐々に慣れてきたのか饒舌になり、辺境の地のことや勉学、そして両親のことなども話してくれた。
中には私が聞くのは辛いような仲睦まじい両親二人の余話などもあったが、じっと我慢だな…マッケラン、そこで可哀想な顔で私を見るのはやめてくれ!
最後のデザートまでしっかりとして食事は締めくくられ、そろそろ二人を帰さねばならない…となった。
「今日は来てくれてありがとう。次はもう堅苦しい挨拶は不要だぞ?また是非来て楽しい時間を過ごさせて欲しいのだが…いいかな?」
それにエリオットとオスカーは、ぶんぶんと元気に頷いて笑顔を見せた。
「一つ…お願いがあるのですが。次は是非、妹のフェリシアも共にいいでしょうか?母様にそっくりで、とても可愛いんです!」
「僕からもお願い致します。もう信じられないくらい可愛いんですよ?可愛い過ぎて将来心配なくらいです!」
それにはここに居る皆が一様に笑顔で。
「ハハハッ、そうか?それは心配だな!是非私も会ってみたい。次はそうお願いしてみよう!」
二人を見送って、想像以上の和やかな対面に至極満足だった。
「楽しゅうございましたね!本当にあのお二人を見ていたら、辺境伯御夫婦の教育が素晴らしいのだと思い知りますね。元々、辺境伯家は愛情に溢れた家門ですから…ですから主様もシルバ様を行かせたのでしよう?他の者が下げ渡しを求めたら絶対に許しませんでしたよね?場合によっては斬っていたかも…」
そう言ったマッケランの横顔を見ていた。こやつには敵わないな…
シルバを想う余り、何もかもが後手後手になっていた。取り返しがつかないくらいに…
私に出来たのは見守ることくらいだった。
忙しい中、時間を見つけては夜中に顔を見に行っていた。シルバは、誰か別の者だと思っていたようだったが。
あの時、マクシミリアンがシルバの下げ渡しを求めた。もちろん私は絶対に嫌だと思ったが、同時にシルバの幸せはここにはないのかも…とも思った。
何年か前、城を抜け出して死のうとしたようだと気付いて、衝撃を受けた夜を思い出す。
傷だらけの酷い状態の足に、私はそっと薬を塗り込んでやったあの時を…
結局は、その判断は正しかったのだろう。
あのような可愛い子達に囲まれて、マクシミリアンからの愛を一身に受けて…
──幸せでいてくれ!愛しい人…誰よりも、いつまでも。
私があの時の決断を後悔することなどないように…
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完結おめでとうございます!!!
最後の最後までシルバさんとマクスさんの良さが出ていて、楽しかったです。゚(゚´Д`゚)゚。
ちょぼりさん、最後までありがとうございました!🥹
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シルバ、もう二、三人子供産みそうです🤣きっと子だくさん❤️