再会したら溺愛の始まり〜心がついていけません!〜

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知らないこと(R18)

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 暗闇に浮かぶ、色気たっぷりの微笑み。気づけば互いの服は乱れていて、セレンは私のドレスの輪郭をなぞるように見つめてきた。私も視線を自身の腰の辺りに落とした。きつくしまった腰の部分は、いかにも窮屈そうで、それを意識すると余計に息苦しくなる。

 キスをやめただけで、互いの身体はまだ重なり合う程に近い。目が合うと、彼は私の意思を確認するかのように、強く見つめ返してきた。

 脱がしてあげようか、その言葉が頭の中にこだまする。それは彼の前で裸になるということだ。……何のために?いや、そもそも素肌を晒すなんて恐ろしくてできない。自分の身体を特別どうと思ったことはないが、きっと美しい訳ではないだろう。比較したことも、その対象もない為、自分が変でないか本当のことは分からない。

「裸になるなんて……」

「恥ずかしい?」

「それはそうよ!わ、分かんないもの……見せたことないし」

「誰かに見られたことがある方が困るよ」

「それに、私が裸になってどうするの?ドレスがきついのはそうだけど……」

 セレンは一瞬目を丸くしたが、すぐに腑に落ちたのか、そっか、と笑った。

「アルト、単刀直入に言うけど……子どもの作り方は知ってる?」

「し、し、らない……殿方に聞けばいいって……その時に教えてもらえばいいって」

 昔単純な好奇心で親に聞いた時も、学校でもそう教わった。すっきりしなくて不満だったが、そういうものなのだと、子どもなりに納得してからは特に疑問に思うこともなくなった。

「つ、つくるの、今?」

「いや、そうじゃないけど、そうだな……子どもをつくるためじゃなくて、恋人同士が愛を確かめるためにすることがあるんだ」

「な、何をするの?」

 混乱しているが、身体の熱は冷めない。恋人同士が愛を確かめるためにすること?それはどんなことなのか。……少しだけ分かる気がした。この胸にある、相手を求めてやまないこの昂りをぶつけ合うのだろう。でなければおかしくなりそうだ。相手を求めて火照った身体は、触れられたいという欲望を抱えて今にもそれが溢れてしまいそうである

「……嫌だったら言って、すぐやめるから」

 再び唇を重ね合わせる。セレンは私のドレスに手を掛けると、簡単に脱がし始めた。私はぎゅっと固く目を閉じて羞恥に耐える。段々と素肌が空気にさらされていくのが分かり、彼の手のひらが直接肌を撫でるたびに、感じたことのない刺激で身体が震えた。しかし直に体温を感じるたび、どこか安心して、身体の緊張が僅かにほぐれた。

 空間はやけに静かで、少し身動きをするだけでベッドの軋む音が聞こえる。それが何故だかすごく生々しく感じられた。

 心臓が激しく脈を打っている。全身の血液が沸騰しそうな程熱い。今まで何度もキスをしたけれど、どの時の雰囲気とも違っている。……ただ優しく甘い空間ではなく、何かに駆られるような、激しく求めるような、胸から迫り上がってくる渇望。そこには間違いなく情欲が絡んでいる。互いのそれが充満した空気は、官能的で、知らないそれに恐怖を覚えた。

 あっというまに一糸まとわぬ姿になってしまった。あまりの羞恥に目が開けられない。セレンはどう思ったのだろうか。変じゃない?恥ずかしい、その感情がぐるぐると全身を巡っている。
 
 この先に何があるのか私は知らない。ただきっと嫌なことではないのだ、彼と触れ合う行為なのだから。たった今、身体を滑る彼の指先は優しくて、少しくすぐったいけれど、身体が歓喜しているのが分かる。徐々に羞恥を歓喜が上回っていく。

「アルト、綺麗だよ。ずっと見たかった。どんな姿をしているんだろうって知りたかった」

 セレンの指先が露わになった乳房の輪郭を優しくなぞる。肌が粟立ち、私は少し身を捩った。

 セレンは私を抱き寄せると、そのまま二人でベッドに倒れ込んだ。反射的に目を開けると、覆いかぶさるようにして私にまさがる彼の姿が眼前に曝け出された。

 セレンの顔も今まで見たことがない程赤い。興奮しているのだろう。整った表情が、私を見つめて少し苦しそうに歪んでいる。首筋に時折かかる吐息が熱くて、彼も私と同じ渇望を抱えていると分かる。

 互いに舌を絡ませ合う。濃厚なキスの合間にも、彼の指は絶え間なく全身を愛撫してくる。腰も、お腹も、腿も、乳房の回りも、くすぐったさと快感を教授している。

 セレンの身体に両腕を回して、そのシャツをかたく握りしめた。高価なものであるだろうそれが皺くちゃになることなど、今の自分に気にする余裕は無い。

 私が必死に縋り付いたせいではだけたシャツが、不意に自身の胸の小さな突起に触れてしまった。ピリッとした快感とともに、下腹部がいっそう熱を持つのが分かった。

 急な刺激に驚き、身体が小さく跳ねた。分かりやすい反応に気づいたセレンが薄く目を開けると、指先で優しくそれを摘んだ。

「んっ!」

 先を爪の先で優しく掻かれたり、摘んで捏ねられたりして、段々と下腹部の熱が大きくなっていく。身体をしならせ、快感で顔は歪み、だらしなく唇を開けて荒く息をする。セレンはそれを見て嬉しそうに笑った後、私の唇を塞いだ。

 気が緩めば時折変な声が出そうになるので、私も必死に彼のキスに応える。下腹部の熱に耐えられなくなってきたのか、無意識に太腿を擦り寄せてしまう。

 全身が沸騰しそうな程熱い。やがて私の腿を撫でていた彼の指が、その付け根の方に移動していく。私はまるでそれに期待しているかのように、そこに意識を集中させた。

 下腹部のあたりがむずむずする。……触れてほしい。でもそこは自分でも触った事もなく、何より綺麗でない。そういえば湯船にも浸かっていない。……汚くないだろうか。

 そんな不安を他所に、彼の指がついに濡れそぼった割れ目を撫でた。瞬間、ピリピリとした強烈な快感が身体を支配する。

「あっ!」

 思わず顔を歪めて喘いだ。その指先はやがてそこにある小さな芽を摘まみ、優しく撫でる。感じたことのない快感に身を捩りながら必死に耐える。気づけばそこからは蜜が大量に溢れ出していて、彼の指をしっとりと濡らしていた。

「あ、あ、きもちい」

 自然と言葉が出ていた。腰は浮き上がり、顔はだらしなくとろけている。それをセレンにじっと見られていると気づかないまま、私は快感に身体を支配されながら腰を揺らしていた。これ以上身体が動かないよう、しっかり身体をセレンの両脚が挟んでいるため、快感をうまく逃がすことができない。それどころか身を捩るたびに芽が指先に擦れて気持ちが良くなってしまう。

「セレン、これ何?私っ……知らない!」

「痛くない?」

「じんじんしてる、あ、あぁ!」

 彼の指先でぷっくりと膨らんだその芽は、撫でられるたびに強烈な快感を運んでくる。自分の身体に、こんなに刺激を感じる敏感なところがあったなんて信じられない。芽を優しく愛でられるたび、そこだけでなく、自分の声までもが甘くとろけていく。そうしてたっぷりの蜜を纏わせた指で愛でられ続けていると、やがて何かが弾けそうな感じがそこを支配した。

「なんかくる、やだ、やだ!」

 芽が一層膨らみ、かたく芯を持ち始め、さらに快感が大きくなっていく。嫌なのに、嫌じゃない。証拠に私の身体は、セレンの指先を強請るように揺れている。

「アルト、かわいい」

 私を見つめる彼の瞳が蜂蜜のように甘くとろけている。目が合うと、セレンは嬉しそうに目尻を垂らし、顔を綻ばせた。身体中にキスをしながら、片手では胸の飾りを、もう片方の手で私の下腹部についた粒を執拗に愛撫している。

 両方から受け取る快感はやがて爆発しそうな程に膨れ上がり、下腹部に一気に快感が迫り上がってきた。私は堪らない快感に顔を歪ませ、目に涙を滲ませながら、下腹部に溜まっていくそれに身を投じた。

「あ、あ……あ――――っ!」

 ついに全身を耐え難い快感が襲い、身体が大きく跳ねる。余韻も凄まじく、快感が身体中に留まって消えてくれない。粗く全身を使って息をして、何とか快感を受け止めきる。身体はびくんびくんと脈打つのを止めてくれない。

 セレンが労るように優しく私の頭を撫でながら、唇にキスをしてくれた。頭がふわふわして、快感がまだ身体に残っている。セレンを見ると、彼も興奮冷めやらぬ印象だった。いつもはキリッとした真っ直ぐな眉は余裕が無さそうに歪み、息はいつもより粗い。はだけたシャツから覗く胸元の肌は赤く上気している。情欲の篭った熱い眼差しで見つめられると、再び下腹部が熱を持ち始めた。

 しかしセレンは息をととのえるように一度深く呼吸をすると、まだ赤い顔のまま、興奮を誤魔化すかのように微笑んだ。

「疲れたよね、ここまでにしようか」
 
  
 

 

 

 
 
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