5 / 25
バーからの電話
しおりを挟む
ホテルの最上階にある総支配人室に、内線電話の呼び出し音が響く。
1回目のコールが鳴り終わるかどうかのタイミングで、素早く早瀬が受話器を上げた。
短く相づちを打ちながら、話を聞いている。
(こんな時間に何かあるとすれば、宿泊部か、あるいは…)
考えながら一生は、ちらりとデスクの上の時計を見る。
真夜中の24時を少し過ぎたところだった。
(バーの閉店間際のトラブルか…)
その時、少々お待ちくださいと言って、受話器を片手で覆いながら、早瀬が顔を上げた。
「どうした?どこからだ?」
パソコンのキーボードを打つ手を止めずに、一生が尋ねる。
「ナイトマネージャーからです。バーの閉店時間を過ぎても、酔いつぶれて動けないお客様がいらっしゃると」
「それがどうした?」
まるで、突き放したような冷たいセリフに聞こえるが、逆だった。
そんなことはホテルでは日常茶飯事。
うちのスタッフなら、なんなく対応出来るはずだと一生は思っていた。
「それが…若い女性のお客様なのですが、バーテンダーが申すには、オリオンツーリストの澤山 和樹様の婚約者の方ではないかと」
「なに?」
一生は、パソコンの画面から顔を上げて早瀬を見る。
「以前に一度だけ、澤山様と一緒に来店されたのを、バーテンダーが覚えていたようです。その時に澤山様が、その女性を婚約者だとおっしゃったそうです」
「分かった。すぐ行く」
一生は、掛けてあったジャケットを掴んで立ち上がると、腕を通しながらドアへと向かう。
「これからそちらにいらっしゃいます」
手短に電話の相手にそう言って受話器を置いた早瀬が、一生よりも先に出口にたどり着き、ドアを開けた。
*
バーの入口で待っていたナイトマネージャーに手を挙げて、一生は早瀬と中に入る。
ガランとした店内のカウンターに、一人突っ伏している女性がいた。
横顔を見ると、確かにあの女性に間違いなかった。
近づくと、そばにいたバーテンダーが一生に頭を下げる。
「ご苦労様。どんな様子だ?」
「はい。3時間ほど前にお一人で来店されました。その時にはすでに、少し酔っていらっしゃるようでした。なんでもいいからお任せで作って欲しいとのことでしたので、軽めのカクテルを1杯お作りしました。それを飲み終わってから、眠ってしまわれたようです。何度かお声かけしましたが、熟睡されています」
「分かった。ありがとう」
そう言うと一生は、ジャケットの内ポケットからマネークリップを取り出し、一万円札をバーテンダーに渡した。
「支払いはこれで。お釣りはチップとして取っておきなさい」
「え?!よろしいのですか?」
バーテンダーは目を丸くする。
「ああ。よく知らせてくれた。それに、たった一度でお客様のお顔を覚えているのも、たいしたものだ。ここはいいから、もう上がりなさい」
「ありがとうございます!」
深々とお辞儀をして、バーテンダーは奥に消えた。
(さてと、これからどうしたものか…)
一生は、とりあえず女性の耳元で声をかけてみる。
「お客様。お客様?閉店のお時間ですが…」
全く反応はない。
それはそうだろう。
バーテンダーやナイトマネージャーも、これまで散々起こそうと試みたはずだ。
カウンターの上の両腕に頭を載せて、ぐっすり眠っているその横顔を見ていると、頬に残るひと筋の跡に気づいた。
(泣いていたのか…)
いつの間にかそばを離れていた早瀬が、一生のもとに戻ってきた。
「早瀬、空いている部屋を用意してくれ」
「それがあいにく…本日は満室でして」
「なに?予備の部屋もか?」
「はい。なにせ土曜日で、しかもクリスマス・イブですから。ロイヤルスイートを含め、全館満室となっております」
(そうだった。クリスマス・イブ…)
夕方までは覚えていて、念入りにロビーも見回っていたのに、今は失念していた。
と、ふと早瀬に顔を向ける。
「お前、大丈夫なのか?」
「…は?何がでしょう」
思わぬ問いかけに、早瀬はキョトンとしている。
「いや、何でもない」
早瀬の方から、クリスマス・イブだから今日は早く帰りたい、などと言ってくるはずはない。
(自分が気を利かせるべきだった)
目の前の状況から、別のことを考え始めた一生に、早瀬がいつものように落ち着いた口調で言う。
「端末で調べてみたところ、本日、澤山 和樹様は、エグゼクティブスイートにお泊りのようです」
「え?!では、澤山様に内線電話でご連絡致しましょうか?」
近くにいたナイトマネージャーが、解決の糸口が見つかったとばかりに身を乗り出してくる。
「いや、それはだめだ」
ピシャリと一生は遮った。
なぜ…と言いたげな彼に向き直る。
「ホテルマンは、お客様のプライベートに踏み込んではならない。これは鉄則だ。恋人同士のご関係ならなおさら」
早瀬とナイトマネージャーは、姿勢を正して一生の言葉を聞いている。
「こちらのお客様は、婚約者の部屋を出てお一人でここにいらっしゃった。何か事情があるはずだ」
(しかも泣いていた。クリスマス・イブなのに…)
一生はカウンターから顔を戻し、早瀬に言った。
「総支配人室のプライベートルームに運ぶ」
一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに早瀬は頷いた。
*
総支配人室の奥には、2部屋のプライベートルームがある。
そのうちの片方は、主に一生が寝泊まりに使っていた。
もう片方の部屋のベッドに女性を寝かせると、一生は、カーテンを閉めたりエアコンを調節している早瀬に声をかける。
「お前はもう上がっていいぞ。遅くまで悪かった。明日は休みにしていい。って言っても日付けが変わってもう今日だけどな」
早瀬は、驚いたように振り返る。
「いえ、そんな訳には。クリスマスでホテルは忙しい日になりますし」
「構わん。俺一人で大丈夫だ。ただ、何かあったら連絡するから、その時は駆けつけてくれ」
そう言いつつ、何があっても早瀬に連絡するつもりはなかった。
「はい、かしこまりました。いつでもご連絡ください」
それでは失礼致します、とお辞儀をしてから立ち去ろうとする背中に、早瀬、ともう一度呼びかける。
「はい」
こちらに向き直る彼に、一生は笑いかけた。
「メリークリスマス。よい一日を」
一瞬驚いたあと、早瀬は若者らしい笑顔を見せた。
「メリークリスマス。総支配人もよい日を」
1回目のコールが鳴り終わるかどうかのタイミングで、素早く早瀬が受話器を上げた。
短く相づちを打ちながら、話を聞いている。
(こんな時間に何かあるとすれば、宿泊部か、あるいは…)
考えながら一生は、ちらりとデスクの上の時計を見る。
真夜中の24時を少し過ぎたところだった。
(バーの閉店間際のトラブルか…)
その時、少々お待ちくださいと言って、受話器を片手で覆いながら、早瀬が顔を上げた。
「どうした?どこからだ?」
パソコンのキーボードを打つ手を止めずに、一生が尋ねる。
「ナイトマネージャーからです。バーの閉店時間を過ぎても、酔いつぶれて動けないお客様がいらっしゃると」
「それがどうした?」
まるで、突き放したような冷たいセリフに聞こえるが、逆だった。
そんなことはホテルでは日常茶飯事。
うちのスタッフなら、なんなく対応出来るはずだと一生は思っていた。
「それが…若い女性のお客様なのですが、バーテンダーが申すには、オリオンツーリストの澤山 和樹様の婚約者の方ではないかと」
「なに?」
一生は、パソコンの画面から顔を上げて早瀬を見る。
「以前に一度だけ、澤山様と一緒に来店されたのを、バーテンダーが覚えていたようです。その時に澤山様が、その女性を婚約者だとおっしゃったそうです」
「分かった。すぐ行く」
一生は、掛けてあったジャケットを掴んで立ち上がると、腕を通しながらドアへと向かう。
「これからそちらにいらっしゃいます」
手短に電話の相手にそう言って受話器を置いた早瀬が、一生よりも先に出口にたどり着き、ドアを開けた。
*
バーの入口で待っていたナイトマネージャーに手を挙げて、一生は早瀬と中に入る。
ガランとした店内のカウンターに、一人突っ伏している女性がいた。
横顔を見ると、確かにあの女性に間違いなかった。
近づくと、そばにいたバーテンダーが一生に頭を下げる。
「ご苦労様。どんな様子だ?」
「はい。3時間ほど前にお一人で来店されました。その時にはすでに、少し酔っていらっしゃるようでした。なんでもいいからお任せで作って欲しいとのことでしたので、軽めのカクテルを1杯お作りしました。それを飲み終わってから、眠ってしまわれたようです。何度かお声かけしましたが、熟睡されています」
「分かった。ありがとう」
そう言うと一生は、ジャケットの内ポケットからマネークリップを取り出し、一万円札をバーテンダーに渡した。
「支払いはこれで。お釣りはチップとして取っておきなさい」
「え?!よろしいのですか?」
バーテンダーは目を丸くする。
「ああ。よく知らせてくれた。それに、たった一度でお客様のお顔を覚えているのも、たいしたものだ。ここはいいから、もう上がりなさい」
「ありがとうございます!」
深々とお辞儀をして、バーテンダーは奥に消えた。
(さてと、これからどうしたものか…)
一生は、とりあえず女性の耳元で声をかけてみる。
「お客様。お客様?閉店のお時間ですが…」
全く反応はない。
それはそうだろう。
バーテンダーやナイトマネージャーも、これまで散々起こそうと試みたはずだ。
カウンターの上の両腕に頭を載せて、ぐっすり眠っているその横顔を見ていると、頬に残るひと筋の跡に気づいた。
(泣いていたのか…)
いつの間にかそばを離れていた早瀬が、一生のもとに戻ってきた。
「早瀬、空いている部屋を用意してくれ」
「それがあいにく…本日は満室でして」
「なに?予備の部屋もか?」
「はい。なにせ土曜日で、しかもクリスマス・イブですから。ロイヤルスイートを含め、全館満室となっております」
(そうだった。クリスマス・イブ…)
夕方までは覚えていて、念入りにロビーも見回っていたのに、今は失念していた。
と、ふと早瀬に顔を向ける。
「お前、大丈夫なのか?」
「…は?何がでしょう」
思わぬ問いかけに、早瀬はキョトンとしている。
「いや、何でもない」
早瀬の方から、クリスマス・イブだから今日は早く帰りたい、などと言ってくるはずはない。
(自分が気を利かせるべきだった)
目の前の状況から、別のことを考え始めた一生に、早瀬がいつものように落ち着いた口調で言う。
「端末で調べてみたところ、本日、澤山 和樹様は、エグゼクティブスイートにお泊りのようです」
「え?!では、澤山様に内線電話でご連絡致しましょうか?」
近くにいたナイトマネージャーが、解決の糸口が見つかったとばかりに身を乗り出してくる。
「いや、それはだめだ」
ピシャリと一生は遮った。
なぜ…と言いたげな彼に向き直る。
「ホテルマンは、お客様のプライベートに踏み込んではならない。これは鉄則だ。恋人同士のご関係ならなおさら」
早瀬とナイトマネージャーは、姿勢を正して一生の言葉を聞いている。
「こちらのお客様は、婚約者の部屋を出てお一人でここにいらっしゃった。何か事情があるはずだ」
(しかも泣いていた。クリスマス・イブなのに…)
一生はカウンターから顔を戻し、早瀬に言った。
「総支配人室のプライベートルームに運ぶ」
一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに早瀬は頷いた。
*
総支配人室の奥には、2部屋のプライベートルームがある。
そのうちの片方は、主に一生が寝泊まりに使っていた。
もう片方の部屋のベッドに女性を寝かせると、一生は、カーテンを閉めたりエアコンを調節している早瀬に声をかける。
「お前はもう上がっていいぞ。遅くまで悪かった。明日は休みにしていい。って言っても日付けが変わってもう今日だけどな」
早瀬は、驚いたように振り返る。
「いえ、そんな訳には。クリスマスでホテルは忙しい日になりますし」
「構わん。俺一人で大丈夫だ。ただ、何かあったら連絡するから、その時は駆けつけてくれ」
そう言いつつ、何があっても早瀬に連絡するつもりはなかった。
「はい、かしこまりました。いつでもご連絡ください」
それでは失礼致します、とお辞儀をしてから立ち去ろうとする背中に、早瀬、ともう一度呼びかける。
「はい」
こちらに向き直る彼に、一生は笑いかけた。
「メリークリスマス。よい一日を」
一瞬驚いたあと、早瀬は若者らしい笑顔を見せた。
「メリークリスマス。総支配人もよい日を」
2
あなたにおすすめの小説
課長のケーキは甘い包囲網
花里 美佐
恋愛
田崎すみれ 二十二歳 料亭の娘だが、自分は料理が全くできない負い目がある。
えくぼの見える笑顔が可愛い、ケーキが大好きな女子。
×
沢島 誠司 三十三歳 洋菓子メーカー人事総務課長。笑わない鬼課長だった。
実は四年前まで商品開発担当パティシエだった。
大好きな洋菓子メーカーに就職したすみれ。
面接官だった彼が上司となった。
しかも、彼は面接に来る前からすみれを知っていた。
彼女のいつも買うケーキは、彼にとって重要な意味を持っていたからだ。
心に傷を持つヒーローとコンプレックス持ちのヒロインの恋(。・ω・。)ノ♡
ワイルド・プロポーズ
藤谷 郁
恋愛
北見瑤子。もうすぐ30歳。
総合ショッピングセンター『ウイステリア』財務部経理課主任。
生真面目で細かくて、その上、女の魅力ゼロ。男いらずの独身主義者と噂される枯れ女に、ある日突然見合い話が舞い込んだ。
私は決して独身主義者ではない。ただ、怖いだけ――
見合い写真を開くと、理想どおりの男性が微笑んでいた。
ドキドキしながら、紳士で穏やかで優しそうな彼、嶺倉京史に会いに行くが…
憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~
けいこ
恋愛
15歳のまだ子どもだった私を励まし続けてくれた家庭教師の「千隼先生」。
私は密かに先生に「憧れ」ていた。
でもこれは、恋心じゃなくただの「憧れ」。
そう思って生きてきたのに、10年の月日が過ぎ去って25歳になった私は、再び「千隼先生」に出会ってしまった。
久しぶりに会った先生は、男性なのにとんでもなく美しい顔立ちで、ありえない程の大人の魅力と色気をまとってた。
まるで人気モデルのような文句のつけようもないスタイルで、その姿は周りを魅了して止まない。
しかも、高級ホテルなどを世界展開する日本有数の大企業「晴月グループ」の御曹司だったなんて…
ウエディングプランナーとして働く私と、一緒に仕事をしている仲間達との関係、そして、家族の絆…
様々な人間関係の中で進んでいく新しい展開は、毎日何が起こってるのかわからないくらい目まぐるしくて。
『僕達の再会は…本当の奇跡だ。里桜ちゃんとの出会いを僕は大切にしたいと思ってる』
「憧れ」のままの存在だったはずの先生との再会。
気づけば「千隼先生」に偽装恋愛の相手を頼まれて…
ねえ、この出会いに何か意味はあるの?
本当に…「奇跡」なの?
それとも…
晴月グループ
LUNA BLUホテル東京ベイ 経営企画部長
晴月 千隼(はづき ちはや) 30歳
×
LUNA BLUホテル東京ベイ
ウエディングプランナー
優木 里桜(ゆうき りお) 25歳
うららかな春の到来と共に、今、2人の止まった時間がキラキラと鮮やかに動き出す。
タイムリミット 💍
シナモン
恋愛
アラサー、がさつ、でかくて酒が入ると方言出まくりの怖い女。
男にも結婚にも興味なかった私に回ってきた婚活パーティの招待状。
なーんにも期待してなかったのにまさかのお誘いが…。
いやいや冗談でしょう、後悔しても知りませんよ?
誰にも媚びない、男に好かれようと思ってない私が結婚を決めたのは…。人生、分からないものです。
もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
泉南佳那
恋愛
イケメンカリスマ美容師と内気で地味な書店員との、甘々溺愛ストーリーです!
どうぞお楽しみいただけますように。
〈あらすじ〉
加藤優紀は、現在、25歳の書店員。
東京の中心部ながら、昭和味たっぷりの裏町に位置する「高木書店」という名の本屋を、祖母とふたりで切り盛りしている。
彼女が高木書店で働きはじめたのは、3年ほど前から。
短大卒業後、不動産会社で営業事務をしていたが、同期の、親会社の重役令嬢からいじめに近い嫌がらせを受け、逃げるように会社を辞めた過去があった。
そのことは優紀の心に小さいながらも深い傷をつけた。
人付き合いを恐れるようになった優紀は、それ以来、つぶれかけの本屋で人の目につかない質素な生活に安んじていた。
一方、高木書店の目と鼻の先に、優紀の兄の幼なじみで、大企業の社長令息にしてカリスマ美容師の香坂玲伊が〈リインカネーション〉という総合ビューティーサロンを経営していた。
玲伊は優紀より4歳年上の29歳。
優紀も、兄とともに玲伊と一緒に遊んだ幼なじみであった。
店が近いこともあり、玲伊はしょっちゅう、優紀の本屋に顔を出していた。
子供のころから、かっこよくて優しかった玲伊は、優紀の初恋の人。
その気持ちは今もまったく変わっていなかったが、しがない書店員の自分が、カリスマ美容師にして御曹司の彼に釣り合うはずがないと、その恋心に蓋をしていた。
そんなある日、優紀は玲伊に「自分の店に来て」言われる。
優紀が〈リインカネーション〉を訪れると、人気のファッション誌『KALEN』の編集者が待っていた。
そして「シンデレラ・プロジェクト」のモデルをしてほしいと依頼される。
「シンデレラ・プロジェクト」とは、玲伊の店の1周年記念の企画で、〈リインカネーション〉のすべての施設を使い、2~3カ月でモデルの女性を美しく変身させ、それを雑誌の連載記事として掲載するというもの。
優紀は固辞したが、玲伊の熱心な誘いに負け、最終的に引き受けることとなる。
はじめての経験に戸惑いながらも、超一流の施術に心が満たされていく優紀。
そして、玲伊への恋心はいっそう募ってゆく。
玲伊はとても優しいが、それは親友の妹だから。
そんな切ない気持ちを抱えていた。
プロジェクトがはじまり、ひと月が過ぎた。
書店の仕事と〈リインカネーション〉の施術という二重生活に慣れてきた矢先、大問題が発生する。
突然、編集部に上層部から横やりが入り、優紀は「シンデレラ・プロジェクト」のモデルを下ろされることになった。
残念に思いながらも、やはり夢でしかなかったのだとあきらめる優紀だったが、そんなとき、玲伊から呼び出しを受けて……
わたしの愉快な旦那さん
川上桃園
恋愛
あまりの辛さにブラックすぎるバイトをやめた。最後塩まかれたけど気にしない。
あ、そういえばこの店入ったことなかったな、入ってみよう。
「何かお探しですか」
その店はなんでも取り扱うという。噂によると彼氏も紹介してくれるらしい。でもそんなのいらない。彼氏だったらすぐに離れてしまうかもしれないのだから。
店員のお兄さんを前にてんぱった私は。
「旦那さんが欲しいです……」
と、斜め上の回答をしてしまった。でもお兄さんは優しい。
「どんな旦那さんをお望みですか」
「え、えっと……愉快な、旦那さん?」
そしてお兄さんは自分を指差した。
「僕が、お客様のお探しの『愉快な旦那さん』ですよ」
そこから始まる恋のお話です。大学生女子と社会人男子(御曹司)。ほのぼのとした日常恋愛もの
イケメン副社長のターゲットは私!?~彼と秘密のルームシェア~
美和優希
恋愛
木下紗和は、務めていた会社を解雇されてから、再就職先が見つからずにいる。
貯蓄も底をつく中、兄の社宅に転がり込んでいたものの、頼りにしていた兄が突然転勤になり住む場所も失ってしまう。
そんな時、大手お菓子メーカーの副社長に救いの手を差しのべられた。
紗和は、副社長の秘書として働けることになったのだ。
そして不安一杯の中、提供された新しい住まいはなんと、副社長の自宅で……!?
突然始まった秘密のルームシェア。
日頃は優しくて紳士的なのに、時々意地悪にからかってくる副社長に気づいたときには惹かれていて──。
初回公開・完結*2017.12.21(他サイト)
アルファポリスでの公開日*2020.02.16
*表紙画像は写真AC(かずなり777様)のフリー素材を使わせていただいてます。
課長と私のほのぼの婚
藤谷 郁
恋愛
冬美が結婚したのは十も離れた年上男性。
舘林陽一35歳。
仕事はできるが、ちょっと変わった人と噂される彼は他部署の課長さん。
ひょんなことから交際が始まり、5か月後の秋、気がつけば夫婦になっていた。
※他サイトにも投稿。
※一部写真は写真ACさまよりお借りしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる