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3 最初の晩餐・・・・ダイエット生活の始まりの合図。
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そんな決意をした日の翌週末。
今日はアユさんの部屋で会うことになった。
キッチンで料理を作ってるアユさん。
初めて外じゃなくて家の中で食事をすることにしたんだと・・・・・と思う、思いたい、そうだよね?
小さなテーブルとクッションと置物の様にじっとしてる僕。
角にあるパソコンデスクには鉄子さんだけには知られてるマスコットやメモや、僕のあげたお土産もある。
それでも普通の女の人の部屋だと思う。他の女の人の部屋なんかドラマでしか知らないけど、多分、そう。
何度か来て、ちょっとだけ見慣れた部屋だけど・・・。
今日ダイエッ企画の説明をされると聞いた。外で話されるよりは僕もいい。
お昼に待ち合わせて一緒にここまで来て、待っていてくださいと言われた。
一度部屋に来てから外に行くのかと思った。
でも、部屋に入ったらいい匂いがしてた。
朝からそんなにモグモグとご飯を食べたとは思えないし、今もキッチンで火を使いながら、何かしてる。それはまさに、手料理を作ってる!!それ以外には見えない。
何も聞かずに大人しくしてる。
火を止めて振り返られて、目が合った。だってずっと見てたし。
「ギイチさん手伝ってもらっていいですか?」
「うん、何する?」
重ねられたお箸とサラダのお皿を渡された。
コップにお茶をついだものも置かれて、テーブルと往復しながら運ぶ。
ご飯の小皿とスープカレーの深めのお皿も運んだ。
朝から作っていたんだとわかる。スープカレーには野菜のトッピングが、丸ごとどんどんどんと飾られるようにレイアウトされていた。煮込んだカレーよりおしゃれで美味しそう。量は多いわけじゃない。
アユさんが作ってくれた!
ここまで来て僕以外が食べるなんてことないから、僕のだよね。
お代りしたいくらい、五杯くらいお代りできそう。
テーブルについて、手を合わせた。
いただきますと。
こんな神妙な気持ちになってるところをいつもの定食屋のおばちゃんに見られたら、きっとからかわれるだろう。『うちのご飯もそれくらい有り難く食べてほしいわね。』って。
ダイエット企画始動の前にご褒美。
まさかこれが最後の晩餐で後はゴールまで携帯食とか言わないよね?
もっと貴重に思えてきてなかなか手を出せなくなった。
「カレー、嫌いじゃないですよね?あんまり、でしたか?」
まさか、首をブンブンと振る。
「すごく美味しそう!嬉しくてもったいないくらい。食べていい?」
「もちろんです、頂きますと言いましたし。」
「頂きます。」
もう一度アユさんを見て言った。
「どうぞ。」
最初の一口。美味しくてありがたくて、大切に飲み込んだ。
「美味しいです。」
「今のはご飯とスープのルーだけです。別に味付けは私じゃないですし、そこは市販のものです。」
野菜をルーに浸しながら食べる。
煮込むより歯ごたえがある。素揚げじゃなくてグリルしてくれたみたいだ。
根菜やオクラなどの野菜が美味しい。
サラダも葉っぱだけじゃなくて、少しのじゃがいもと、後は歯ごたえのあるナッツをふりかけていたり、セロリを入れていたり。
噛むたびにいろんな味がする。
その分ドレッシングは少なめだ。
美味しいと何度か口にして、ゆっくり食べ終わった。少なかったけど、満足だった。
すべてのお皿がきれいになった。
「じゃあゆっくりしててください。デザートもどきもあります。」
お皿を運ぶのは手伝った。
洗うのは任せて、また大人しく座ってた。
洗い物を終えて、コップにまたお茶をいれてきてくれた。
「お茶苦手じゃないですか?」
「大丈夫だよ、なんだろう?何かはわからないけど美味しいよ。」
さっぱりとカレーの味が流される。
「じゃあ、私の作った計画書をお見せします。」
そう言ってパソコンの方からプリントを持ってきた。
「おばちゃんも言ってましたよね。本当は何か思うことがあって、それで最近痩せたんですか?」
思い当たる理由を言って、お礼をした。
この間も言ったけど、それはやっぱりアユさんのおかげだから。
「他には何かなかったですか?」
なんだろう、思い当たらない。
アユさんと一緒にいなくても、次に行くところとか、見せたい物とか、お土産に何を買うかなんて、いろいろ考えて、その間おやつを食べずに過ごすこともあって。
結局アユさんのおかげだから。
存在そのものにお礼を言いたい。
でもそこまでは言えないから。
「何だろう?他はないかな?」
「じゃあ、これが私がおすすめするやり方です。」
どんな過酷なメニューが書かれていても頑張るよって言おうと思ってたのに。
そこにはさっきの食事の内容が書かれていた。
ご飯に入れたもの、カレーにいれたもの、お茶の名前、デザートも書かれてた。
毎日これを作って食べてください、ということだろうか?
カロリーを浮かせたり、味を過剰につけなくていい工夫、それが丸で囲まれた食材だと思う。
違和感なくご飯は食べたけど、こんにゃくが少し、流行りの押し麦も少し。
ドレッシングが少なくていいように足されたもの。
お茶も代謝を良くするらしい。
レシピじゃないからこれをもらっても作れないかも。
「作れるかな?」
自信なさげに言ってしまった。頑張るつもりだったのに、ついつい。
「大丈夫です。もちろん毎日カレーじゃないです。」
そう言ってくれた。
参考資料だったらしい。
「これは一応お知らせしました。」
少しカロリーを抑えました、と。
「うん、ごめんね。気が付かなくて、すごく美味しかった。味わったのにせっかくの工夫に気が付かなかった。」
「じゃあ成功です!」
嬉しそうに言われた。
「うん、ご馳走さま。」
また、改めてそう言ったら、ハッとして冷蔵庫に走っていった。
「デザートもどきです。」
ヨーグルトにフルーツが少し。
半分凍らされて、冷たい。
ゆっくりサクサクしながら食べる。
「凍らせても美味しいんだね。」
「これなら簡単だね。会社でもできそう。」
痩せるかな?
本当はこれだけじゃなんとも言えない、そう思ったけど。
「外食は控えるし、準備は少し必要です。でも面倒でも出来るだけ楽しんで、小さいお皿にのせて食べるんです。」
なるほど。
そういえば小さかった。
わざとだったんだ。
週末ならなんとか作ろうと思える。平日はついつい・・・・面倒な気分が勝つ。
でも頑張りたいと思ったばかり。苦手な運動じゃないし。
それでも少しは表情に出てたらしい。
「私が協力しますと言いましたから、もう少し責任持ちます。」
そう言って他の紙を持ってきたアユさん。
たくさんのメニューが書かれていた。
いわゆる『献立表』をもらった。
なんだか懐かしいくらいだ。
ところどころ丸がついてるのはさっきと同じ工夫のところだろう。
最後に冷凍ヨーグルトはマストなのかもしれない。
アイスが好きだと言った。デザートも選べるならケーキよりもアイスを選ぶ方だ。
ヨーグルトならアイスクリームよりはカロリーも低いし、健康的でいい。
手にしてるその紙が、やりましょう!!という応援にも思えてくる。
「頑張ります。外に出るときはみんなで食べるから無理かもしれないけど、会社だけの日なら頑張れると思う、頑張ります、作ります。」
そして痩せてみせます!
思ったより本気のダイエット計画になってきた。
「ここに書いてある分はほとんど作ってます。冷蔵庫に入ってます。サラダは無理だけど、メインとご飯はあります。」
?
「夜ご飯をここで一緒にというのは無理なので、今日持って帰って、とりあえず一週間ちょっとやってみませんか?」
「もちろん人と食べるときやお昼は自由です。ただ、一人で食べるときは、これを参考に解凍してアレンジしてみてください。」
「薄味にしてるので足りなかったら醤油などで塩分を足してください。タッパーに入れてるので、本当にレンジにかければ出来上がります。」
「作ってくれたの?」
「はい、私は味見してますが、美味しいかは好みなので。」
「絶対美味しい。決まってるよ。ありがとう。お金も手間もすごくかかったでしょう?」
メニューは確かに一週間分以上ある。
「だっていつもお土産もらってます。全然です。それに手伝うって言いましたよ。」
「でも、定食屋のおばちゃんが寂しいって言うかもしれませんが。」
「大丈夫、馴染みのお客さんだらけだし。・・・・本当にありがとう。」
「忘れずに持って帰ってもらえますか?」
「もちろん。」
「じゃあ、目標を達成したら、美味しいご飯をお願いします。」
あ、そうか。
「じゃあ、しばらくは・・・・。」
「そんな厳しいのはストレスですし、美味しいご飯も食べたいですよね。週末のお昼は定食屋さんでもいいし、とりあえずこれがなくなったら体重測ってみませんか?」
「もし続けられそうなら私がまた作ります。」
「いいの?」
「いいですよ。私はこれで大分減らしました。頑張る日とご褒美の日のメリハリで、週末には好きなものを食べに行ってました。」
「だってアユさんはそんなに細いのに。」
「女だらけだと基準が厳しいんです。」
たしかに僕も似たようなタイプばっかり。
逆に僕の方は基準がゆるかったんだと思う。
「新しい女の人は、どうなんですか?」
「どうなんだろう。あんまり考えたことない。もちろん太ってはいないと思う。僕に太ってるって言われたら怒るよね。」
そうですねとは流石に言われなかった。
またメニュー表を手にする。
サラダと小さなヨーグルト、フルーツ。
自分で買うべきものには青で丸がしてあった。
それ以外はチンで出来るらしい。
これで、作ってもらったものを食べて痩せたら、きっと褒めてくれると思う。頑張ったと役に立てて嬉しいと言ってくれるかも。やっぱり頑張ろう!
ゆっくり話をして帰りは紙袋にたくさんのタッパーをもらった。
付箋がついている。料理名と足すべき食材。
小瓶に調味料も入れられた。
母親にももらったことない、こんな感じ。
美味しく食べるからと約束した。
部屋に帰って冷凍室にしまった。
野菜とヨーグルトは買ってきた。
今日の分だけは冷蔵庫にしまう。
ご飯も一回分ラップに包んでくれていた。
いたれりつくせりだ。
アユさんは何キロ痩せたんだろう。
仕事の愚痴はあまり聞いたことがない、でも僕が楽しそうに話するのを聞いて、楽しそうで羨ましいとも言っていた。
一鉄にも言われたから、楽しめて働けてる方だと思う。
アユさんも辞めたいとか、そんな事は聞いたことがない。
そこはお互い良かったのかな。
まだ夕飯までには時間もある。お腹を空かせて美味しくたべたい。
ふらりと部屋を出て散歩することにした。
お腹空いたら帰ってくればいいから。
今日はアユさんの部屋で会うことになった。
キッチンで料理を作ってるアユさん。
初めて外じゃなくて家の中で食事をすることにしたんだと・・・・・と思う、思いたい、そうだよね?
小さなテーブルとクッションと置物の様にじっとしてる僕。
角にあるパソコンデスクには鉄子さんだけには知られてるマスコットやメモや、僕のあげたお土産もある。
それでも普通の女の人の部屋だと思う。他の女の人の部屋なんかドラマでしか知らないけど、多分、そう。
何度か来て、ちょっとだけ見慣れた部屋だけど・・・。
今日ダイエッ企画の説明をされると聞いた。外で話されるよりは僕もいい。
お昼に待ち合わせて一緒にここまで来て、待っていてくださいと言われた。
一度部屋に来てから外に行くのかと思った。
でも、部屋に入ったらいい匂いがしてた。
朝からそんなにモグモグとご飯を食べたとは思えないし、今もキッチンで火を使いながら、何かしてる。それはまさに、手料理を作ってる!!それ以外には見えない。
何も聞かずに大人しくしてる。
火を止めて振り返られて、目が合った。だってずっと見てたし。
「ギイチさん手伝ってもらっていいですか?」
「うん、何する?」
重ねられたお箸とサラダのお皿を渡された。
コップにお茶をついだものも置かれて、テーブルと往復しながら運ぶ。
ご飯の小皿とスープカレーの深めのお皿も運んだ。
朝から作っていたんだとわかる。スープカレーには野菜のトッピングが、丸ごとどんどんどんと飾られるようにレイアウトされていた。煮込んだカレーよりおしゃれで美味しそう。量は多いわけじゃない。
アユさんが作ってくれた!
ここまで来て僕以外が食べるなんてことないから、僕のだよね。
お代りしたいくらい、五杯くらいお代りできそう。
テーブルについて、手を合わせた。
いただきますと。
こんな神妙な気持ちになってるところをいつもの定食屋のおばちゃんに見られたら、きっとからかわれるだろう。『うちのご飯もそれくらい有り難く食べてほしいわね。』って。
ダイエット企画始動の前にご褒美。
まさかこれが最後の晩餐で後はゴールまで携帯食とか言わないよね?
もっと貴重に思えてきてなかなか手を出せなくなった。
「カレー、嫌いじゃないですよね?あんまり、でしたか?」
まさか、首をブンブンと振る。
「すごく美味しそう!嬉しくてもったいないくらい。食べていい?」
「もちろんです、頂きますと言いましたし。」
「頂きます。」
もう一度アユさんを見て言った。
「どうぞ。」
最初の一口。美味しくてありがたくて、大切に飲み込んだ。
「美味しいです。」
「今のはご飯とスープのルーだけです。別に味付けは私じゃないですし、そこは市販のものです。」
野菜をルーに浸しながら食べる。
煮込むより歯ごたえがある。素揚げじゃなくてグリルしてくれたみたいだ。
根菜やオクラなどの野菜が美味しい。
サラダも葉っぱだけじゃなくて、少しのじゃがいもと、後は歯ごたえのあるナッツをふりかけていたり、セロリを入れていたり。
噛むたびにいろんな味がする。
その分ドレッシングは少なめだ。
美味しいと何度か口にして、ゆっくり食べ終わった。少なかったけど、満足だった。
すべてのお皿がきれいになった。
「じゃあゆっくりしててください。デザートもどきもあります。」
お皿を運ぶのは手伝った。
洗うのは任せて、また大人しく座ってた。
洗い物を終えて、コップにまたお茶をいれてきてくれた。
「お茶苦手じゃないですか?」
「大丈夫だよ、なんだろう?何かはわからないけど美味しいよ。」
さっぱりとカレーの味が流される。
「じゃあ、私の作った計画書をお見せします。」
そう言ってパソコンの方からプリントを持ってきた。
「おばちゃんも言ってましたよね。本当は何か思うことがあって、それで最近痩せたんですか?」
思い当たる理由を言って、お礼をした。
この間も言ったけど、それはやっぱりアユさんのおかげだから。
「他には何かなかったですか?」
なんだろう、思い当たらない。
アユさんと一緒にいなくても、次に行くところとか、見せたい物とか、お土産に何を買うかなんて、いろいろ考えて、その間おやつを食べずに過ごすこともあって。
結局アユさんのおかげだから。
存在そのものにお礼を言いたい。
でもそこまでは言えないから。
「何だろう?他はないかな?」
「じゃあ、これが私がおすすめするやり方です。」
どんな過酷なメニューが書かれていても頑張るよって言おうと思ってたのに。
そこにはさっきの食事の内容が書かれていた。
ご飯に入れたもの、カレーにいれたもの、お茶の名前、デザートも書かれてた。
毎日これを作って食べてください、ということだろうか?
カロリーを浮かせたり、味を過剰につけなくていい工夫、それが丸で囲まれた食材だと思う。
違和感なくご飯は食べたけど、こんにゃくが少し、流行りの押し麦も少し。
ドレッシングが少なくていいように足されたもの。
お茶も代謝を良くするらしい。
レシピじゃないからこれをもらっても作れないかも。
「作れるかな?」
自信なさげに言ってしまった。頑張るつもりだったのに、ついつい。
「大丈夫です。もちろん毎日カレーじゃないです。」
そう言ってくれた。
参考資料だったらしい。
「これは一応お知らせしました。」
少しカロリーを抑えました、と。
「うん、ごめんね。気が付かなくて、すごく美味しかった。味わったのにせっかくの工夫に気が付かなかった。」
「じゃあ成功です!」
嬉しそうに言われた。
「うん、ご馳走さま。」
また、改めてそう言ったら、ハッとして冷蔵庫に走っていった。
「デザートもどきです。」
ヨーグルトにフルーツが少し。
半分凍らされて、冷たい。
ゆっくりサクサクしながら食べる。
「凍らせても美味しいんだね。」
「これなら簡単だね。会社でもできそう。」
痩せるかな?
本当はこれだけじゃなんとも言えない、そう思ったけど。
「外食は控えるし、準備は少し必要です。でも面倒でも出来るだけ楽しんで、小さいお皿にのせて食べるんです。」
なるほど。
そういえば小さかった。
わざとだったんだ。
週末ならなんとか作ろうと思える。平日はついつい・・・・面倒な気分が勝つ。
でも頑張りたいと思ったばかり。苦手な運動じゃないし。
それでも少しは表情に出てたらしい。
「私が協力しますと言いましたから、もう少し責任持ちます。」
そう言って他の紙を持ってきたアユさん。
たくさんのメニューが書かれていた。
いわゆる『献立表』をもらった。
なんだか懐かしいくらいだ。
ところどころ丸がついてるのはさっきと同じ工夫のところだろう。
最後に冷凍ヨーグルトはマストなのかもしれない。
アイスが好きだと言った。デザートも選べるならケーキよりもアイスを選ぶ方だ。
ヨーグルトならアイスクリームよりはカロリーも低いし、健康的でいい。
手にしてるその紙が、やりましょう!!という応援にも思えてくる。
「頑張ります。外に出るときはみんなで食べるから無理かもしれないけど、会社だけの日なら頑張れると思う、頑張ります、作ります。」
そして痩せてみせます!
思ったより本気のダイエット計画になってきた。
「ここに書いてある分はほとんど作ってます。冷蔵庫に入ってます。サラダは無理だけど、メインとご飯はあります。」
?
「夜ご飯をここで一緒にというのは無理なので、今日持って帰って、とりあえず一週間ちょっとやってみませんか?」
「もちろん人と食べるときやお昼は自由です。ただ、一人で食べるときは、これを参考に解凍してアレンジしてみてください。」
「薄味にしてるので足りなかったら醤油などで塩分を足してください。タッパーに入れてるので、本当にレンジにかければ出来上がります。」
「作ってくれたの?」
「はい、私は味見してますが、美味しいかは好みなので。」
「絶対美味しい。決まってるよ。ありがとう。お金も手間もすごくかかったでしょう?」
メニューは確かに一週間分以上ある。
「だっていつもお土産もらってます。全然です。それに手伝うって言いましたよ。」
「でも、定食屋のおばちゃんが寂しいって言うかもしれませんが。」
「大丈夫、馴染みのお客さんだらけだし。・・・・本当にありがとう。」
「忘れずに持って帰ってもらえますか?」
「もちろん。」
「じゃあ、目標を達成したら、美味しいご飯をお願いします。」
あ、そうか。
「じゃあ、しばらくは・・・・。」
「そんな厳しいのはストレスですし、美味しいご飯も食べたいですよね。週末のお昼は定食屋さんでもいいし、とりあえずこれがなくなったら体重測ってみませんか?」
「もし続けられそうなら私がまた作ります。」
「いいの?」
「いいですよ。私はこれで大分減らしました。頑張る日とご褒美の日のメリハリで、週末には好きなものを食べに行ってました。」
「だってアユさんはそんなに細いのに。」
「女だらけだと基準が厳しいんです。」
たしかに僕も似たようなタイプばっかり。
逆に僕の方は基準がゆるかったんだと思う。
「新しい女の人は、どうなんですか?」
「どうなんだろう。あんまり考えたことない。もちろん太ってはいないと思う。僕に太ってるって言われたら怒るよね。」
そうですねとは流石に言われなかった。
またメニュー表を手にする。
サラダと小さなヨーグルト、フルーツ。
自分で買うべきものには青で丸がしてあった。
それ以外はチンで出来るらしい。
これで、作ってもらったものを食べて痩せたら、きっと褒めてくれると思う。頑張ったと役に立てて嬉しいと言ってくれるかも。やっぱり頑張ろう!
ゆっくり話をして帰りは紙袋にたくさんのタッパーをもらった。
付箋がついている。料理名と足すべき食材。
小瓶に調味料も入れられた。
母親にももらったことない、こんな感じ。
美味しく食べるからと約束した。
部屋に帰って冷凍室にしまった。
野菜とヨーグルトは買ってきた。
今日の分だけは冷蔵庫にしまう。
ご飯も一回分ラップに包んでくれていた。
いたれりつくせりだ。
アユさんは何キロ痩せたんだろう。
仕事の愚痴はあまり聞いたことがない、でも僕が楽しそうに話するのを聞いて、楽しそうで羨ましいとも言っていた。
一鉄にも言われたから、楽しめて働けてる方だと思う。
アユさんも辞めたいとか、そんな事は聞いたことがない。
そこはお互い良かったのかな。
まだ夕飯までには時間もある。お腹を空かせて美味しくたべたい。
ふらりと部屋を出て散歩することにした。
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