星占いは時々当たりますが信じますか?

羽月☆

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2、なかなか動かない状況に変化があるでしょう!

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その日の占いは最高だったのだ。

動かない状況、その占いの結果を聞いて私は期待した。

ラッキー星座一位の乙女座の私にチャンスが転がり込んできて、的場さんと話せるとか、いっそ友達、いやいや、もっと違う展開が・・・・。あまりに飛躍した想像に酔いしれながらも現実にはお話出来るだけでもいい!と考えていた現実的な私、ここまでは冷静だった。

会社の忘年会はひとつの課だと人数が少ないので隣の広報と合同でやるのだ。
上司同士が仲が良くて同期だということも理由である。
ただ、その枠も他の課の人が参加したりもするくらいには自由だ。
要するに主催というか幹事というか、それだけのもの。

だから新人披露も兼ねて、営業の人の飛び入りがあっても不思議じゃない!

別に夜まで待たなくてもいい。
ラッキーは突然に・・・・。

忘年会じゃないとすれば例えば廊下で会う?
それすらうれしい出来事だけど会釈で終わる・・・・・。
仕事で関係ができる?
う~ん。やっぱり忘年会しかないじゃない?

とりあえずいつもよりおしゃれをして部屋を出た。
気合も十分。ゆっくり喋りたいしお酒の力も借りたい。
今日の忘年会に過剰に期待してしまう。


ちなみに今日のラッキーアイテムはシルバーのリング。
無難なもので良かった。それなら持ってるし、つけていても不思議じゃない。
・・・欲張って3つも重ねてつけてます。

当然夏はすぐに気がついた。

「おはよう、唯。」

「おはよう、夏。」

夏が私の指のリングを目にする。

「本当に素直~。」

夏も私のラッキーアイテムに気がついた。

「もちろんよ。気合入れてきたから。」

「でも私も、じゃん。」

夏がオレンジ色のスカーフを巻いたバッグを見せる。
冬のこの時期首に巻くにはちょっと違うかなって色。バッグに巻くならありかも。
夏の今日のラッキーアイテム。
残念ながら夏の順位は8位。良くも悪くもない微妙な1日。
いいことは起こらないかもしれないけど、ラッキーアイテムで無難に過ごしたいくらいの順位。

私は1位。
いい事しか起こらないような順位でしょう?期待が膨らむのも当然でしょう?

「楽しもうね、忘年会。」

「うん。」

その前に何かが起こるかも・・・まだ期待一杯の朝だった。
夏には的場さんの事は言ってない。気がついてる様子もない。
だって課は違うし、研修中もほとんど話をしてない。
だってかっこよくて周りには同期の女の子でも積極的な女の子が取り巻いていた。
本当は私だって近くに行きたいけどそんな勇気もなく遠くで眺めてただけ。


的場さんに一目ぼれしたと言っても、私の場合はちょっと違う!
そうなのだ。
きっかけは大学4年の春過ぎから始めた就職活動中のことだ。

当然だがある日この会社を受けるためにここに来ていた。
書類にパスして面接一回目。
とりあえず早く決めて楽になりたい!そんなこともあって面接に挑むときも縋れるものならなんでも縋った。
バッグの中には親とおばあちゃんからもらったお守り。
さらに自分でも買った変な人形のお守りまで入っていた。
これは占いに行った時に買ったもので、なんとなく買ったけどよく見ると微妙にかわいくない。
そんなお守りもずっと持ち歩いてると愛着がわいてバッグの中にはいつもいた。


その日は集団面接の後に個人面接がある日だった。
とても苦手なのだ。
緊張しやすいし、おしゃべりも苦手で、自己アピールなんて強気で行けない。

何度も練習して頑張ってはみたけど。
緊張とため息は隠せないかった。

間にお昼を挟むので駅で食事をしてトイレと歯磨きを終わらせて、待機部屋の会議室に行って待っていた。
何気なくバッグの中を見るとそのお守りがなかった。

「えっ・・・・うそ・・・・・。」

小さく声を出しただけなので誰も気がついてないと思う。
ショック。紐が切れて落としたのかも。バッグの中に落ちてればいいけど。
ガサガサと探してみたけどバッグの中にはなかった。
どうして落ちたの?ああ、縁起が悪い。
どうして?飛び出したの?家出したの?旅に出たの?
時間はまだまだあるのでちょっとだけ来た道を探すことにした。

まず待機部屋の床を見たけど見当たらない。
部屋を出て廊下をキョロキョロしながら歩く。
見つからない。諦めようかと思った時に声をかけられた。

「もしかしてこれを探してる?」

掌に人形をのせて声をかけてくれた人。
てっきりこの会社の人だと思ってお礼を言った。

「あ、ありがとうございます。かわいくないけどお守りで。すっかり愛着湧いたので・・・。見つかってうれしいです。本当にありがとうございます。」

「良かった。拾ったけどどうしようかと思ってたんだ。お互いいい結果になるといいね。」

そう言われて初めて同じ就活中と分かった。
だってスーツも似合ってるし、落ち着いて年上だと思ってたから。
こんな人いた?自分のあまりの余裕のなさに、視界が狭まっていたらしいことに、改めて気がついた。
笑顔でお守りを渡されて、去っていく背中にもう一度お礼を言った。

あ~、なんて素敵なの。できたら一緒に受かって同僚になりたい!

それは単純な一目ぼれに近いものだったけど、私の中ではとても大きな出来事だった。
だって受かったんだから。
晴れて採用通知を貰った時に一番に感謝したくらい、お守りよりもあの時の的場さんに。
名前を知ったのはあとからだったけど、新人研修ですぐにわかった。
でも悲しいかな的場さんには同じ気配を感じなかった。

覚えてもらえてはいない、しょうがない。
皆が同じようなスーツにメイクに髪型の就活中女子。
よっぽど印象に残るものでもないと。普通すぎる私は横並びに平均的女子だったし。

そして同僚にはなれたけど、あれから日々が過ぎ、ここに来てもまともな接点すらなく。
今でもこっそりバッグのポケットに入ってるお守りの人形。

就職内定ゲットのお守りだったはずが今では恋愛成就の思いをのせている。
こっそり名前を付けた。
的場さんの『祐樹』を音だけ取って『勇気』と。

さすがに呼んだことはない、話しかけるほど思い入れてないけど仕事の時は一緒に出勤してる状態。
当の『勇気』は採用を勝ち取りお役御免とばかりに恋愛の方は知らんぷり。
もともと欲張りすぎてる私の願いを勝手に押し付けてる状態だし。

とにかく縋り体質なのか、今日だってシルバーのリングでラッキーを引き寄せられるならと貪欲に重ね付け。
そんなあふれんばかりの思いをのせて欲張って飾られた指が重いのです。


私と夏のいる課は調査課になる。
自社の食品の売れ行きや他社の製品の動向など集めてもらった情報でいろんな資料を作成する。
データ処理をする担当だった。

アンケートを作成したり、イベントを主催すればその後の分析をしたりもする。
なんて偉そうに言っても先輩方の作ってくれたひな型に情報を打ちこんでいけばそれなりに仕上がるのだ。
それでも自分の作った資料が他課の人の役に立つかと思うとうれしい。
イベント前後やCM広告などプロモーションの初め以外はほとんど残業もなく終わる方が多い。



何事もなく終わりそうな業務時間。うっすら期待していた廊下や社食での出会いもなく。
もうあとは忘年会のみ。参加してくれるよね?そう思いたい!
営業の的場さん、是非他課交流を図るってことで、そんなことがあっても少しも不思議ではないよねっ?ねっ?うん!自問自答は力強い。

その日もほぼ定時に仕事を終えて忘年会会場に移動した。
新人は偉い人の隣の席に。
夏に開かれた納涼会と同じように1年目の私たちの場所だった。
当然夏と私は並びで座る。目の前に広報の同期が並んだ。
夏の納涼会では一人病欠ということで井田さんという人が1人だけだったが、その日井田さん、茅野さんが並んだ。茅野さんとはほぼ初対面なくらい。ちょっと目つきが鋭くて怖い印象だった。笑顔が想像できないタイプの人。

そろそろ人が集まり始めたのに・・・乾杯で宴会開始の音頭がとられても的場さんが来る気配はなかった。
がっかり。

「誰か探してるの?」

夏に聞かれてゆっくりと視線を落ち着かせる。

「ううん、みんな揃ったのかなって思っただけ。」

向かいに座る広報の同期と話をするのは自然な流れで。
こんな時に夏は明るくて知らない人にも物おじせずに話かけることができる。
自然に私も楽しく話が出来て目の前の2人と上司も含めて話が盛り上がる。

その内上司はあちこちに呼ばれて離れていく。
自然4人で話を続ける。

「茅野さん、剣道してたんですよね。」

「うん、そう。」へ~、そうなんだ。納得。姿勢がいい。

「研修の時に言ってましたよね。」へ~、そうだっけ?

「まさか庭で今でも素振りとかやってたりして?」

「まさか、今一人暮らしだし、庭がない。」

「残念。想像するとしっくりくるのに。じゃあ全然ですか?」

「うん、今はね。」

「でもスタイルいいですよね。姿勢がいいって言うのかな。」

「それはあるかも。正座は今でも平気だし。」

意外に普通に受け答えして怖い印象も薄れる。

「正座って言えば、井田さんは落研でしたよね。正座得意でしょう?」

「うん。僕も正座は得意です。」

前回話をしたはずなのに何も覚えてない。
井田さんと何を話したかな?仕事の事?新人研修の事?
個人的な話は初めてなのかもしれない。

それにしても夏、すごい。
新人研修の自己紹介の時のみの情報なのに。私はこの二人についてなんて1個も覚えてない。
ちなみに的場さんは山岳部に入っていて、今でも山登りしてるらしい。あと油絵が得意らしい。
私も私にとって大切なことはきちんと覚えてるのだ。うんうん。

「落語の話どのくらい覚えてるんですか?」

「すぐにと言われてやれるのは2、30くらい。ちょっとさらえばあと20くらいはできる。」

「え~、すごい。私は寿限無のフルネームすら覚えられません。」

タイトルくらいはわかる、そんなレベルの私はついて行けそうにない話題。

「着物とか持ってるんですか?」

「さすがにそこまでは。私服でやってました。」

「今度聞きたいです、好きなんです。天狗裁きとか。余裕があれば芝浜なぞ。」

芝浜なんて無理ですって嬉しそうに答える井田さん。
夏の話してる内容がいっそうちんぷんかんぷんになった。

2人は向かい合って落語話で盛り上がる。それをぼんやりと眺める私。

「佐川さんは?運動とかサークルとかは?」

気を遣ってか向かいの茅野さんが聞いてきた。

「運動はダメなんです、はい全く、見てのとおりです。」

「う~ん、そう・・かなとは思った?」

そこは『そうなんだ~』でいいと思うけど。
自分でへりくだって言ってみただけですから。

「じゃあ、文系クラブ?」

「はい、お菓子作りと水彩画クラブでした。体力はいりません。」

「へえ、どっちも得意なの?」

「わりと。でも普通レベルですよ。サークルなんて月1くらいの活動でした。水彩は今でも時々描いてますけど。」

そこは自慢。いつか的場さんと並んで写生会・・・なんて。夢は広がる。
それまでは精進を怠ることなく細々とでも続けるぞ。
もう一つのお菓子クラブは食べたいだけで入ったクラブなので女子力アピールと思われても困る。
どちらかというと水彩の方で話題を広げて欲しいところなのに、この時の茅野さんはなぜか望まぬ方へ話題を転がした。

「じゃあさ、バレンタインとか頑張ったわけだ。」

「・・・・・。」

なんでいきなり地雷を踏むんだ。思わず鋭く見上げてしまった。
悲しい思い出すらない白紙の一日。参加資格すらなかったイベントだ。
作ったものはお互いに交換した友チョコのみ、終わり。以上。
軽くスルーして振り返してやった。

「茅野さんはたくさんもらいました?手作りか買いチョコ。」

「いや、特には・・・。」

この後きっと『ほんの数個くらいです、全部義理チョコですよ。』とか続くところだろう。
なんとなくリア充してました感がある人だ。
絶対もらっただろう、いっそ気を遣わないで言ってくれてもいいのに。

「今度のバレンタインデー欲しいなあ~。手作りチョコ。」

は?何か言いましたか?
さっきから少し目つきが落ち着かない。
ちょっと不機嫌に寄せる眉間のしわが一瞬伸びたあと更に深くなる。

「なになに~。」

夏が勢いよく入ってきてくれた。

「佐川さんがお菓子クラブだったらしいから、今度のバレンタインデーに手作りチョコのおねだり。」

「ああ、いいな~、僕も欲しい。」

なぜか井田さんも参加する。

「なんで、なんで、なんで。」

三回も言ってしまった。
リア充は本命1つで我慢しろっ。
そうなのだ、彼女にもらえばいいじゃん、二人とも、とりあえず茅野さんは絶対。

「何でと言われても手作り食べたいかなと。」

「そんなのは彼女に頼んでください。私ももしかしたらあげる相手がいるかもしれないじゃないですか。あと2か月もあるし。」

2人を指さして不満そうに言ってしまったかも。
この時点で今はいないとプチ暴露。

「じゃあ、2ヶ月後にあげる相手がいなかった場合のみ有効の約束にしよう。な、井田。」

「うん。よろしくお願いします。」

井田さんも嬉しそうに乗る。

「佐川さん、ご馳走様。」

もらうこと確定のような茅野さん、馬鹿にされてないか?

「・・・・あと2ケ月あります。」

言った、期待とプライドをかけて・・・・。
たとえ今日の出会いは半分以上諦めたとしてもあと2ケ月ある。
そう思ってた。


結果的には2ケ月どころか、翌月のホワイトデーにもクッキーなどあげていいくらいの寂しい事情のまま。
結局二人には屈辱の証のようにとげとげしいナッツびっしりのチョコブロックを作ってあげた。
勿論夏にも。

もう一つ渡せなかった特別な箱はしばらく冷蔵庫で寂しそうにして、結局自分で食べた。
ふ~。

ただこの時、バレンタイン話の後からもっと私的な話題が続き。
あれやこれやと話の流れで彼氏がいたことがないことを言ってしまい・・・・。
何故だか私はもっと具体的な、かなり恥ずかしい告白もしてしまったらしい。

皆さん覚えてますか?
私は覚えてません、記憶がありません。

酔っ払いの話ですので真に受けないように。
あとで夏に聞いて自分でも失神しそうだった。

「あの二人の反応は?」

「まあ、スルー。」

そりゃそうだ。そのまま忘れてくれ。
皆大人だ、その話が今まで掘り返されたことはない。
忘れていると確信出来たらどんなに喜ばしいか。
いっそ覚えてるか確認したいくらいだけど・・・そんなこと出来るかっ。

ただ、それまでほとんど話もしなかった二人だけどグッと仲良く話すようになった。
ランチの時に向かい合って食べる様になり、時々飲みに行くようになり。
あくまでも4人そろってが前提だけど仲良く普通にしゃべれる貴重な存在ではあった。

そして井田さんの落語も皆で聞きに行った。
今まで知らなかった世界だけどこんなに面白いなんて。
そう思えるくらいには井田さんも上手だったし、他の人の話も上手で楽しめた、笑えた。
分からないところはあとで教えてもらった。
井田さんは会社では控えめな印象なのに落語を始めると結構な大きな声が出るし、声音や話し方もびっくりするくらい上手に変えて印象が変わる。

ところがしばらくして井田さんに彼女が出来て誘うと断られることが増え、そうなると3人はバランスが悪く。
なかなか職場以外で会うこともなくなり。
そういえば茅野の彼女の事は知らない。
聞いたことがない。
この頃にはすっかり馴れ馴れしくなって、なんだかとつっかかってくるような奴の態度にいら立ちを覚え始めていた。名前も呼び捨てにしていた。

あの日、結局占いもシルバーのリング3連も反応はなかったのだ。
的場さんは来なかったから。
いまだに単なる同期でほとんど何も知らない同士。
余計な同期が一人馴れ馴れしくなっただけの日。
そんな残念な日だったのだ。
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