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第九章・秘密の友達
64・皇后様との対面
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会ってみては…なんて言われたけど、そんなに簡単にお会いできるものなの?と面食らう。おまけに皇女様は、まだお生まれになってから半年ほど…だけどきっと可愛いだろうな?ってお会いしてみたい気もするけど…
そう躊躇している私に陛下は大きく笑って「そんなに緊張せずとも…私に初めて会った時の元気はどうした?」とおっしゃる。それとはまた違う緊張なんですけどぉ~
そう思いながらも、せっかくのその申し出をお断りする訳にもいかず、皇后様が会ってくださるならば…と了承する。それから学園での生活やキャロラインの婚約などの話をさせていただき、それから話はルシード殿下のことになる…
「あれのせいで、エルバリンのルシード王子には迷惑を掛けてしまってなぁ…アリシアさえ良ければ、学園で力になってやって欲しい。幼い頃から苦労している人だから…」
思わずといった感じで陛下がそう言ったけど、幼い頃から苦労…ですって?
やっぱりルシード殿下の留学は、何か裏がありそうだ…これ以上はきっと、聞いても話してはくださらないだろうけど。
それから陛下には、また必ず近況を知らせにくるようにと念を押されてから、ジャックマンに連れられて皇后宮まで移動する。皇后宮は皇居の奥まったところにあり、調度品などは花をモチーフにしたものなど女性的で洗練されている。そして普段余り人が行き来しないのか、しんと静まり返っていて…
少し離れているだけで、これ程印象が違うのかと驚いていると…
「アリシア様、皇后様はこちらにいらっしゃいます」
そこは皇后様の自室のようで、私なんかがここに入ってもいいのかしら?と重ねて思わせる。そしてジャックマンが扉をノックし、「アリシア様がいらっしゃいました」と声を掛ける。そして皇后様御本人の声なのか、中から入るようにと落ち着いた声が聞こえて…
「あなたがアリシアですね?以前から陛下やキャロラインから聞いています。だから…初めて会ったとは思えないくらい!細かい挨拶はいいから、こちらにいらして」
扉を開けるなり、頭を下げる間もなくそう言われ、不敬だが思わず目の前の人を見つめてしまう。
曇り一つない透明のエメラルドグリーンの瞳。それに銀糸のような美しい髪が腰の辺りまで流れ落ちている…なんという美しい方だろう?それに思っていたよりも、ずっとお若い!恐らくは三十半ばほど…だけどやっぱりキャロラインにソックリだわ!緊張していたけど、まるでキャロラインが側にいるみたいだと、少しリラックスしてくる。
「お初にお目にかかります。ランドン伯爵家アリシアと申します。皇后様の姪であるキャロライン令嬢とは、本当に仲良くしていただいております」
そう言う私に、フワッと笑顔を向けられる皇后様。ううっ…流石にキャロラインとは従姉妹の皇后様…笑顔が眩し過ぎるっ。この世界って、何故こんなに光属性の人が多いんだろうか…
そうドキドキしながら、呼ばれるまま皇后様の御前に座らせていただく。それから皇后様付きの侍女の方が紅茶を入れてくれて有り難く頂戴しようとすると、中には花びらのようなものが浮かんでいて…とってもオシャレ。
流石皇后宮、細部まで行き届いているわぁ~と、感心していると…ニコニコ笑ってらっしゃる皇后様と目が合う。
──だけどホントにそっくりだわ!見た目も勿論だけど、雰囲気というのか…そして優しい眼差しまでも。
「アリシア…キャロラインのことでは、本当にありがとう!あの子を守ってくれて、そして何より力強い味方になってくれて。あの子…お義姉様が亡くなってからずっと一人で耐えてきたの。ほんの小さい頃から、あの大きな屋敷で一人で過ごしてきたのよ?食事を共にしたことなんて、数えるくらいしかないんじゃないかしら…。本当は仕事なんて放って置いてでも、兄があの子を構うべきだったのに…あれほど放置しておくなんて!だから私達の元に来た方が、キャロラインの為に良いと思ったの。スティーブの妃になって皇居に来た方が寂しくないだろうと…それがかえって苦しめてしまって」
そう言って皇后様は目を伏せる。ずっと気になっていた…何故キャロラインが、スティーブ殿下の婚約者になったのだろうと。もちろん身分や見た目など文句の付けようがない人だが、他に候補者がいない訳ではないだろう…なのに?と。なるほど…そうだったのね。
そしてもう一つ、キャロラインのあの我慢体質は、幼い頃からの体験が要因だったのだと分かった。そうだったならお兄様…もっとアロワ公爵様を叱っても良かったのに!だけどきっとお兄様は、それを感じ取っていたに違いない…だから婚約の了承を貰いに行く時、我慢出来ずにああ言ったのね?
以前、何故やられっぱなしで居るの?という私の問いに、キャロラインは自分が口下手で性格が大人しいからだと言っていた。それを鵜呑みにしてきたけど…
そしてアロワ公爵様とそのお兄様が、相当に忙しいことは知っていた。だけど…皇后様が心配し憤慨される程だったなんて!
そして私は反省する…親友達が大好きで守るわ!そうずっと言い続けてきたけど、結局は独りよがりだったのだろうか?相手の深い心情までは全然分かっていなかったのだと…
そう言えばそうね、ブリジットもあれほどの熱い想いを胸に抱えていたし、一見クールに見えるクリスティーヌも、其の実色々あるのかも知れない…無理に聞き出すのは違うだろうが、もっと仲間達に寄り添わないとダメなんだと改めて思う。
そして皇后様は私の手を取ってぎゅっと握り、「キャロラインが変わったのは、あなたのおかげよ?」と言ってくださった…それには涙が滲む。
「あの子ね…凄く嬉しそうに、あなたの話をするのよ?アリシアに恥じない自分でいたい…って。だからもう大丈夫ね?おまけに愛する人とも出会って、今まで孤独を味わっていた分これからはずっと幸せでいられるわね?」
それに泣き笑いで頷く私。それから皇后様は「キャロラインがお嫁に行った後、お兄様はきっとその時思い知るでしょうね?その淋しさを」と静かに呟く。そして私も同意の意味でそっと目を閉じた。
それから皇女様にお会いして、その尊い御身をおっかなビックリで抱かせていただく!前にロッテに、皇居へ行ったことを子供や孫に自慢できるわよ?なんて言ったけど、私はそれよりもずっと恐れ多い経験をさせていただいた…それこそ子孫末代にまで伝えなくては~!
そう躊躇している私に陛下は大きく笑って「そんなに緊張せずとも…私に初めて会った時の元気はどうした?」とおっしゃる。それとはまた違う緊張なんですけどぉ~
そう思いながらも、せっかくのその申し出をお断りする訳にもいかず、皇后様が会ってくださるならば…と了承する。それから学園での生活やキャロラインの婚約などの話をさせていただき、それから話はルシード殿下のことになる…
「あれのせいで、エルバリンのルシード王子には迷惑を掛けてしまってなぁ…アリシアさえ良ければ、学園で力になってやって欲しい。幼い頃から苦労している人だから…」
思わずといった感じで陛下がそう言ったけど、幼い頃から苦労…ですって?
やっぱりルシード殿下の留学は、何か裏がありそうだ…これ以上はきっと、聞いても話してはくださらないだろうけど。
それから陛下には、また必ず近況を知らせにくるようにと念を押されてから、ジャックマンに連れられて皇后宮まで移動する。皇后宮は皇居の奥まったところにあり、調度品などは花をモチーフにしたものなど女性的で洗練されている。そして普段余り人が行き来しないのか、しんと静まり返っていて…
少し離れているだけで、これ程印象が違うのかと驚いていると…
「アリシア様、皇后様はこちらにいらっしゃいます」
そこは皇后様の自室のようで、私なんかがここに入ってもいいのかしら?と重ねて思わせる。そしてジャックマンが扉をノックし、「アリシア様がいらっしゃいました」と声を掛ける。そして皇后様御本人の声なのか、中から入るようにと落ち着いた声が聞こえて…
「あなたがアリシアですね?以前から陛下やキャロラインから聞いています。だから…初めて会ったとは思えないくらい!細かい挨拶はいいから、こちらにいらして」
扉を開けるなり、頭を下げる間もなくそう言われ、不敬だが思わず目の前の人を見つめてしまう。
曇り一つない透明のエメラルドグリーンの瞳。それに銀糸のような美しい髪が腰の辺りまで流れ落ちている…なんという美しい方だろう?それに思っていたよりも、ずっとお若い!恐らくは三十半ばほど…だけどやっぱりキャロラインにソックリだわ!緊張していたけど、まるでキャロラインが側にいるみたいだと、少しリラックスしてくる。
「お初にお目にかかります。ランドン伯爵家アリシアと申します。皇后様の姪であるキャロライン令嬢とは、本当に仲良くしていただいております」
そう言う私に、フワッと笑顔を向けられる皇后様。ううっ…流石にキャロラインとは従姉妹の皇后様…笑顔が眩し過ぎるっ。この世界って、何故こんなに光属性の人が多いんだろうか…
そうドキドキしながら、呼ばれるまま皇后様の御前に座らせていただく。それから皇后様付きの侍女の方が紅茶を入れてくれて有り難く頂戴しようとすると、中には花びらのようなものが浮かんでいて…とってもオシャレ。
流石皇后宮、細部まで行き届いているわぁ~と、感心していると…ニコニコ笑ってらっしゃる皇后様と目が合う。
──だけどホントにそっくりだわ!見た目も勿論だけど、雰囲気というのか…そして優しい眼差しまでも。
「アリシア…キャロラインのことでは、本当にありがとう!あの子を守ってくれて、そして何より力強い味方になってくれて。あの子…お義姉様が亡くなってからずっと一人で耐えてきたの。ほんの小さい頃から、あの大きな屋敷で一人で過ごしてきたのよ?食事を共にしたことなんて、数えるくらいしかないんじゃないかしら…。本当は仕事なんて放って置いてでも、兄があの子を構うべきだったのに…あれほど放置しておくなんて!だから私達の元に来た方が、キャロラインの為に良いと思ったの。スティーブの妃になって皇居に来た方が寂しくないだろうと…それがかえって苦しめてしまって」
そう言って皇后様は目を伏せる。ずっと気になっていた…何故キャロラインが、スティーブ殿下の婚約者になったのだろうと。もちろん身分や見た目など文句の付けようがない人だが、他に候補者がいない訳ではないだろう…なのに?と。なるほど…そうだったのね。
そしてもう一つ、キャロラインのあの我慢体質は、幼い頃からの体験が要因だったのだと分かった。そうだったならお兄様…もっとアロワ公爵様を叱っても良かったのに!だけどきっとお兄様は、それを感じ取っていたに違いない…だから婚約の了承を貰いに行く時、我慢出来ずにああ言ったのね?
以前、何故やられっぱなしで居るの?という私の問いに、キャロラインは自分が口下手で性格が大人しいからだと言っていた。それを鵜呑みにしてきたけど…
そしてアロワ公爵様とそのお兄様が、相当に忙しいことは知っていた。だけど…皇后様が心配し憤慨される程だったなんて!
そして私は反省する…親友達が大好きで守るわ!そうずっと言い続けてきたけど、結局は独りよがりだったのだろうか?相手の深い心情までは全然分かっていなかったのだと…
そう言えばそうね、ブリジットもあれほどの熱い想いを胸に抱えていたし、一見クールに見えるクリスティーヌも、其の実色々あるのかも知れない…無理に聞き出すのは違うだろうが、もっと仲間達に寄り添わないとダメなんだと改めて思う。
そして皇后様は私の手を取ってぎゅっと握り、「キャロラインが変わったのは、あなたのおかげよ?」と言ってくださった…それには涙が滲む。
「あの子ね…凄く嬉しそうに、あなたの話をするのよ?アリシアに恥じない自分でいたい…って。だからもう大丈夫ね?おまけに愛する人とも出会って、今まで孤独を味わっていた分これからはずっと幸せでいられるわね?」
それに泣き笑いで頷く私。それから皇后様は「キャロラインがお嫁に行った後、お兄様はきっとその時思い知るでしょうね?その淋しさを」と静かに呟く。そして私も同意の意味でそっと目を閉じた。
それから皇女様にお会いして、その尊い御身をおっかなビックリで抱かせていただく!前にロッテに、皇居へ行ったことを子供や孫に自慢できるわよ?なんて言ったけど、私はそれよりもずっと恐れ多い経験をさせていただいた…それこそ子孫末代にまで伝えなくては~!
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