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ネリアンヌ視点

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<ネリアンヌ視点>

さきほどセレナたちと会っていた場所から、しばらく歩いたネリアンヌ。

路地裏で、ふいに立ち止まる。

背後の護衛たちも、ネリアンヌにあわせて立ち止まった。

「ねえ、ジル」

「あん?」

ネリアンヌが声をかけたのは、護衛のなかでも目立つ風貌の男性。

オオカミのようなツラをした、刺すような雰囲気の男だ。

銀髪で、ギラギラした緑色の瞳をしている。

彼――――ジルは、ネリアンヌの一番の用心棒である。

もとはプロの殺し屋であり、裏社会の人間でもあった。

「面白いオモチャを見つけちゃったわね」

「ああ。さっきのセレナとかいうガキか」

「ええ」

ネリアンヌはニヤニヤと笑う。

どんな悪業をしてやろうかと思案している顔であった。

ややあってから、ネリアンヌが命じた。

「ザカルに、セレナの調査と拉致らちをさせなさい」

「ザカルって、盗賊のザカルか?」

「そうよ。それ以外にどこのザカルがいるのよ」

――――ザカル。

かつてCランク級の殺し屋に認定されていたアサシンである。

一般的に冒険者にしろ、盗賊にしろ、殺し屋にしろ、Cランク以上はプロ。凄腕とされる。

ザカルは現在、いろいろあって盗賊に身をやつしているものの、戦闘技術は変わらずプロ級だ。

もしザカルが出向くなら、セレナみたいなガキなんざひとたまりもないだろう……とジルは思った。

ネリアンヌがつぶやく。

「この街に、まだ私に異見してくる庶民がいるなんて……あのセレナとかいう少女には、私の恐ろしさをしっかりと刻み付けてあげないとね」

「具体的に何やるんだよ?」

「家を燃やすか、家族を皆殺しにするか。いろいろアイディアはあるわよ」

「ははは。相変わらずおっかねえお嬢様だぜ!」

とジルは笑う。

ジルは殺し屋なので、ネリアンヌのような性悪の令嬢は見慣れている。

ネリアンヌはコロコロ笑いながら告げた。

「とりあえず、ザカルにセレナを拉致してもらうのが先ね」

「わかったよ。ザカルに連絡つけといてやらぁ」

とジルは言って、歩き出した。

ネリアンヌは、今後のことを考えて、あくどい笑みを浮かべるのだった。

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