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第3章81話:本気のネア
しおりを挟む「そこまで挑発するなら……わかったわ。もう容赦はしない」
そうネアが激怒の色をあらわにした。
彼女の右手に聖なる魔力が集中する。
その魔力がだんだんと形を成していく。
一本の光の棒になり、やがて、槍の形に変わっていく。
「身の程を知らない愚か者。私の聖なる光で、その魂ごと焼きつくしてあげる」
ネアの右手に現出したのは、一本の槍であった。
神聖な装飾がほどこされた長槍。
光のオーラをまとっている。
気が狂うほどの魔力が込められていることがわかった。
常人ならば、常軌を逸した魔力と、ネアの霊圧がこもった視線に見つめられるだけで、重度の精神異常を負ってしまうに違いない。
だが、俺はその極大のプレッシャーを柳に風と受け流す。
アイテムボックスから取り出したのは、新しいミスリルソード。
それを右手に握る。
レベルアップしたサイコキネシスにより、かつてないほど強靭な防護を、ミスリルソードへ付与する。
精霊の攻撃にも耐えられる強度に仕上げる。
「死になさい」
ネアが地を蹴る。
まるで地面を爆発したように陥没させながら、ネアが接近してくる。
振りかぶる槍。
次の瞬間。
斬撃が炸裂する。
一連の動作は、さきほどよりも数段、速い。
ネアが本気になったことがわかる。
「くく」
だが俺は笑う。
槍の斬撃を回避した。
斬撃の余波として剛風が巻き起こる。
「!!」
俺の回避に、ネアが目を見開きつつも、さらに二撃目を放ってくる。
今度は突きだ。
俺は身をそらしつつ、回避する。
「ちっ!」
ネアが舌打ちをしながら三撃、四撃、五撃と連撃を繰り出してきた。
ここまで1秒にも満たない。
時を置き去りにするかのような、恐ろしく速い攻撃だ。
しかし俺は、ネアの攻撃を回避し続ける。
「ははははは!! どうした!? 全く当たらないぞ! 本気を出すのではなかったか!?」
「くっ……!?」
ネアが焦りの表情を浮かべ始める。
「なら、これよ!!」
ネアが斬撃をやめる。
同時に、槍を持っていない左手に魔力を集中させた。
次の瞬間。
光の魔法弾を放ってくる。
2発の魔法弾だ。
ただの魔法弾かと思いきや、かなり高度な魔法理論で組み上げられたものだと、俺は直感的に理解する。
この魔法弾を、刹那の時間で解読して無効化することは不可能だ。
放たれた時点で、対処不可能。避けるしかない。
しかし、俺は回避などするつもりはなかった。
ミスリルソードで、それらの魔法弾を斬りつける。
すると、魔法弾が真っ二つに切断された。
「ぬるい」
サイコキネシスの前には全てが無力である――――
そう証明するかのごとく、2つの魔法弾はどちらも霧散していった。
「馬鹿な……私の魔法を、斬るなんて」
とネアが驚愕し、冷や汗を浮かべる。
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