13 / 51
第二の石碑 コルセア王都カリーン
02話 失言
しおりを挟む
翌朝。
草原にしては珍しく、緑よりも青いマナの方が多く浮遊していた。
雨にでもなるのかな、と、草洞を出てみると、完全に視界を奪うほどの霧が草原を覆い尽くしていた。
「おお~」
霧のお陰で、僅かにひんやりとした空気が気持ちいい。
「よし!」
僕は気を引き締めて、昨日の失態を繰り返さないよう反省した。
もし僕がユーリエのことを好きだとばれてしまったら、ユーリエは僕から離れて石碑巡りをするか、セレンディアに帰るか、どちらかだろう。
自分の想いに素直になれば、僕は……ユーリエと、ずっと一緒にいたい。
始まりは無理矢理ユーリエを連れて行く流れになってしまったけれど、今は違う。
僕はユーリエと一緒に、石碑巡りをやり遂げたい。
そのためにも、昨日みたいな失敗はだめだ。
元々、僕はマールを尊崇していて、立派な聖神官になるために石碑巡りをしたかったけれど、今ではユーリエへの想いを断ち切るためのほうが大きな目的になってしまっている。
でも、この想いを抱いたまま聖神官を目指す道も、あるのかもしれない。
この旅で、答えを見つけていこう。
そう心新たにしていた時。
「カナクおはよ~。外にいる?」
草洞の中から、ユーリエの声がした。
「おはよう。僕はここにいるよ。今からそっちに戻ろうと――」
「あ、ごめん。今は少し、恥ずかしいかも」
「え?」
「着替え中だから」
ええええええ!?
「じゃ、じゃあ、後にするよ」
「見たければどうぞ」
「どうぞなの!?」
そりゃ見たいけど。
って、そうじゃない!
やっぱりユーリエって、なにを考えているのかわからない……。
僕はしばらく霧の中、その場に座って待っていた。
「おまたせ~!」
草洞から、すみれ色の髪を靡かせて、服を着たユーリエが飛び出してきた。
「おはようユーリエ」
僕が微笑んで、挨拶する。
ユーリエは、にっ、と満面の笑顔になった。
「おはよっ! カナク!」
くっ……めちゃくちゃ可愛い笑顔だなあもう!
それに美味しそうだ。
……ぐっ!
さっき考えていたことと、いきなり逆をいってるぞ!
ダメだダメだ!
「さ~て、今日も張り切って歩きますか~!」
ユーリエがのし、と僕に背中から体重を預けてきた。
大好きな人の顔が、すぐ横にある。
これから先、この距離で旅をするのか。
たった数ミン前に行った決意が、早くも瓦解していく音が聞こえた。
それから。
僕らは草洞の中で朝ご飯を食べ、ユーリエが使った寝袋を丸めて鞄の上に縛り、荷物を持って外に出る。
そして魔法を解いて、ただの草原に戻した。
僕はユーリエと視線を交わし、霧の中を歩き出した。
まだ石碑巡りの旅の二日目だ。
昨日はいきなり色々あったけれど、今日からはきっちり旅をしよう。
「それにしてもカナクの魔法、本当に凄いね」
「そう?」
あの魔法の天才ユーリエが心底感心していることに、僕のほうが驚かされた。
「今夜もこの魔法を使うの?」
「うん。きっと今日中にこの草原は抜けられないだろうからね」
「そっか」
「なんで?」
「その魔法、盗ませてもらうね」
「え、そんなことができるの?」
「簡単よ」
うわぁ。こういうところが天才たる所以なんだろうな。
でも、ユーリエにも知ってもらったほうがいいかもしれない。
「盗むっていうか、ちゃんと教えるよ。僕になにかがあった時、草洞を作ってもらいたいし」
「大丈夫。カナクにはなにも起きないっ! だって私が守るっていったでしょ?」
「あれ、本気だったんだ」
「当たり前じゃん」
ユーリエは真剣な表情でワンドを腰から抜く。
その愛らしい動きに、笑みが零れた。
今は朝の六ハル。徐々に霧も晴れてきて、見通しも良くなってきた。
「ねえ、カナクってセレンディアから出たこと、あるの?」
ユーリエの問いに、僕は頭を掻いた。
「実は恥ずかしながら、ないんだ。僕の知識は全部、セレンディアの酒場で出会った旅人や音楽団、商人からの情報だよ」
「学校に行きながら、そんなことをしていたの?」
「それだけじゃないかな。聖神殿の掃除とか、司教さまのお手伝いとか。やることはたくさんあったよ」
「確かカナクって魔法学校の試験の成績、一五二人中、十五~二十位くらいだったよね?」
「え、そうだけど」
「旅に必要と思われる魔法を自分で学んで、それだけのことをして、上位に食い込めるなんて……凄いね」
「いつも一位だったユーリエに言われてもね」
「だって私は勉強しかしてないもん」
それにしても、よく僕の順位を知っているなあ。
やっぱり頭がいいんだ。
「そういえばさ、どうしてユーリエはずっと一位を目指してたの?」
魔法学校で主席となれば、その領主から認められて公爵家に仕えるという道が開ける。でもユーリエはなにもしなくてもセレンディア公爵家の一族なのだから、そんなに真剣に学ばなくてもいいはずだ。
現にレニウスの成績は、下から数えた方が早かった。
「あー、それはねー……め、目立ちたかったの!」
「目立つ?」
「カナク、学年二位と三位の人って覚えてる?」
「それは――」
あ、本当だ。
確かに一位のユーリエは覚えているけれど、それ以下は友達の成績しか覚えていない。
ユーリエの名前はクラスが違っても覚えているのに。
「なるほど……目立つ為なのか。意外だなぁ」
「ん~。まあ、そんなところかな」
ユーリエが、目の前にあった小石を蹴りながら言った。
「それにしても、ユーリエと一緒に歩いていると石碑巡りって気がしないなあ」
「そう? なんで?」
僕は天を仰ぎ、目を閉じる。
誰も通っていない道だから問題ない。
「一〇〇〇年前、まだ紅の魔女と呼ばれていたマールは、尊い行いをしながら旅を続けたけれど、いつも孤独だった。たった一人でアレンシア中を巡って、陽種族にも闇種族にもわけ隔てなく魔法を教えていった。凄く強い人だったと思う。それに比べて僕にはユーリエがいる。こんなに楽しい旅でいいのかな、って思うんだ」
「ホント!?」
ユーリエが叫ぶ。
「本当だよ。僕は思い違いをしていた。どんなに頑張ったって、僕はマールになれない。ユーリエと一緒に歩いているだけで嬉しいからね」
「…………」
ととと、と、僕の隣にくるユーリエ。
「手、繋ぐ?」
「いやいや、そそ、そうじゃなくてね!?」
「カナクって照れ屋さんだよね」
「そんな、こと、ないよ……」
ふふっ、と顔を綻ばすユーリエ。
顔が熱い。
「私も楽しいよ、カナク」
「そうだといいけど。もし辛かったり、つまらなかったら、いつでも戻っていいからね」
次の瞬間。
ユーリエはぴた、と足を止めた。
草原にしては珍しく、緑よりも青いマナの方が多く浮遊していた。
雨にでもなるのかな、と、草洞を出てみると、完全に視界を奪うほどの霧が草原を覆い尽くしていた。
「おお~」
霧のお陰で、僅かにひんやりとした空気が気持ちいい。
「よし!」
僕は気を引き締めて、昨日の失態を繰り返さないよう反省した。
もし僕がユーリエのことを好きだとばれてしまったら、ユーリエは僕から離れて石碑巡りをするか、セレンディアに帰るか、どちらかだろう。
自分の想いに素直になれば、僕は……ユーリエと、ずっと一緒にいたい。
始まりは無理矢理ユーリエを連れて行く流れになってしまったけれど、今は違う。
僕はユーリエと一緒に、石碑巡りをやり遂げたい。
そのためにも、昨日みたいな失敗はだめだ。
元々、僕はマールを尊崇していて、立派な聖神官になるために石碑巡りをしたかったけれど、今ではユーリエへの想いを断ち切るためのほうが大きな目的になってしまっている。
でも、この想いを抱いたまま聖神官を目指す道も、あるのかもしれない。
この旅で、答えを見つけていこう。
そう心新たにしていた時。
「カナクおはよ~。外にいる?」
草洞の中から、ユーリエの声がした。
「おはよう。僕はここにいるよ。今からそっちに戻ろうと――」
「あ、ごめん。今は少し、恥ずかしいかも」
「え?」
「着替え中だから」
ええええええ!?
「じゃ、じゃあ、後にするよ」
「見たければどうぞ」
「どうぞなの!?」
そりゃ見たいけど。
って、そうじゃない!
やっぱりユーリエって、なにを考えているのかわからない……。
僕はしばらく霧の中、その場に座って待っていた。
「おまたせ~!」
草洞から、すみれ色の髪を靡かせて、服を着たユーリエが飛び出してきた。
「おはようユーリエ」
僕が微笑んで、挨拶する。
ユーリエは、にっ、と満面の笑顔になった。
「おはよっ! カナク!」
くっ……めちゃくちゃ可愛い笑顔だなあもう!
それに美味しそうだ。
……ぐっ!
さっき考えていたことと、いきなり逆をいってるぞ!
ダメだダメだ!
「さ~て、今日も張り切って歩きますか~!」
ユーリエがのし、と僕に背中から体重を預けてきた。
大好きな人の顔が、すぐ横にある。
これから先、この距離で旅をするのか。
たった数ミン前に行った決意が、早くも瓦解していく音が聞こえた。
それから。
僕らは草洞の中で朝ご飯を食べ、ユーリエが使った寝袋を丸めて鞄の上に縛り、荷物を持って外に出る。
そして魔法を解いて、ただの草原に戻した。
僕はユーリエと視線を交わし、霧の中を歩き出した。
まだ石碑巡りの旅の二日目だ。
昨日はいきなり色々あったけれど、今日からはきっちり旅をしよう。
「それにしてもカナクの魔法、本当に凄いね」
「そう?」
あの魔法の天才ユーリエが心底感心していることに、僕のほうが驚かされた。
「今夜もこの魔法を使うの?」
「うん。きっと今日中にこの草原は抜けられないだろうからね」
「そっか」
「なんで?」
「その魔法、盗ませてもらうね」
「え、そんなことができるの?」
「簡単よ」
うわぁ。こういうところが天才たる所以なんだろうな。
でも、ユーリエにも知ってもらったほうがいいかもしれない。
「盗むっていうか、ちゃんと教えるよ。僕になにかがあった時、草洞を作ってもらいたいし」
「大丈夫。カナクにはなにも起きないっ! だって私が守るっていったでしょ?」
「あれ、本気だったんだ」
「当たり前じゃん」
ユーリエは真剣な表情でワンドを腰から抜く。
その愛らしい動きに、笑みが零れた。
今は朝の六ハル。徐々に霧も晴れてきて、見通しも良くなってきた。
「ねえ、カナクってセレンディアから出たこと、あるの?」
ユーリエの問いに、僕は頭を掻いた。
「実は恥ずかしながら、ないんだ。僕の知識は全部、セレンディアの酒場で出会った旅人や音楽団、商人からの情報だよ」
「学校に行きながら、そんなことをしていたの?」
「それだけじゃないかな。聖神殿の掃除とか、司教さまのお手伝いとか。やることはたくさんあったよ」
「確かカナクって魔法学校の試験の成績、一五二人中、十五~二十位くらいだったよね?」
「え、そうだけど」
「旅に必要と思われる魔法を自分で学んで、それだけのことをして、上位に食い込めるなんて……凄いね」
「いつも一位だったユーリエに言われてもね」
「だって私は勉強しかしてないもん」
それにしても、よく僕の順位を知っているなあ。
やっぱり頭がいいんだ。
「そういえばさ、どうしてユーリエはずっと一位を目指してたの?」
魔法学校で主席となれば、その領主から認められて公爵家に仕えるという道が開ける。でもユーリエはなにもしなくてもセレンディア公爵家の一族なのだから、そんなに真剣に学ばなくてもいいはずだ。
現にレニウスの成績は、下から数えた方が早かった。
「あー、それはねー……め、目立ちたかったの!」
「目立つ?」
「カナク、学年二位と三位の人って覚えてる?」
「それは――」
あ、本当だ。
確かに一位のユーリエは覚えているけれど、それ以下は友達の成績しか覚えていない。
ユーリエの名前はクラスが違っても覚えているのに。
「なるほど……目立つ為なのか。意外だなぁ」
「ん~。まあ、そんなところかな」
ユーリエが、目の前にあった小石を蹴りながら言った。
「それにしても、ユーリエと一緒に歩いていると石碑巡りって気がしないなあ」
「そう? なんで?」
僕は天を仰ぎ、目を閉じる。
誰も通っていない道だから問題ない。
「一〇〇〇年前、まだ紅の魔女と呼ばれていたマールは、尊い行いをしながら旅を続けたけれど、いつも孤独だった。たった一人でアレンシア中を巡って、陽種族にも闇種族にもわけ隔てなく魔法を教えていった。凄く強い人だったと思う。それに比べて僕にはユーリエがいる。こんなに楽しい旅でいいのかな、って思うんだ」
「ホント!?」
ユーリエが叫ぶ。
「本当だよ。僕は思い違いをしていた。どんなに頑張ったって、僕はマールになれない。ユーリエと一緒に歩いているだけで嬉しいからね」
「…………」
ととと、と、僕の隣にくるユーリエ。
「手、繋ぐ?」
「いやいや、そそ、そうじゃなくてね!?」
「カナクって照れ屋さんだよね」
「そんな、こと、ないよ……」
ふふっ、と顔を綻ばすユーリエ。
顔が熱い。
「私も楽しいよ、カナク」
「そうだといいけど。もし辛かったり、つまらなかったら、いつでも戻っていいからね」
次の瞬間。
ユーリエはぴた、と足を止めた。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~
日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ―
異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。
強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。
ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる!
―作品について―
完結しました。
全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる