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第六章・御使いの秘密
43・御使いとは
それはある日突然現れた…
その時偶然一緒に居た、父上とシルファ兄上の驚愕の表情が今でも忘れられない。
──驚き、そして絶望…
決して喜びなどではなかった!愛する子や弟が一瞬にして別の者になるのだ…神の御使いに。
「そうそう!スリ様の御身体から突然、目が眩むほどの光が出たんですよね~。うちの母なんか腰抜かしたって言ってました」
グラン聖国の者には良く知られたその光景なのだが、他の国の人達には全く馴染みがないであろう御使いの常識を説明している。
「スリジャは普通にしてても輝いているだろうに、そんな事になったら目開けてられないだろうな…」
などと大真面目にロイが言って、うんうん頷いている。
何故かアルジェも、そうそうって頷き同意するのでスリジャは赤面する。
「それでスリジャは神殿に行って直ぐ写し身様になったんだな?それって前任の方はどうなったんだろう?役を降りられたのだろうか…」
そう聞かれてスリジャとアルジェはちょっと複雑そうな表情になった。
「実は…お亡くなりになったのです。お役目の最中だったと聞いています」
やはり大変な役目なんだな…写し身様と言うのは。ロイが噛み締めるように呟いた。
「やはり写し身様ってなると、自分の癒やしの力を存分に使わないといけないんですよ。最初からそういう力の強い御使いが選ばれるんです」
ですよねっ!とスリジャに向かって同意を求めるアルジェ。
「私が神の御使いの『印』が発現したのは、その方が亡くなって直ぐだったらしいです。という事は前任者が居なくなった瞬間選ばれるのではないか?と思われます」
もしかして亡くなっていなければ、私達が神殿に行くのはもう少し後だったかも知れない。
「じゃあですよ、御使い長様も亡くなるかその資格がなくなったら次の方が選ばれる可能性ありますよね?」
──確かにそうだ…アルジェの言うように選ばれる事にならるだろう。だけどこれはあくまで私の考えだが、御使い長は恐らく…癒やしの力の強弱でなれるものではない気がする。どういった基準なのか知りようもないけど…
「スリジャがこちらに来る前、新しい御使いが選ばれたそうだな?その方は写し身の候補者なんだろう?その者は御神託を受ける事は出来ないのか?」
──そう…可怪しいと思うのは、私が国を出る前に会った時はもうすでに写し身としての片鱗を見せていたあの子が、まだ御神託を受ける事が出来ないなんて腑に落ちない…かなり力が強いはずなのに。
12歳という年齢のせいだろうか?選ばれる年齢にしては少し遅いが…
「やっぱりスリ様、ロイ様。ラシア王国の神殿に行ってみましょう。神殿付きの御使いも居る筈ですし、その辺の所も探ってきましょうよ!」
意外にもアルジェが一番ヤル気を見せている。だけど、いつの間にロイ様って言うほど仲良くなったの?とは思うが…。まあ、アルジェの事だからアリなんだろうなぁ。
「ご心配でしたら私がまず行ってまいりましょうか?確か、ラシアの神殿に居る者は知り合いだと思います。私も長年神殿に居ましたから!」と自慢気に胸をドン!と叩くアルジェ。
──心配なんだけど…何やら胸騒ぎがする…
ヤル気を見せるアルジェには申し訳ないが、その不安を隠し切れずに表情に出てしまって…
「ではアスバルと一緒に行くのはどうだ?アイツなら腕は立つし。心配は少しは軽減するのではないか?」
それならば…と渋々了承して、先にアルジェとアスバルが神殿に行く事になった。
──何も起きなければいいが…
その時偶然一緒に居た、父上とシルファ兄上の驚愕の表情が今でも忘れられない。
──驚き、そして絶望…
決して喜びなどではなかった!愛する子や弟が一瞬にして別の者になるのだ…神の御使いに。
「そうそう!スリ様の御身体から突然、目が眩むほどの光が出たんですよね~。うちの母なんか腰抜かしたって言ってました」
グラン聖国の者には良く知られたその光景なのだが、他の国の人達には全く馴染みがないであろう御使いの常識を説明している。
「スリジャは普通にしてても輝いているだろうに、そんな事になったら目開けてられないだろうな…」
などと大真面目にロイが言って、うんうん頷いている。
何故かアルジェも、そうそうって頷き同意するのでスリジャは赤面する。
「それでスリジャは神殿に行って直ぐ写し身様になったんだな?それって前任の方はどうなったんだろう?役を降りられたのだろうか…」
そう聞かれてスリジャとアルジェはちょっと複雑そうな表情になった。
「実は…お亡くなりになったのです。お役目の最中だったと聞いています」
やはり大変な役目なんだな…写し身様と言うのは。ロイが噛み締めるように呟いた。
「やはり写し身様ってなると、自分の癒やしの力を存分に使わないといけないんですよ。最初からそういう力の強い御使いが選ばれるんです」
ですよねっ!とスリジャに向かって同意を求めるアルジェ。
「私が神の御使いの『印』が発現したのは、その方が亡くなって直ぐだったらしいです。という事は前任者が居なくなった瞬間選ばれるのではないか?と思われます」
もしかして亡くなっていなければ、私達が神殿に行くのはもう少し後だったかも知れない。
「じゃあですよ、御使い長様も亡くなるかその資格がなくなったら次の方が選ばれる可能性ありますよね?」
──確かにそうだ…アルジェの言うように選ばれる事にならるだろう。だけどこれはあくまで私の考えだが、御使い長は恐らく…癒やしの力の強弱でなれるものではない気がする。どういった基準なのか知りようもないけど…
「スリジャがこちらに来る前、新しい御使いが選ばれたそうだな?その方は写し身の候補者なんだろう?その者は御神託を受ける事は出来ないのか?」
──そう…可怪しいと思うのは、私が国を出る前に会った時はもうすでに写し身としての片鱗を見せていたあの子が、まだ御神託を受ける事が出来ないなんて腑に落ちない…かなり力が強いはずなのに。
12歳という年齢のせいだろうか?選ばれる年齢にしては少し遅いが…
「やっぱりスリ様、ロイ様。ラシア王国の神殿に行ってみましょう。神殿付きの御使いも居る筈ですし、その辺の所も探ってきましょうよ!」
意外にもアルジェが一番ヤル気を見せている。だけど、いつの間にロイ様って言うほど仲良くなったの?とは思うが…。まあ、アルジェの事だからアリなんだろうなぁ。
「ご心配でしたら私がまず行ってまいりましょうか?確か、ラシアの神殿に居る者は知り合いだと思います。私も長年神殿に居ましたから!」と自慢気に胸をドン!と叩くアルジェ。
──心配なんだけど…何やら胸騒ぎがする…
ヤル気を見せるアルジェには申し訳ないが、その不安を隠し切れずに表情に出てしまって…
「ではアスバルと一緒に行くのはどうだ?アイツなら腕は立つし。心配は少しは軽減するのではないか?」
それならば…と渋々了承して、先にアルジェとアスバルが神殿に行く事になった。
──何も起きなければいいが…
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