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5.巨大トカゲ
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砲台の場所から十分くらい歩き、倉庫の壁に突き当たる。壁の素材はクリスタルのような物で、窓一つない壁が百メ-トル位連なっている。どこを見ても人影がない。夜だからなのか、倉庫街だからなのか……。先程の砲台での事が嘘のように、静けさが辺りに広がっている。とりあえず響は壁沿いに右の方へ歩いて行く事する。
最初の曲がり角を曲がろうとしたその時、静けさの中から女性の声がする。
「誰か助けて~」
角を曲た先から、女性の助けを求める声がする。
この様に誰もいない所で叫んでも、誰かが助けに来るわけがない。
響は、思わず声のした方へ向けて走り出す。
責任感が強いと、後先考えずに行動してしまう。
アメリカの経済学者が、『早い失敗は経験の元』と言っていたが、命がかかっている場合は別だ。
一度の失敗で、命を落としてしまうのだから、取り返しようがない。
「何考えてるんだろうね。アンタが行っても、何も出来ないよ」
またしてもクロエに、呆れられたが、響は無言で走る。
響が四つ目の建物を通り過ぎると、一人のメイド服の女性が、左の傍らに倒れている。
急いで側に駆け寄ると、その女性は血だまりの中に、あお向けで倒れていた。その胸元には、大きな爪で引っ掻かれたような、深手の傷跡がある。
響は、女性の息と脈を確認したが、既に息絶えていた。響は、着ていた制服のブレザーを女性に掛けてやり、女性が持っていたのであろう。近くに落ちていた短剣を拾い、新たに声のする方へと走って行く。
薄明りの中、倉庫が立ち並び、急な坂道を下った先にある広場で、一人のドレスを着た少女と、少女を守るように青い光りを放つソ-ドを構える。メイド服の女性が、全長三メートル程の緑色をした、巨大トカゲに立ち向かっている。
その周りには、巨大トカゲと戦い破れたのであろう、メイド服姿の女性が三人倒れている。
「メリンダ気を付けて」
少女は、弱々しい声でメイドを励ます。今の少女に出来る事は、それくらいしかないのだ。
「姫様、私が巨大トカゲの気を引きますので、その内にお逃げください。」
メリンダと呼ばれる女性も、今の自分では敵わないと考えたのであろう。姫を逃がす為の時間を、稼ごうとしている。
姫は、逃げろと言われても、メリンダや自分を守って倒れていった。メイド達が気になって、身動きが取れなかった。それに、逃げたとしてもトカゲの足の速さには、少女が幾ら走ったとしても、到底逃げ切れるものではないであろう。
響は、立ち並ぶ倉庫を勢いよく走りぬける。
その先は、下り坂になっており、勢いを増して下りへと突入するのだった。
「ノワーニー……」
意味もない言葉を発しても仕方がない。
目の前に見た事もないような、大物のトカゲが出現したのであるから。
響は、坂道を勢いづいて下りに入っている。
止まろうとした所で、リングから実体化したクロエが、後ろからいきなり抱き付いて来る。
「やめときなよ!」
「うおおおおお――」
勢いづいて坂道に突入した所へ、後ろからクロエの巨乳で押され、加速した響は、巨大トカゲの右側の後ろ。
シッポの付け根辺りに激突し、跳ね返されて尻もちを付いて倒れる。
響がぶつかった後には、先ほど拾った短剣が、根元まで巨大トカゲに刺さっていた。
巨大トカゲは、予期しない激痛を与えられ、頭とシッポを左右に振り、激しく暴れだす。
そして、振り出されたシッポの一撃が、響の胸を捕らえた。
響は、大きなこうを描いて、少女達の元へ跳ね飛ばされて行く。
自動車事故等でもそうだが、事故にあった時には、景色がスローモーションのように流れて行き、思考は一瞬で数多くの事を、処理出来るものである。
響もこの一瞬の間に、妹達の事や跳ね飛ばされて、あばら骨が何本か折れたであろうこと等が、頭をよぎっていた。
「大丈夫ですか?」
姫と呼ばれる髪の長いお嬢様風の少女は、巨大トカゲに一撃を加え、飛ばされて来た響に駆け寄り、響を抱きかかえる。
メリンダも巨大トカゲが、暴れるので攻撃のきっかけが、掴めずにいた。
響は、意識が朦朧とする中で、巨大トカゲに向かって行く、白い影を見た。
それは、紛れもなくクロエの姿であった。
翼を広げ宙に浮きながら、響と巨大トカゲの間に入り、魔法を放とうと右手の人差し指を、巨大トカゲに向けた。
その指先から暗雲が光り、矢の如く巨大トカゲに向けて放たれた。
その稲妻は、巨大トカゲの肩口に当たり、胴体を貫き引き裂いた。
巨大トカゲは、自分の身に何が起きたのか、分からないまま絶命し倒れた。
響は、目がくらむ中で、クロエの姿が霧のように消えて行き。その粒子が響の体内へ吸い込まれて行くのを、確認した所で意識を失った。
最初の曲がり角を曲がろうとしたその時、静けさの中から女性の声がする。
「誰か助けて~」
角を曲た先から、女性の助けを求める声がする。
この様に誰もいない所で叫んでも、誰かが助けに来るわけがない。
響は、思わず声のした方へ向けて走り出す。
責任感が強いと、後先考えずに行動してしまう。
アメリカの経済学者が、『早い失敗は経験の元』と言っていたが、命がかかっている場合は別だ。
一度の失敗で、命を落としてしまうのだから、取り返しようがない。
「何考えてるんだろうね。アンタが行っても、何も出来ないよ」
またしてもクロエに、呆れられたが、響は無言で走る。
響が四つ目の建物を通り過ぎると、一人のメイド服の女性が、左の傍らに倒れている。
急いで側に駆け寄ると、その女性は血だまりの中に、あお向けで倒れていた。その胸元には、大きな爪で引っ掻かれたような、深手の傷跡がある。
響は、女性の息と脈を確認したが、既に息絶えていた。響は、着ていた制服のブレザーを女性に掛けてやり、女性が持っていたのであろう。近くに落ちていた短剣を拾い、新たに声のする方へと走って行く。
薄明りの中、倉庫が立ち並び、急な坂道を下った先にある広場で、一人のドレスを着た少女と、少女を守るように青い光りを放つソ-ドを構える。メイド服の女性が、全長三メートル程の緑色をした、巨大トカゲに立ち向かっている。
その周りには、巨大トカゲと戦い破れたのであろう、メイド服姿の女性が三人倒れている。
「メリンダ気を付けて」
少女は、弱々しい声でメイドを励ます。今の少女に出来る事は、それくらいしかないのだ。
「姫様、私が巨大トカゲの気を引きますので、その内にお逃げください。」
メリンダと呼ばれる女性も、今の自分では敵わないと考えたのであろう。姫を逃がす為の時間を、稼ごうとしている。
姫は、逃げろと言われても、メリンダや自分を守って倒れていった。メイド達が気になって、身動きが取れなかった。それに、逃げたとしてもトカゲの足の速さには、少女が幾ら走ったとしても、到底逃げ切れるものではないであろう。
響は、立ち並ぶ倉庫を勢いよく走りぬける。
その先は、下り坂になっており、勢いを増して下りへと突入するのだった。
「ノワーニー……」
意味もない言葉を発しても仕方がない。
目の前に見た事もないような、大物のトカゲが出現したのであるから。
響は、坂道を勢いづいて下りに入っている。
止まろうとした所で、リングから実体化したクロエが、後ろからいきなり抱き付いて来る。
「やめときなよ!」
「うおおおおお――」
勢いづいて坂道に突入した所へ、後ろからクロエの巨乳で押され、加速した響は、巨大トカゲの右側の後ろ。
シッポの付け根辺りに激突し、跳ね返されて尻もちを付いて倒れる。
響がぶつかった後には、先ほど拾った短剣が、根元まで巨大トカゲに刺さっていた。
巨大トカゲは、予期しない激痛を与えられ、頭とシッポを左右に振り、激しく暴れだす。
そして、振り出されたシッポの一撃が、響の胸を捕らえた。
響は、大きなこうを描いて、少女達の元へ跳ね飛ばされて行く。
自動車事故等でもそうだが、事故にあった時には、景色がスローモーションのように流れて行き、思考は一瞬で数多くの事を、処理出来るものである。
響もこの一瞬の間に、妹達の事や跳ね飛ばされて、あばら骨が何本か折れたであろうこと等が、頭をよぎっていた。
「大丈夫ですか?」
姫と呼ばれる髪の長いお嬢様風の少女は、巨大トカゲに一撃を加え、飛ばされて来た響に駆け寄り、響を抱きかかえる。
メリンダも巨大トカゲが、暴れるので攻撃のきっかけが、掴めずにいた。
響は、意識が朦朧とする中で、巨大トカゲに向かって行く、白い影を見た。
それは、紛れもなくクロエの姿であった。
翼を広げ宙に浮きながら、響と巨大トカゲの間に入り、魔法を放とうと右手の人差し指を、巨大トカゲに向けた。
その指先から暗雲が光り、矢の如く巨大トカゲに向けて放たれた。
その稲妻は、巨大トカゲの肩口に当たり、胴体を貫き引き裂いた。
巨大トカゲは、自分の身に何が起きたのか、分からないまま絶命し倒れた。
響は、目がくらむ中で、クロエの姿が霧のように消えて行き。その粒子が響の体内へ吸い込まれて行くのを、確認した所で意識を失った。
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